
■ ロジック・チェッカー & ロジック・パルサーの製作 ■ |
単発のパルスを観測するために、30年前に購入したロジック・チェッカーを探しましたが見つかりませんでした。 作るのにも、回路は簡単なのですが、ペン型ボディーの製作がめんどうなので、秋月電子の
「デジタルパルサー&ロジックプローブ」 1,200円を購入してみました。
※ 「秋月電子」では販売終了、「AliExpress」で入手可能。
○ロジックプローブ
・74HC00と4011で、それぞれTTLとC-MOSの電圧に対応し、ICの[L]と[H]レベルに反応して、
LEDが点灯します。
・スイッチを[MEM]にすると、単発パルスを検出できますが、検出するたびにスイッチを切り換えて
リセットをする必要があります。
・内部はかなり雑な作りで、スイッチの接触が悪く、うまく動作しません。
・また、レベル検知やパルス検出時に、ブザー音が欲しかったのですが、これには付いていません
でした。
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○デジタルパルサー
・ワンチップマイコンが、ポッンと1個と思いきや、何ともオーソドックスな回路でした。
(Xtal発振回路 → BCD分周回路 → セレクター → オープンコレクター)
・内部は雑な作りと、ひどいハンダ付けで、後から追加してある電源LEDのパターンが切れて
いました。
・また、Xtalを使用しているわりには、出力の周波数が不安定です。
・内部写真のように、ICにパスコンが1つも入っておらず、0.1μのコンデンサを数個取り付けると、
多少は安定するようですが、大元のXtal発振回路に問題があるようです。
・電源電圧も、4.5V〜18Vまで使えると書いてありますが、電圧によってジッターが出たり、周波数も
変動します。
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どちらも、想像していた物とは随分違い、使い物になりませんでした。
そこで、ケースだけを有効利用し、中身をAVRマイコンに置き換えて、自分の必要とする仕様に作り替えることにしました。
● ロジック・チェッカー 編
○ プローブの測定電圧を、5個のLEDで段階的に表示。
○ TTLとCMOSの規定レベルに合わせて、[L] と [H] の判定をブザー音で知らせる。
○ LEDやブザー音では確認できない高周波も、10Hzの点滅表示に変換する。
○ パルス幅の短い単発パルスも、ラッチ回路により検出可能。
○ ワンチップマイコン回路に合わせた、3V〜5V電源仕様。
回路の解説 |
1.電源回路
・製品に付いていた、ミノムシクリップとコードを、そのまま流用します。
・AVRマイコンを使用しているため、電源電圧は3V〜5Vの範囲で使用が可能です。
・電源の接続間違いからAVRを保護するために、ツェナーダイオードとポリスイッチによる
保護回路が設けてあります。
2.AVRとクロック
・AVRマイコンは、ATmega88(P)-20を使用し、動作クロックは、8MHzの内蔵RC発振器を使用して
います。
3.プローブ入力回路
・プローブ入力には、直列抵抗とダイオードによる、過電圧保護回路を設けてあります。
(12V程度までの電圧には耐えますが、長時間の通電や12V以上の電圧では故障します)
・プローブ未接続時に、内部電圧が不安定になるのを防ぐため、高抵抗で、5V電源時に約2.2Vの
電位を保持させています。
(これにより、プローブ未接続時には、黄色中央のLEDが点灯します)
4.入力信号の処理
・入力信号の測定電圧レベルは、AVRマイコンのA/Dコンバータを使用して、電源電圧から見て
5分割した値を、5個のLEDで表示します。
5V電源時 |
0〜0.9V = 緑LED |
1.0〜1.9V = 黄2LED , 2.0〜2.9V = 黄3LED , 3.0〜3.9V = 黄4LED |
4.0〜5.0V = 赤LED |
・A/D変換器の変換速度以上の周波数では、正常な電圧値が表示されません。
・入力信号の周波数が高くなり、A/D変換によるLEDの点滅では表示が間に合わない場合や、
パルス幅の短い信号にも対応するために、TC74HC74APによるラッチで、信号の立ち上がり
エッジを検出しています。
(テストでは5V電源時に、方形波30MHz、単発パルス30nSの検知を確認しています)
5.ブザー音回路
・AVRマイコンのタイマー出力に、圧電スピーカーを接続して音を鳴らします。
・ブザー音は、ディップスイッチにより [ON/OFF] が可能です。
([L] レベル時は 220Hz、[H] レベル時は 1,760Hz の音程です)
・また、TTLとC-MOSの検出レベルを、ディップスイッチにより選択できます。
TTL 設定時 |
[L] = 0.8V 以下 |
[H] = 2.5V 以上 |
C-MOS 設定時 |
