エローラ、アジャンタの観光基地


アウランガバード

1月16日 晴れ

 

 
ボンベイから22:30発の汽車に乗って、翌朝5:00に着く寝台夜行が有るので切符を買いに行ったら、既に売り切れており、仕方なく長距離バスに方針転換し、20:30発で翌朝7:00にアウランガバードに着いた。 350Kmで料金は400ルピー(約1,000円)とかなり安い。 途中、デカン高原の中をバスで疾走し、中間地点では日本の昔の“ドライブイン”らしきところで小休止した。 今にも満天の瞬く星が降ってきそうなデカン高原の真ん中で、バス旅に疲れた体を思いっきり背伸びし、ひんやりとした深夜の空気をいっぱい吸い込んで、360°いっぱいに広がる高原の夜景を瞼に焼き付けた。 煌煌たるライトが高原のど真ん中の一軒家である“ドライブイン”だけ輝き、静けさの中に、単調なインド的音楽の流れが妙に旅情を高めてくれる。 再び走り始めたバスのリクライニング・シートで、朝までぐっすりと眠り込んだ。 目が覚めると、朝もやの中にアウランガバードの田舎町ののんびりとした景色が飛び込んできた。 ボンベイの喧騒とは大違いだ。 到着と共に、直ぐ適当なホテルを探して値段交渉し、折り合ってチェックインし、シャワーを浴びて、手際良く8:30発のエローラ行きバスを予約する事ができた。

    ここアウランガバードはボンベイの北東350Kmのデカン高原の中に位置する古い市場町で、人口は60万人位との事。 アウランガバードはムガール王朝時代に栄え、14世紀にはこの近くのダウタラバードに、一時デリーから遷都を行ったという事である。 今は、世界遺産である、エローラ、アジャンタの石窟寺院観光の発進基地になっており、沢山の観光客がここを訪れている。(写真:アウランガバード市内)


朝のジョギング:  
 
 
 
知らない土地でジョギングをするのは、
意外な発見があって旅に新鮮
さ与えてくれる。
今朝は、月曜日で石窟寺院が休日の為、
ジョギングで
アウランガバードの田舎町を散策してみようと思った。 
今日は、いつも
登山に持参する磁石を身につけて、
頭の中に地図を覚え込んで、大まかな
コースを設定し、
後は行き当たりばったりで、ハプニング期待のスタート
をした。
 ジョギングでは、車で見る景色と別の世界がある。
牛の糞をよけな
がら、山羊の頭での押し相撲を眺めつつ、
屋台の果物売りの台車に危うく
体当たりしそうになりながら、
朝市でごった返す人込みの中を潜り抜けな
がら走る。 
ジョギングは珍しいらしく、子供たちが手を振って声をかけ
て追ってくる。 
通りに椅子を出して「チャイ」を飲んでいる人がいる。
皆明るく生き生きとしていて、今日の生活を幸せに送っているように見える。
日本で考えるインドの人達は、皆乞食のようで、
不幸のどん底にい
るような誤った想像をしているようだ。 
現実の彼等の生活は、彼らなり
の生活のリズムがあり、
牛やブタや鶏と共存していても、十分幸せ
そうに生き生きとしている。
余りの異次元の社会に入り込んだ為か、つい興味に掻き立てられて、
どんどん迷路の中に入り込んで行くうちに、ついに道に迷ってしまった。
身に付けてきた磁石を便りに帰る方向だけを気にしながら、
道に迷った事
にある快感を覚えながら、
路地の中を走りまわっているうちに
自分が徐々
にインドに同化して行くような満足感を覚えた。
 
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