■ デジタル時計LSIの製作 ■


MM5316N + 蛍光表示管 LD8035E デジタル時計

 一昔前の蛍光表示管式デジタル時計には、時計専用LSI 「MM5316N」が、たくさん使用されていました。
 「MM5316N」は、蛍光表示管用に設計されているので、LSIの動作電圧も21V〜29Vと高く、セグメント出力はオープンドレインになっているので、直接表示管をドライブできます。
 また、4桁の複合表示管には、このLSIのピン配列に合わせて設計された物も多く見かけます。
 
 今では入手も困難ですが、使わなくなった蛍光表示管時計を分解すると、入っている可能性が高いと思います。
 
 表示管は、この製作時にまだ入手可能であった、NECのLD8035Eを使用しました。


回路の概要
 
1.電源回路

 
 ・電源は、DC24VのACアダプターのみで動作します。
 
 ・蛍光表示管の制御で一番手間のかかるのが、フィラメント用電源です。
 ・これまでの製作では、シリーズ・レギュレータを使用して、1〜3Vの電圧を得ていましたが、
  損失が多く発熱量も気になっていたので、今回は、TO-220型でスイッチング・タイプの、
  「LM2575T-ADJ」を使用してみました。
 
 ・結果はとても良好で、24V→1.6Vの降圧でも、ほとんど発熱がありません。(ほんのり暖かい程度)
 ・価格はシリーズ・レギュレータよりも多少高くなりますが、回路構成も簡単なので、今後はこのICを
  使用して行きたいと思います。

2.基準信号発生回路
 
 ・MM5316Nの時計カウントには、50Hzの信号が必要なので、「秋月電子通商」の超高精度
  クリスタルモジュールの12.8MHzを分周して、50Hzの方形波を得ています。
 ・方形波の出力電圧が5Vのため、トランジスタで24Vに変換しています。
 ・また、この分周回路から3.2KHzと6.25Hzの信号を利用し、1,600Hzの発信音を断続させて、
  ピピピ・・・と言うアラーム音を作っています。
 
 ・基板の約半分がこの回路で占められてしまっているので、今後は、AVRマイコン等に置き換えて
  50Hzを発生させたいと思います。

3.表示管ドライブ回路
 
 ・表示管のドライブは、すべてMM5316Nが行ってくれます。
 ・スタティック表示なので、カットオフ用のバイアス電圧も不要です。



回 路 図  GIF版 M5316LDcir.gif (205KB)  PDF版 M5316LDcir.pdf (261KB)

部品配置図  GIF版 M5316LDpcb.gif (260KB)
 
   
注意! この図面を使用した、いかなる損害にも責任を負いません。 


 
ケース側面

 
基板 部品面

 
基板 ハンダ面

 
基板 正面

 
基板 後面

 
基板 右側面

 
基板 左側面
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○パーツの参考資料
 ・基準信号 水晶発振器  「秋月電子通商」 超高精度クリスタルモジュール(12.8MHz±1ppm)
 ・基板  「秋月電子通商」 片面ガラスエポキシ・ユニバーサル基板 Bタイプ (95x72mm)
 ・ACアダプター  「秋月電子通商」 超小型スイッチングACアダプタ 24V 0.5A
 ・ケース  「ダイソー」 コレクション ケース A062  W93xD93xH87mm


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