[L] = 0.3Vcc 以下 |
[H] = 0.6Vcc 以上 |
6.ディップ・スイッチの設定
・ディップスイッチにより、下記の機能が選択できます。
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選 択 機 能 |
OFF |
ON |
SW1 |
ブザー音 |
なし |
あり |
SW2 |
ブザー音の検出レベル |
TTL |
C-MOS |
SW3 |
パルス検出時のLED表示 |
A/D変換値 |
ブザー音に連動 |
SW4 |
未 使 用 |
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注意! この図面を使用した、いかなる損害にも責任を負いません。
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注意! 著作権は放棄しておりませんので、販売や配布目的での使用は絶対にしないで下さい。 (記事の無断転載を除き、個人での使用は可能です。 改変、自作品の掲載、リンクもご自由に。)
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プリント基板 |
AVRマイコン ATmega88の、ヒューズ ビット書き換え |
AVR ATmega88のシステム クロックは、工場出荷時に1/8前置分周器が有効に設定されているので、これを無効にします。
また、動作電圧範囲が広いため、低電圧時にAVRを確実にリセットする必要があるので、BODリセットを有効(1.8V)にして下さい。
下記ページの書き換え方法 「6.」を、以下の様に変更して、ヒューズ
ビットの書き換えを行います。
ヒューズ
ビット書き換え
6.[ FusebitC ] の右欄 [
0:Divide Clock by 8 Enabled ]
をクリックすると、右側にプルダウン メニューが現れますから、 [ 1:Divide Clock by 8 Disabled
] を選択します。
[ Fusebit DEF ] の右欄 [ 111:Brown Out Disabled ]
をクリックすると、右側にプルダウン メニューが現れますから、 [ 110:Brown Out 1.8V ]
を選択します。
「AVRWRT」 ライターの場合は、AWRTf_LChk.gif
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製作について |
・部品表は、部品の背が低い順に記載してありますので、この順番に取り付けて行きます。
・ジャンパー線は、すずメッキ線や、被覆電線を使用して下さい。
・抵抗器は、2目 (2.54X2 = 5.08mm)と、3目 (2.54X3 = 7.62mm) ピッチ部分があり、両端を折り
曲げて取り付けます。
・ダイオードは、3目 (2.54X3 = 7.62mm) で両端を折り曲げて取り付けます。
・ツェナーダイオードは、4目 (2.54X4 = 10.16mm) で両端を折り曲げて取り付けます。
・積層セラミックコンデンサは、2.54mmピッチの物が取り付け可能です。
・電解コンデンサは、背が高いため、横に寝かせて取り付けます。 (極性に注意して下さい)
・8ピンICソケットは、ディップスイッチのかさ上げ用に使用します。
・28ピンICソケットは、必要に応じて取り付けます。(AVRを、直接ハンダ付けすることも可能です)
・LEDは、3mm径の物を任意に選定して下さい。(ケースの高さに合わせて、高さを調整して下さい)
(高輝度のLEDを使用する場合は、電流制限抵抗(220Ω)を調整して下さい。)
・圧電スピーカーは、両面テープや接着剤でプリント基板に固定し、リード線を基板の所定位置に
配線して下さい。
・秋月電子「デジタルパルサー&ロジックプローブ」のケースは、取付ネジがプラスチック銘板の
下に隠れていますので、両面テープで貼り付けられた銘板をゆっくりはがして、2カ所のネジを
外して下さい。
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操作方法 と ソフトウェアの解説 |
1.電源投入
・通常ロジック・チェッカーの電源は、測定する回路と同じ電源を使用します。
(電源電圧は3V〜5Vの範囲で使用して下さい)
・別電源から供給する場合には、必ずグランドライン(-)を共通にして下さい。
・プローブに何も接続していない状態では、黄色中央のLEDが点灯します。
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2.検出の動作
・検出の動作は、下記のような流れになっています。
「プローブ待機中」→「チャタリング除去中」→「パルス検出中」→「パルスによりブザー音を反転」
