半村 良

軍靴の響き

bookf1_014 角川文庫 375−1
・・それは、時代の曲がり角をはっきりと象徴していた。昨夜、寝室でその女を抱いて寝た男は“軍靴”をはいた男だった。<戦争>に虐げられた、あの忌まわしい記憶がよみがえってきた・・。すざましい日本経済の海外進出は、インドネシアに政情不安を起こした。政治は腐敗堕落し、むき出しの反日感情が昂まった。日本政府は、西イリアンの石油利権を保護する名目で派兵を強行。既成事実がつくり上げられ、刻刻、<戦争の危機>が近づいてきた!どす黒い現代の恐怖感を描いた、著者会心の長編小説。


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