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「'77時計ハ動物カナ」展は多摩美術大学芸術祭に参加するため東野ゼミ主催で開かれたグループ展であった。参加作品として制作された「チキンポール」は総勢 20名あまりのスタッフが徹夜で仮設電柱を黒く塗り、ニワトリを固定するための網を作り、ユンボで穴を掘り設置された。半年前から制作準備にかかり、肉にされる寸前の10羽のニワトリを一羽わずか100円でちかくの農家から買い求め、恐ろしいかな一羽ずつに教授の名前をつけて大学のアトリエで飼育した。今となっては笑い話だが、当時はビクビクものであった。そのうち元気のいいニワトリを5羽選び、はれの日に備えた。彼等はよく頑張ってくれた。しかし会期中の三日間放置する予定が二日目に霧雨が降り、電柱の下で彼等を見守る動物愛護者たちや、にわか博愛主義者たちによってその作品はもろくも破壊されたのだった。あわれ拉致された我がニワトリたちはその後、芸術祭の模擬店の焼き鳥屋で売られていたと聞く。げに恐ろしきは人の所行なりというところかな。合掌…。


	チキンポール／多摩美術大学八王子校舎キャンパス「Tゼミ'77時計ハ動物カナ」展に出品　1977年