・A/D変換器による電圧の検知は常時行われており、LEDに随時反映されています。
・プローブが測定回路に接続され、[L]または[H]レベルの規定値を超えると、チャタリング除去
期間に入ります。
・チャタリング除去が終わった時点で、測定電圧値によりブザー音を決定し、音を出力します。
・その後50mS間に、74HC74がパルスを検知しなければ、レベルの変化と、プローブが開放される
のを待ち続けます。
・検出期間中にパルスを検知した場合は、ブザー音を50mSの間反転し、パルス入力があった
ことを音で知らせ、検出期間を延長します。
・この動作により、方形波入力の場合は、周波数に関係なく10Hz間隔でブザー音が反転し、
「ピロピロ」と言う音が鳴ります。
・また、単発パルスの場合は、定常レベルの音から、パルスの発生方向の音へ「ピロ」と一度だけ
反転した音が鳴ります。
・パルス検出時のLED表示は、ディップスイッチにより、「A/D変換値を表示し続ける」動作と、
ブザー音に同期して、緑と赤のLEDを10Hz間隔で交互に点滅させる動作が選べます。
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● ロジック・パルサー 編
○ 1Hz〜8MHzまでの、多用される周波数値を、22種類発生可能。
○ 時計用の基準クロックから、マイコンのクロックまで、広範囲なテストに対応。
○ 押しボタンスイッチによる、簡単な周波数選択機能。
○ 出力は、ロジックレベルとオープンコレクタが選択可能。
○ 設定周波数は、内部メモリーに記憶するため、電源オフ時の再設定が不要。
回路の解説 |
1.電源回路
・製品に付いていた、ミノムシクリップとコードを、そのまま流用します。
・AVRマイコンを使用しているため、電源電圧は3V〜5Vの範囲で使用が可能です。
・電源の接続間違いからAVRを保護するために、ツェナーダイオードとポリスイッチによる
保護回路が設けてあります。
・ロジック・パルサーの電源と、パルスを供給する回路は、必ずグランドライン(-)を共通に
して下さい。
2.AVRとクロック
・AVRマイコンはATtiny2313-20を使用し、動作クロックは、分周出力が得やすい16MHz
Xtalを使用しています。
3.パルス出力回路
・AVRマイコンの内蔵タイマー出力を利用して、ロジックレベルのパルスを出力します。
・また、5Vより高い電圧の回路にも信号を供給できるように、トランジスタによるオープン
コレクタ出力も搭載しています。 ・ロジックレベルとオープンコレクタ出力は、スライドスイッチにより切り換えることができます。
・オープンコレクタ出力を使用する場合には、負荷回路にプルアップ抵抗を用意する必要が
あります。
・出力周波数により、波形の立ち上がり時間に影響が出るため、プルアップ抵抗値により
負荷電流の調整が必要です。
4.スイッチ入力とLED表示
・[UP] と [DOWN] の、2つの押しボタンスイッチにより、出力周波数を選択します。
・出力周波数は、[1] [10] [100] の数値を表示するLEDと、[Hz] [KHz] [MHz] の単位を表示する
LEDの組み合わせで示されます。
([MHz] では、数値が [1] [4] [8] に変わります)
・上記6個のLEDの組み合わせでは、9種類の周波数値しか表せません。
そこで、数値表示のLEDを、低速と高速で点滅させることで、表現できる値を増やしています。
常点灯 |
1, 10, 100 の基本値 |
1Hz, 10Hz, 100Hz, 1KHz, 10KHz, 100KHz, 1MHz, 4MHz, 8MHz |
低速で点滅 |
基本値を2倍した値 |
2Hz, 20Hz, 200Hz ,2KHz, 20KHz, 200KHz, 2MHz, 4MHz, 8MHz |
高速で点滅 |
基本値を5倍した値 |
5Hz, 50Hz, 500Hz, 5KHz, 50KHz, 500KHz, 1MHz, 4MHz, 8MHz |
(ピンク色の周波数は、2倍や5倍ができない値のため、基本値が採用されています)
・[UP] と [DOWN] の両スイッチを同時に押すことで、2倍や5倍の倍率値へ移行できます。
(2つのスイッチを同時に押すたびに、「基本値→2倍→5倍」を繰り返します)
・選択された周波数値は、AVR内蔵のEEPROMに記憶されますから、一度電源を切った後も、
最後に選択されていた周波数で出力が開始されます。
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注意! この図面を使用した、いかなる損害にも責任を負いません。
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注意! 著作権は放棄しておりませんので、販売や配布目的での使用は絶対にしないで下さい。 (記事の無断転載を除き、個人での使用は可能です。 改変、自作品の掲載、リンクもご自由に。)
