個人的な感想を書くわけですから,どんな好みの人間が書いたかという情報はあった方がよいでしょう.というわけで,わたしがいままでやってきたネットワークゲームの感想と,今どうして続けていないのかといったあたりを紹介しておきます.
- Ultima Online(UO)
- 開始数ヵ月後あたりから,日本サーバが設置される直前くらいまでやっていました.
木材刈って家具作り,釣りして魚料理作り,材料買ってパン・鶏料理作り,あと裁縫で資金作ってスクロールと秘薬買ってひたすら書写で魔法スキル上げ,といったことをやって,最終的にはMasterMageくらいまで行っていました.PC相手の商売として,MarkedRuneを売ってみたりしていた記憶もうっすらと残っています.
「戦闘」の文字がどこにもありませんが,これはわたしが生産好き,ということ以外にも大きな原因があって,当時のUOは街から出ると原則PvP(Player vs. Player: PC同士の戦闘)が自由で,拒否権なしで戦闘を仕掛けられるようになっていたのです.そのため,一歩街から出ると「治安」なんて言葉はどこにもなく,他のPCが視界に入ったりしただけで,そりゃもうドキドキものでした.そんなわけで,人生のほとんどを街の中で過ごしていました.稀に街から出たときにも,他のPCを見かけたら全力で逃走していたので,おかげさまで他のPCに殺されるという経験はせずに済みました.ちなみに初の死亡は,自分で呼び出したStoneWallに頭をぶつけたため,という画期的すぎて笑えるものでしたが,自分の死体から持ち物が他のPCに盗られて行くのを眺めるのは切ないものがありました.後はリッチ先生に死なされたのが一回あるくらいでしょうか.
今ではPvP可と不可の世界が分かれて平穏な生活が送れるようになり,そのあたりは改善されているようです.ただ,死んだら装備全ロストを覚悟しなければならないとか,NPCの店で売れる量,買える量が制限されている等々,全体を通して“早い者勝ち,強いもの勝ち”といった原則が貫かれていたのが嫌で,今では続けていません.
もちろん,初のMMORPGということでかなりの時間プレイして楽しみましたし,「生産」というシステムが導入されたという点だけでも偉大なゲームだということは間違いありません.
- EverQuest(EQ)
- 開始数ヵ月後あたりから何年かやっていました.
- Enchanter/GnomeがLv8くらいまで,これは生産一直線で,人目を避けて(なぜ?)誰もいないAk'anonの地下にこもり,ひたすら陶芸と鍛治に燃えていました.おかげでこれらのスキルはかなり高いところまで行っていました.
- Warrior/WoodElfがLv13くらいで,まぁ戦士です.特に書くこともなく.
- Cleric/HalflingがLv21で,人助けがしやすいのはいいなぁ,もしかして天職? とか思ったのがこれです.
UOの後発だけあっていろいろ研究されており,PvPの分離,本人の許可のない死体からの装備回収不可,NPCの売る粗悪品に法外な値段を付け,プレイヤーからの買い取り値は理不尽に低い,という設定によってPC間の取引を活性化するなど数々のナイスな工夫が見られ,楽しめるものになっていました.
ただ,よく考えて作られているだけあって,PCのレベルがすぐ上限に達して飽きる人が続出するという「高齢化問題」への対策としてか,レベルアップが非常に大変,というバランスに調整されており,完全廃人プレイなひとでないと到底不可能じゃないか,と思えるくらいに後半のレベルアップが大変です.また,徹底したパーティプレイ志向で,中盤以降,ソロ(一人)プレイではほとんど何もできないというのは厳しいものがありました.(「ネットゲームで一人プレイなんて意味ないじゃん」というツッコミには返す言葉はありませんが.w) また,ある程度以上レベルの差があるメンバーでパーティを組んでもほとんど経験値が入らないという制約もあり,序盤で生産ばかりやっていてレベル上げをあまりしていなかったために知り合いのキャラとの差が開き,一緒にレベル上げをすることもままならない状況になっていました.
また,メインの(?)生産の方も,当時は作ってもあまり意味のないアイテムばかりで,唯一BandedArmorだけがPCに需要があったくらいなのですが,アイテムが壊れるということがないシステムだったために,一度できたものはいつまでも壊れずに残り,必要な人に一通り行き渡ってしまうと需要がなくなり,いくら値段を下げても売れないという“BandedArmorショック”が起き,生産スキルの意味があまりなくなるという状況になっていました.現在ではPCにも需要の高いアイテムが作れるようになっている等改善が進んでいるようです.
ユーザが飽き始めないうちの拡張パック発売,多言語版や家庭用ゲーム機版の発売,といった積極的な展開で,今後もさらに期待されているタイトルです.
