神経伝達物質あれこれ
ver.01/10/29
感情に関係のある神経伝達物質についてまとめてみました。

[ ドーパミン ] [ ノルアドレナリン ] [ セロトニン ] [ ガンマアミノ酪酸 ] [ オピオイド ]


ドーパミン
快感、多幸感。運動調節。
過剰だと幻覚・幻聴・妄想(精神分裂病に似た症状)。
覚せい剤はドーパミンと似た構造をもつ。
覚せい剤中毒では精神分裂病に似た症状が見られる。
不足するとパーキンソン症状が起こりやすくなる。
注意欠如・過運動症候群(ADHD)と関連しているといわれている。
抗精神分裂病薬は、ドーパミンの働きを弱める。

ノルアドレナリン
ストレスを受けると、闘争か回避の行動を起こす。
長期間回避不能のストレスにさらされた場合、ノルアドレナリンが減少し、
また小さなストレスでも減少するようになる。ノルアドレナリンの減少を
繰り返すと、受容体の感受性が上昇し、小さな刺激に対しても過敏に
攻撃・逃避反応をするようになる。
過剰だと、躁状態が起こりやすい。
不足すると、意欲の低下が起こりやすい。
(軽症)うつ病と関連。
三環形および四環形抗うつ剤、SNRIは、ノルアドレナリンの脳内密度を高める。

ガンマアミノ酪酸(GABA)
不安、恐怖を押さえる。
バルビツール、ベンゾジアゼピン、アルコールによって作用が高まる。
不足すると、不安、不眠、てんかん発作が起こりやすい。
恐怖症、強迫神経症、不安神経症と関連。
抗不安薬、睡眠薬、抗てんかん薬は、ガンマアミノ酪酸の働きを強める。

セロトニン
感情の安定。他の神経系の統制。
不足するとうつ病やてんかん発作になりやすい。
過剰だとセロトニン症候群(錯乱・発熱・発汗など)が起こりやすい。
三環形抗うつ剤、SSRIは、セロトニンの脳内密度を高める。

オピオイド(脳内麻薬様物質)
長期間回避不能のストレスにさらされると、精神活動や感情が麻痺して、
何も感じなくなり、闘争も回避もしなくなる。
このとき脳に分泌されるのがオピオイドである。
阿片に似た構造をもつ。
長期間反復的に、回避不能のストレスにさらされたり、
阿片を投与したりすると、受容体の感受性が上昇し、禁断症状がでる。
受容体の感受性が上昇すると、強烈なストレス刺激(命を危険にさらす、
身体や心を痛めつけるなど)を必要とするようになる。
過剰だと、離人症的な症状を起こしやすくなる。

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