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プリント基板 (改修前) |

基板 部品面 (修正前) |

ケース組み込み |

基板 ハンダ面 (修正前) |
AVRマイコン ATtiny2313の、ヒューズ ビット書き換え |
AVR ATtiny2313のシステム クロックは、工場出荷時に内蔵RC発振器の8MHzで、1/8前置分周器がONに設定されているので、外部のクリスタルを使用するには、AVRのヒューズ
ビットを書き換える必要があります。
下記ページの書き換え方法 「6.」を、以下の様に変更して、ヒューズ
ビットの書き換えを行います。
ヒューズ
ビット書き換え
6.[ FusebitC ] の右欄 [
0:Divide Clock by 8 Enabled ]
をクリックすると、右側にプルダウン メニューが現れますから、 [ 1:Divide Clock by 8 Disabled
] を選択します。
[ Fusebit KLA987 ] の右欄 [ 100100:Int. RC Osc. 8 MHz; Start-up time: 14 CK +
65 ms; [CKSEL=0100 SUT=10]; default value ] をクリックすると、
右側にプルダウンメニューが現れますから、 [ 111111:Ext. Crystal Osc.; Frequency 8.0- MHz; Start-up time: 14 CK + 65
ms;
[CKSEL=1111 SUT=11] ] を選択します。
「AVRWRT」 ライターの場合は、AWRTf_LPls.gif
◎注意!
動作電圧範囲が広いため、低電圧時にAVRを確実にリセットする必要があり、BODリセットを有効にしたかったのですが、ATtiny2313チップがBODの設定により異常動作をするので、有効にしないで下さい。
・低電圧検出BODを設定した状態で、内蔵Timerを高速で動作させ、タイマー出力 [OCnA] [OCnB] を有効にすると、チップ内部の消費電力増大またはノイズの影響なのか、電源電圧が4.5V程度以上で、勝手にリセットがかかってしまうようです。
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製作について |
・部品表は、部品の背が低い順に記載してありますので、この順番に取り付けて行きます。
・ジャンパー線は、すずメッキ線や、被覆電線を使用して下さい。
・抵抗器は、4目 (2.54X4 = 10.16mm) ピッチで両端を折り曲げて取り付けます。
・ツェナーダイオードは、4目 (2.54X4 = 10.16mm) で両端を折り曲げて取り付けます。
・積層セラミックコンデンサは、2.54mmピッチの物が取り付け可能です。
・電解コンデンサは、背が高いため、横に寝かせて取り付けます。 (極性に注意して下さい)
・水晶発振子(Xtal)は、背の低い「HC49US」タイプを使用して下さい。 (ATtiny2313を直接ハンダ付けした場合には、大きい「HC49U」タイプをATtiny2313の上に乗せて
取り付けることもできます) (元基板に付いている16MHz水晶を再利用可)
・20ピンICソケットは、必要に応じて取り付けます。(AVRを、直接ハンダ付けすることも可能です)
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・スライドスイッチは、ピンヘッダ等でかさ上げの工夫をして下さい。
・14ピンICソケットは、タクトスイッチのかさ上げ用に使用します。
(基板の穴に合わせて、不要なピンをカットして下さい) |
・LEDは、3mm径の物を任意に選定して下さい。(ケースの高さに合わせて、高さを調整して下さい)
(高輝度のLEDを使用する場合は、電流制限抵抗(220Ω)を調整して下さい。)
・秋月電子「デジタルパルサー&ロジックプローブ」のケースは、取付ネジがプラスチック銘板の
下に隠れていますので、両面テープで貼り付けられた銘板をゆっくりはがして、2カ所のネジを
外して下さい。
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○パーツの参考資料
・プリント基板 「サンハヤト」 感光基板 12K 紙フェノール 片面 1.6tx100x150mm
◎ このプリント基板と、書き込み済みAVRを、実費頒布しております。
● 基板・部品の頒布室 ●
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マイコンのプログラムのデバッグや回路動作を確認する際などに、ポートやピンの状態を調べるためにオシロスコープを用意するまでの必要がない場合は、ロジック・チェッカーが便利です。
