「アダルトチルドレン」
   Adult  Children (AC)   
  
  アダルトチルドレン(AC)の概念はアメリカでカウンセリングの現場
 から生まれてきました。
 正式には Adult Children Alcoholics (ACOA・・・アルコール依存症
 の親を持ち成人した子どもたち)といいますが、アルコール依存の
 家族ばかりではなく、温かい家族関係、情愛ある人間関係がうまく
 機能しない家庭で育った人たちも Adult Children of Dysfunctional
  Family (ACOD・・・機能不全家庭出身の成人)とよび、この両者を
 総称してアダルトチルドレン(AC)といっています。
   (参)ACOA ・・・酒害家族   ACOD・・・機能不全家族
 アダルトチルドレンは医学上の正式な診断名ではありませんが、
 真我に気づき本来の自己に出会うための大切なキーワードとされて
 います。

  このような家庭環境で育った子どもたちは、なんとかその環境に
 順応して生活していくことを本能で学んでいきます。
 精神的につらい過酷な日々の環境下で、できるだけ、もうこれ以上
 自分が傷つかないようにと、心をかばうことを学習していきます。
 「余計なことはしゃべらない。 口をださない。 できるだけ感じない
 ようにする。人は信じないようにする。本心は絶対あかさない。人には
 心を開かない、ひらいたら自分が損をするだけ。どんな人からもいつ
 も良く思われていたい。人から嫌われたくない」 
 これらはすべてACの人たちに共通している症状になります。
 子どものころからこう自分に言い聞かせることによって、自分自身を
 無意識に守って生きぬいてきたのです。
 もし正常に感じていたら、心をひらいて生きていたら、今おかれている
家庭環境があまりにも残酷で、無情で、つらすぎて生きてはいかれなか
ったのです。 

  人は生きるために生を授かってきます。どんな生物も動物も自ら死を
 選択する行動はけっしてしません。
 人間の子どもも同じです。 どんなにつらくてもこれがあたりまえだと
 思ってその家庭環境で生きぬくすべを学び、生きようとして暮らしてき
 ます。悲しくてもさみしくても子どもは、自らの意思で死ぬことは(自殺)
 はできません。 生きぬくことしかまだ知らないのです。
  自殺は、人間が体の成長と共に、頭が、頭脳が成長しはたらいってき
 てしまったがために、生じてきた悲惨な行為です。自然界で生きるために
 生まれてきたものの「天然」に反する、愚かな選択肢なのです。
 小さな子どもには苦しくてもその選択眼がありません。
 自然界の動物のように頭と心が、清く純粋だからです。
 だからこそ、小さな精神を狂わせてまでも、その劣悪な家庭環境のもとで
 なお懸命に生きようとしてきたのです。    次のページへ