以前から不安神経症、心臓神経症と称されていた症状が1980年に
「パニック障害」として、世界的に統一されました。
日常生活の中で、ささいなことがひきがねとなり、動き、発汗、めまい
呼吸困難、胸のいたみなどを伴い極度の不安感におそわれる症状です。
これらの症状はしばらくするとおさまるので、病院で心電図をとってみても
異常はみられないため、とかく、気のせいです。
考えすぎです。なんでもないですよ、といわれがちになります。
心身が病み、弱り、傷ついているときほど、このような絶望的で、胸に
つきささる言葉はありません。だいじょぶです。たいしたことありませんは
傷ついてる人には禁句です。 本人が気に病んでいるからこそ、こころが
不安定になっているのですから。

パニック障害の初発発作は強い恐怖体験となり、心を通りこし、脳細胞
にまで影響を及ぼしていきます。 耐え難い衝撃は脳裏に焼きついて
昼夜あたまから離れなくなります。深い眠りにつけなくなります。
その恐怖がまた、あらたな不信感、不安感をよび、思い悩めば悩むほど、
症状は悪いほうへ向かっていきます。
一度不安にかられると、その場所や、同じケースに自分がおかれること
を無意識に避けようとするため、行動範囲、人間関係が日に日にせばめ
られていきます。
その孤独感がまた不安をひきおこしてしまいます。
人ごみにでていても不安、友達に囲まれていてもどこか孤独、ひとりで
殻にとじこもっていても恐怖。 まさに心が八方ふさがりの状態におい
やられてしまうのがパニック障害の症状といえます。

原因としては、脳の生物学的な、一時的な誤りがあって生じる生学的説、
心理的ストレスによる心因説などがあります。
パニック時の発作は、交感神経系の過剰な興奮状態としてとらえられて
います。交感神経の興奮は、人間が危険な状況に遭遇したとき、自らを
防衛するためのみ発動される心身の状況になります。
その交感神経が常に発動されやすいように準備されてしまっているのが
パニック障害のかたの状態です。
これを心因的なもので考えるならば、過労やストレス、悩み、心配事、
家庭内の不和、人間関係、、、など脳の過労状態が充分に作用している
ことになります。             次のページへつづく
パニック障害