アジャンタのバスツアー後、駅前で降ろしてもらい、アウランガバードからハイデラバードまでの寝台列車の切符を買った。 インドを旅する場合、時間的余裕があれば列車の旅がよいと言われている。
(写真:アウランガバード駅)

乗り込んだ寝台車は、一等であるので冷房が効いており、スモークガラス窓で、外から覗かれない様なセキュリティが確保されている。 「本当のインド旅行をしたい場合は、2等に乗った方がより生のインドに触れられる。」と言われているが、今回は快適さを選んだ。 寝台を作る前は、4人が向かい合う形で座る事になる。 2人は若いビジネスマンで、ハイデラバードに出張する人達、もう一人は明らかにその2人に遠慮しているそぶりの50才ぐらいのおじさんだった。 「未だインドでは階級制度の様なものが残っているのであろうか?」と気になった。 インドでは皆英語を話すので、異邦人としての感覚は薄く、直ぐに和やかな会話に花がさいた。 誰かヒンドゥ語の通じない人がいる場合、直ぐに皆英語を共通語とするそうである。 話題は私の関心事である、最近のインドの工業化状況について話しが盛り上がった。彼らが教えてくれた事は、「現在、シンガポールのGoh
Chok Tang首相がハイテク産業のインフラ整備の投資団として、40人程の財界首脳を引き連れて、インドを訪問している。」との事。 明日、我々と同じハイデラバードに来る予定だとの事である。
夜明けと共に、まばゆいハイデラバードの白い駅舎に到着した。(写真:ハイデラバード駅)
ここは600mぐらいの高地にあるが、1月でも真夏のように暑い。 当初、私の旅程の中にはハイデラバードと言う地名は入ってなかった。 しかし、ここハイデラバードはバンガロールと並んで、ハイテクの前線基地であると言う事を聞き、それならば、バンガロールに行く途中で立ち寄ってみようという事にした。
駅前でリキシャーと交渉して、30ルピー(\80)で2時間程市内観光をした。 インド大陸の中央に位置するここハイデラバードも、西側のボンベイ同様に車の洪水で、その車の間をリキシャーで縫って行く。 市の中央に湖があるので幾分気分が和らぐが、街中は相変わらず騒々しい。 非常にエネルギーに溢れた街で、経済成長の緒に付いた日本の60年代前半の感覚を彷彿させる。 (写真:ハイデラバード駅前)
特にここは有名な史跡がある訳でもないので、町の雰囲気だけを味わって、バンガロール行きの飛行機の切符を買った。 ハイデラバードの空港は物々しかった。 Goh首相がバンガロールに向かうと言う事で、2重、3重のセキュリティ・チェックを受けて、フライト・スケジュールも変更されて、3時間遅れで飛行機は飛び立った。
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