生命の誕生


さぁ、いよいよ生命誕生のお話しね。

あれは今から38億年も前の話しになるわ。わたし(地球)の体には硫黄や硫酸が溶けこんだ猛毒の海が広がっていたの。海の中にはメタン、アンモニア、リン酸、硫化水素、亜硫酸などが溶けこんでいたわ。これが生命のもとになる物質ね。空からは紫外線や宇宙線、放射線も降り注いでいたし、隕石もよく落ちてきたわ。大きな雷も発生していたし、高温の雨も降っていた。海底では火山が繰り返し噴火して、いろいろと刺激がある世界だったのね。その上、前回お話しした「月」の影響で潮の干満もあって、何が起こってもおかしくなかったわ。
様々な物質と様々なエネルギーがお互いに干渉しているうちに、アルデヒドや青酸などの単純な「有機分子」が出来たの。さらに、この有機分子はアミノ酸、ヌクレオチド、単糖などの複雑な物質に変化していったわ。そして、変化を繰り返すうちに、生命の基本となる「タンパク質」と「核酸」になったの。
でもね、アミノ酸、タンパク質、核酸などがあるだけじゃ生命にはならないのね。これらの物質が結合したり離れたり化学反応を繰り返すうちに統合して、「代謝」と「複製」という技を見つけたの。「代謝」は外の物質を吸収してエネルギーに変換し成長する技、「複製」は自分の遺伝子をコピーして子孫を残す技。生命の基本機能のことね。こんな神秘的な技を身に付けるなんて、驚きね。でも、とっても素敵な技だわ。

こうして、生命の源が誕生したのよ。ちょっと難しいかしら。
これからは生命の進化をお話ししていくわね。


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