- ファンタシースターオンライン(PSO)
- EQが出て以降,国産のネットワークゲームもちょろちょろと出てはいたのですが,買ったり,体験版をもらってきてプレイしたり,友人にプレイの様子を見せてもらったりしても,「こ,これはちょっと〜...」というものが多く,やはり海外との格差ってあるのかな〜,と思っていたりしました.
そこに,なんとドリームキャストでプレイできるオンラインRPGがでるというので,これはぜひ試さねば! というわけで買いました.UOやEQのように,一つの世界を大人数のプレイヤーで共有するタイプではなく,何人かでパーティを組んでそのパーティ専用の世界を作るという方式で,後述するDiabloに似たシステムです.また,戦闘とクエストがメインで,生産等の要素はありません.というわけであまりのめりこまずに一通りクリアした程度でした.
しかし,パソコンがなくてもプレイできる等,とっつきやすさでプレイヤーの数を増やした功績は大きいと思います.isao.netつながり(?)で,クロスゲートといっしょにプレイしている人も多いかもしれません.
- Diabloシリーズ
- これもアクションゲームの色合いが強く,マッシブ(大人数で世界を共有)でもありませんが,きれいなグラフィック,ネットワークプレイの導入,ランダム生成されるアイテムやマップ,よく考えられたゲームバランス等,特筆すべきゲームでした.主にオフラインのソロプレイ(ネットワークにつながない一人プレイ)でかなりやりこみました.ただ,セーブデータがプレイヤーのパソコン側にあったため,チート(“ずる”: データファイルやプレイ中のメモリを書き換えて能力値やアイテムを好きなように変更すること)が比較的簡単にできてしまい,そうした情報を目にしてちょっと萎えてしまったのもあって,段々プレイしなくなっていました.
その後Diablo2(D2)が出て,これももちろんやりましたが,1のころにあったテイストが薄まったというか,うまく言えませんが「なんかちょっと違う」感があって,あまり長続きしませんでした.
しばらくしてからエクスパンジョン(D2X)が出て,ちょっと迷った結果買ったのですが,D2で不満のあった部分が大幅に改善されて,さらにすばらしいゲームとなっていました.クロスゲートを始めて時間がなくなったのもあって最近はあまりやっていませんが,お勧めできるゲームだと思います.
振り返ると,UOとEQでは一人でこもって生産活動,PSOやDiabloではごく限られた知り合いとしかネットワークでのプレイはしていませんでした.そう,どうやらわたしはネットワークゲームに向いていないひとなのです.
...いえ,そんなオチをつけたかったわけではありません.こんな風に,今までのオンラインゲームにあまりなじめなかった人(そのわりにはプレイしまくってますが)にもクロスゲートは向いているかもしれませんよ,ということを言いたかったのです.
前置きが長くなりましたが,こういった感覚の人間から見たクロスゲートの良いとこ良くないとこを見てみることにしましょう.
簡単にまとめると,生産したい人,商売したい人にはほぼ最強の環境が揃っていると断言できます.まったりしたい人にもかなりいい線行っています.Urshyさん(誰?)の言によると「IRCっぽいね」とのことですが,「つないだままほっぽって置いて,好きなときに話ができる」という意味であれば,そういった使い方を当初から想定していたかのような作り,と言ってよいかもしれません.
また,戦闘に関しては,UOほどアバウト(失礼)ではありませんが,EQほど緻密な戦略と各職業の連携が必要というわけではありませんし,アイテムとスキルを絡めた戦略性ではDiabloに及びません.緻密でシビアな戦闘がしたい,他には何も要らない,という方は,上で述べたような,その方面で優れたゲームがたくさんありますので,わざわざクロスゲートを選ぶ必要はないと思います.しかし,それほど厳しい要求をしないのであれば,クロスゲートの戦闘も十分楽しめるものになっています.特にデュエル(対人戦)などは,わたしはあまり好きでなかったのですが,一度誘われて見に行ったデュエル大会で熱い対戦を見て,これならやってみてもいいかな,と思えるほど面白かった覚えがあります.デュエル以外にも,使い魔(ペット)のカードをコレクションしたり,捕まえた使い魔を思い通りの仕様に育てていくなど,老後の楽しみ(?)もいろいろありますのでしばらくは楽しめることと思います.
これでわたしの思うところのクロスゲートの特徴は大体書き尽くしました.今までのネットゲームに対してわたしと同じような感触をもっていた方にはクロスゲートをほぼ確実に気に入ってもらえると思います.そうでない方には以下の入門編を読んで雰囲気をつかんでもらって,よさそうならプレイしてみて欲しいと思います.