また、単発のパルスを捉える場合にオシロスコープのノーマル・トリガーで見ることができますが、ロジック・チェッカーは単発のパルスを音で確認できるので、オシロスコープの画面を見続けるよりも便利な場合があります。
上記の「ロジック・チェッカー & ロジック・パルサー」では既製品のペン型ケースを流用しましたが、(V2)では入手が容易な小型のプラスチックケースに組み込みます。
○ プローブの測定電圧を、5個のLEDで段階的に表示。
○ TTLとCMOSの規定レベルに合わせて、[L] と [H] の判定をブザー音で知らせる。
○ LEDやブザー音では確認できない高周波も、10Hzの点滅表示に変換して通知する。
○ パルス幅の短い単発パルスも、ラッチ回路により検出可能。
○ ワンチップマイコン回路に合わせた、3V〜5V電源仕様。
回路の解説 |
1.電源回路
・調べる回路の電源と同じ電源を使用します。 ・別電源から供給する場合には、必ずグランドライン(-)を共通にして下さい。
・AVRマイコンを使用しているため、電源電圧は3V〜5Vの範囲で使用が可能です。
・回路電源から、みの虫クリップやICクリップ、ブレッドボード用にピンヘッダー等を使用して
ロジック・チェッカーに通電します。 (電源ケーブルをお好みで作製して下さい)
2.AVRとクロック
・AVRマイコンはATtiny861A-PUを使用し、動作クロックは8MHzの内蔵RC発振器を
使用しています。
3.プローブ入力回路
・プローブ入力には、直列抵抗とダイオードによる過電圧保護回路を設けてあります。
(12V程度までの電圧には耐えますが、長時間の通電や12V以上の電圧では故障します)
・プローブの未接続時に内部電圧が不安定になるのを防ぐため、高抵抗で5V電源時に
約2.2Vの電位を保持させています。
(これにより、プローブ未接続時には黄色中央のLEDが点灯します)
4.入力信号の処理
・入力信号の測定電圧レベルは、AVRマイコンのA/Dコンバータを使用して、電源電圧から見て
5分割した値を5個のLEDで表示します。
5V電源時 |
4.0〜5.0V = 赤LED |
1.0〜1.9V = 黄2LED , 2.0〜2.9V = 黄3LED , 3.0〜3.9V = 黄4LED |
0〜0.9V = 緑LED |
・A/D変換器の変換速度以上の周波数では正常な電圧値が表示されません。
・入力信号の周波数が高くなり、A/D変換によるLEDの点滅では表示が間に合わない場合や、
パルス幅の短い信号にも対応するために、TC74HC74APによるラッチで信号の立ち上がり
エッジを検出しています。
(テストでは5V電源時に、方形波30MHz、単発パルス30nSの検知を確認しています)
5.ブザー音回路
・AVRマイコンのタイマー出力に圧電スピーカーを接続して音を鳴らします。
・ブザー音はディップスイッチにより [ON/OFF] が可能です。
([L] レベル時は 約220Hz、[H] レベル時は 約1,760Hz の音程です)
・また、TTLとC-MOSの検出レベルを、ディップスイッチにより選択できます。
TTL 設定時 |
[L] = 0.8V 以下 |
[H] = 2.5V 以上 |
C-MOS 設定時 |
[L] = 0.3Vcc 以下 |
[H] = 0.6Vcc 以上 |
6.ディップ・スイッチの設定
・ディップスイッチにより、下記の機能が選択できます。
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選 択 機 能 |
OFF |
ON |
SW4 |
未 使 用 |
− |
− |
SW3 |
パルス検出時のLED表示 |
A/D変換値 |
ブザー音に連動 |
SW2 |
ブザー音の検出レベル |
TTL |
C-MOS |
SW1 |
ブザー音 |
OFF |
ON |
|
注意! この図面を使用した、いかなる損害にも責任を負いません。
|
注意! 著作権は放棄しておりませんので、販売や配布目的での使用は絶対にしないで下さい。 (記事の無断転載を除き、個人での使用は可能です。 改変、自作品の掲載、リンクもご自由に。)
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AVRマイコン ATtiny861Aの、ヒューズ ビット書き換え |
◎BASCOM-AVRでコンパイルして、「AVRISPmkII」の書き込みウィンドウを使用する場合は、
ヒューズ ビットが自動で変更されますから、以下の操作は不要です。
HEXファイルを使用する場合は、下記ページの書き換え方法 「6.」を、以下の様に変更して、ヒューズ ビットの書き換えを行って下さい。
AVR ATtiny861Aのシステム クロックは、工場出荷時に1/8前置分周器が有効に設定されているので、これを無効にします。
