オリーブの木

  聖地の子供ニュース NO.3 から

プロテスタントの新居様から、記事が寄せられました。新居様は「聖地のこどもを支える会」の熱心な支援者のおひとりです。プロテスタントもカトリックも、同じ主キリストにおける兄弟として心をひとつにして聖地のこどもたちのために力を合わせられることを感謝しております。(編集部)

平和の器                                    新居 孝彦

  アッシジのフランチェスコが、いまから約780年前、十字軍と共に中東に出かけ、時のサラセンの人たちに福音を述べ伝えに行った事があります。最初の目的とは別に、戦場での殺戮と破壊を目にし、彼はサラセン人より先にまずキリスト教徒であるはずの十字軍兵士を回心させるのが先決であると心に決めます。そして次第に福音を述べ伝えるよりも、平和を、平和を もたらすべく努力するようになっていくのです。彼を一人連れて、スルタンに会いに行くのは、なんと危険なことであったでしょう。ただ敵陣の前に行って「スルタン、スルタン」と呼ばわり、スルタンに会い、主イエス・キリストを信じるよう説く事が出来た話は、本当に奇跡としか言いようがありません。

 一方、私達は現在のパレスチナの状況を見るに、このような事をたくさん目にする事が出来ます。たとえば、ニューヨークから立てこもりの人たちにパンを持ってきたシスター、アン・モンゴメリーさん,「私を彼らの代わりに入れさせろ」と言い張った英国国教会参事会員のAホワイトさん、クリスチャン・ピース・チームのC.カーンさん、国境無き医師団の医師たち、廃墟のジェニンを前にして泣き出した国際救援チームの女性、聖誕教会前にある飼葉桶広場に座り込む国際平和活動家の人たち、そしてイスラエル兵士の制止を振り切って聖誕教会に駆け込んでいった「国際連帯」の活動家達など、これらの人たちの中にたくさんの、かの「尊いお方の平和の器」の姿を見ることができるのです。

そして、次第にわたしたちは気づくのです。パレスチナのこどもたちに胸を痛めているあなた、いまパレスチナのこどもたちに愛の手を差しのべようとしているあなた、そうです、そのあなたの中に、もう「あの尊いお方の平和の器」として変えられていく自分に気づいていくのです。


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