うつってなあに?
ver.00/10/27


・「うつ病」とは?
最近は、気分障害という分類がされています。
気分障害とは、感情がゆがんでしまう病気です。

「落ち込む」「悲しい」「不安だ」というような感情はだれしも持っているものです。
しかし、それをうまくコントロールできなくなり、生活に支障が出るような状態を
「うつ状態」または「うつ病」であると呼びます。

逆に、「楽しい」「うまくいっている」「活動的だ」というような感情の
コントロールできない状態を「そう病」といいます。

「うつ」と「そう」を合わせて気分障害と呼びますが、
その2つは、症状だけでなく、原因や遺伝的要素も大きく違います。

ここでは、「うつ病」についてとりあげたいと思います。

・どんな症状なの?
よく見られる症状をあげます。
【感情】
落ち込み、自己嫌悪、満足感がない、愛情が感じられない、泣きたくなる、
喜びが感じられない
【身体反応】
食欲が無い、眠れない、疲れやすい、性欲が無い、便秘
【考え方】
未来に希望が無い、やる気がしない、自殺、自分はだめだ、自分はいけない人間だ、
決心がつかない、生きている価値が無い、生きていてはいけない
【行動】
悲しそうな顔、ねこ背、ゆっくりとした話し方、話すのがおっくうだ

・原因はなに?
大きく分けて次の3つがあります。
1.内因的なもの
身体的、遺伝的なものにより、うつ状態が引き起こされます。
重い症状が出ます。
2.外因的なもの
出来事からくるストレスや、性格により、うつ状態がおきます。
比較的症状は軽いことが多いです。
3.内因+外因によるもの
ストレスや、それによって引き起こされる身体的変化により
うつ状態になります。
現在では、この「内因+外因」によるうつ病が一番多いのではないか、
と考えられています。

身体的変化については、まだ明らかにはなっていませんが、
脳内のセロトニンという物質が減少するのではないか、という
説が有力です。うつ病は、坑うつ薬を飲むことによって症状が
大きく改善されますが、その薬は、脳内の物質がうまく働くようにする
作用を持ったものです。

・私はうつ病?
Beckによる診断テストがKENSYさんのページの「ベックのうつ病調査表」と
いうところありますので、やってみてください。
また、精神科・心療内科などのお医者さんにいって、話をして、
診断してもらってみましょう。
お医者さんは、治療をするだけのところではなくて、専門家に
診断をしてもらうところでもあるのです。


【参考文献】
「現代心理学」P.G.ジンバルドー著、古畑・平井 監訳、1981、サイエンス社
「軽症うつ病」笠原嘉、1996、講談社現代新書


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