また、動作電圧範囲が広いため、低電圧時にAVRを確実にリセットする必要があるので、BODリセットを有効(1.8V)にして下さい。
ヒューズ
ビット書き換え
6.[ Fusebit H ] の右欄 [
0:Divide clock by 8 ] をクリックすると、右側にプルダウンメニューが
現れますから、 [ 1:Divide clock by 1 ] を選択します。
[ Fusebit High LKJ ] の右欄 [ 111:Brown out Disabled ] をクリックすると、右側に
プルダウンメニューが現れますから、 [ 110:Brown Out 1.8 V ]
を選択します。
「AVRWRT」 ライターの場合は、AWRTf_LCheckV2.gif
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動 画 |

ケース左側面
 ケース右側面 |

ケース加工
スチロールSK-2
 電源ケーブル |

テスター「P10」のリードを利用 |

プローブの取り出し |

プローブの加工 |
製作について |
・部品表は、部品の背が低い順に記載してありますので、この順番に取り付けて行きます。
・1/6W抵抗器は、3目(2.54X3 = 7.62mm) ピッチで両端を折り曲げて取り付けます。(向きを問わず)
・ダイオードは、3目(2.54X3 = 7.62mm) で両端を折り曲げて取り付けます。 (黒線がカソード)
・20ピンICソケットは、必要に応じて取り付けます。(AVRを直接ハンダ付けすることも可能です)
・AVR ATtiny861A-PUは、プログラムの書き込みが済んだ物を取り付けます。
(ブレッドボード等で、ISPケーブルを使用してプログラムの書き込みを行って下さい)
(1番ピンマークに注意して下さい。配置図に合わせて取り付けます。)
・IC TC74HC74APは、1番ピンマークを配置図に合わせて取り付けます。
・セラミックコンデンサと積層セラミックコンデンサは、2.54mmピッチの物が取り付け可能です。
・電解コンデンサは縦置きです。 (極性に注意して下さい) ・圧電スピーカーは、向きを問いません。
・ディップ・スイッチは、[ON]マークを配置図に合わせて取り付けます。
・電源コネクターS2B-XH-A(LF)(SN)は、配置図に合わせて取り付けます。
電源ケーブルの先は、みの虫クリップやICクリップ、ブレッドボード用にピンヘッダー等を
任意で選択して下さい。 ・LED(発光ダイオード)は、取り付ける向きが決まっています。 足の長い方が[A]です。
(基板から2mm浮かして取り付けます)
(イラックスチューブ0.7mm等を2mmに切って足に通すと、高さ調整がしやすくなります)
・高輝度のLEDを使用するため、LED光拡散キャップを被せると視野角が広がります。
・プローブは単品での販売が無いため、テスターリード等を流用して下さい。
(基板には、太さ2mmまでのプローブがハンダ付けできます)
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操作方法 と ソフトウェアの解説 |
1.電源投入
・通常ロジック・チェッカーの電源は、測定する回路と同じ電源を使用します。
(電源電圧は3V〜5Vの範囲で使用して下さい)
・別電源から供給する場合には、必ずグランドライン(-)を共通にして下さい。
・プローブに何も接続していない状態では、黄色中央のLEDが点灯します。
|
2.検出の動作
・検出の動作は、下記のような流れになっています。
「プローブ待機中」→「チャタリング除去中」→「パルス検出中」→「パルスによりブザー音を反転」
・A/D変換器による電圧の検知は常時行われており、LEDに随時反映されています。
・プローブが測定回路に接続され、[L]または[H]レベルの規定値を超えると、チャタリング除去
期間に入ります。
・チャタリング除去が終わった時点で、測定電圧値によりブザー音を決定し、音を出力します。
・その後50mS間に、74HC74がパルスを検知しなければ、レベルの変化と、プローブが開放される
のを待ち続けます。
・検出期間中にパルスを検知した場合は、ブザー音を50mSの間反転し、パルス入力があった
ことを音で知らせ、検出期間を延長します。
・この動作により、方形波入力の場合は、周波数に関係なく10Hz間隔でブザー音が反転し、
「ピロピロ」と言う音が鳴ります。
・また、単発パルスの場合は、定常レベルの音から、パルスの発生方向の音へ「ピロ」と一度だけ
反転した音が鳴ります。
・パルス検出時のLED表示は、ディップスイッチにより、「A/D変換値を表示し続ける」動作と、
ブザー音に同期して、緑と赤のLEDを10Hz間隔で交互に点滅させる動作が選べます。
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