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都銀統合って、リストラの理由なんだ
木村 代表取締役名誉相談役 運営者 ところで、オンラインバンキングって儲かるんでしょうかねぇ。 木村 いやあ、難しいかもしれませんね。 運営者 そうすると、ネットでリテールで儲けるというのは可能なのでしょうか。 木村 それは、オンライン証券なんかはありますよね。チャールズシュワブ・モデルでしょう。 運営者 でもあれも価格破壊型のモデルですよね。つまり、今まで取引手数料が高すぎたから、ネットの力を使ってそれを適正に戻すというだけですよ。 木村 でも、チャールズシュワブは、ちゃんと利益を上げてます。日本ではどうだか分かりませんが。 運営者 日本の金融機関はおしなべて、かなり元気がないのですが、この傾向はまだまだ続くのでしょうか。それとも、短期的に起死回生するでしょうか。 木村 経営者次第だと思います。 運営者 都銀は4大グループ体制になりますが、この体制でうまくいくのか、それともこれではとても間に合わないのか。 木村 統合自体にはびっくりするようなメリットはありません。ですからそれを詳細に議論する意味はあまり感じませんね。 運営者 じゃあ、あれで都銀の足腰が強くなるということはないんだな。 木村 原則は、自分の力でひとりで立てるようになるということです。 運営者 そういう努力をしなければならないですね。 木村 新聞に書かれていましたが、いまだに公表数字では「給料は横這い」らしい。実際のところはパートの人数を加えて給料は上げ続けているという噂もある。公的資金をもらいながら、そういうことをもし本当にやっているとすれば、国民の怒りが点火したとき、どうなることか。 運営者 でも、給料を上げないと、できる社員から逃げてしまうんじゃないですか。あるいはモラールを維持できないとか。 木村 すでに金融マンのマーケット・プライスは下がってしまっています。以前の半分の水準ですよ。そういう意味では銀行を辞めるにしても大変なんです。それでも辞められてしまうというのは、出来る奴をきっちりと評価できない人事の制度や運営に大きな問題がある 。 運営者 では、エンプロイアビリティという意味では、日本の金融機関の社員の持っている能力は今までもらっていた給料に見合ったものでしょうか、それとも遙かに及ばないのでしょうか。 木村 残念ながら、多くの人は及ばないかもしれませんね。しかし、そうではない人たちが少なからずいることも事実です。 運営者 ということは、いずれにしても、これだけの人数を抱える金融機関の経営には無理があるということですな。 木村 都銀は統合しますから、2002年にかけて大規模なリストラをすることになります。その結果、かなりの数の金融マンは労働市場に吐き出されることになるでしょうね。 運営者 統合って、リストラの理由なんだ。考えてみれば、統合なんかしなくたって、リストラ自体は各行が独自にやろうと思えばできたわけですから。あれによってリストラを正当化できるんですね。
(この項終わり)
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