人口1,200万人のインド最大の産業都市


ボンベイ:Bombay

1月15日 晴れ



 シンガポールからマドラスと飛行機を乗り継いでボンベイまでやって来た。 今日は
54回目の誕生日であり、ボンベイの駅前の汚いレストランでカレーを食べながら、一人侘びしく誕生祝のビールを空けた。 ここボンベイは、33年前1年間の放浪の最終地で、ここから船に乗って日本に辿り着いた感慨のある街でもある。 ボンベイ中央駅は昔そのままの建物であり、列車に乗車するごったがえした人達も、荷物を担ぐポーターも、33年前のそれと未だ変りない。 「そうそう、当時駅長からあの2階の1等待合室を宿所にあてがわれ、夜シャツを乾して窓の外に吊るしておいたら、朝になったら消えていたっけ。」 乗船する時は残金$10で、「これで何とか日本に帰れる!」と安堵したっけ。 ここボンベイに来てみて、懐かしい景色を見て、長い間忘れていた古い記憶が次々と蘇ってきた。

   
このボンベイは、インド産業の中心地であり、殆どの主要企業の本社がここに置かれ、世界に向けあるいは世界中から品物の流通の中心地として機能しているとの事。 とにかく活気に溢れており、エネルギーを感じるが、昔の東京以上に車の騒音と、排気ガスが充満していて、とても落ち着いていられない。 1泊する予定であったが、早く落ち着いた田舎町のアウランガバードへ向かおうと、急きょ予定変更しボンベイ駅に向かった。


インドの交通事情: (10cmの離れ業)

  ボンベイ空港からボンベイ駅まで「オート・リクシャー」
 (3輪車のタクシー)に乗った。
 初めてのリクシャーなので値段がわからず、とにかく乗
り込んだ。
 
20Km位は走ったと思うが、200ルピー(520円)取られた。
 
この距離だったらせいぜい100ルピー以下が相場である事を後で知る。
 
道路は結構広いのだが、分離車線が無く、
 リクシャーは大きな車の間を右
に左に縦横無尽の運転をする。
 その又間を
50ccクラスの2輪バイクが更に縦横無尽の運転をする。
 リクシャーに乗っていると度々命が縮む思いがす
る。
  10cm間隔の芸術的な運転だ。
 この社会では他人に譲っていたら
生きて行けない。
 リクシャーから降りて、今度は歩行者になって道路を
横断する立場になった。
 横断歩道らしきものが無いので、とにかく車の
途切れを見計らって、
 先ず中央ラインまで進む。
 そこで反対車線の車の流
れの途切れを待って、さっと渡る。
 ここでも命懸けである。子供や老人
はどうするのだろう? 
 もっともここの子供はすばしっこくてそれは杞憂で
ある事が直ぐ分かった。
 私でさえ、何度か渡るう
ちに、ドライバーとのあうんの呼吸らしきものを
 会得してきた。


 次へ(アウランガバード)



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