エルサレムからのHOT NEWS
−イスラエル・パレスチナの紛争の解決を願って−

この記事はイスラエルより発信されている「NONVIOLENCE (非暴力)」のホームページより、製作者 ラエド・アブサリア神父様の許可を得て「聖地のこどもを支える会」で翻訳したものです。


オリーブ・ブランチ NO.196

中東とイラクの平和への要望と活動のための助言

パックス・クリスティ・インターナショナル
2003年3月26日ブリュッセル

窮状にある人々を助け、イラクと中東の正義ある平和の実現のために尽くしてください。

 イラクでの戦争は国際外交の悲劇的な失敗です。国連安全保障理事会の同意を得ることなく、外交筋と市民社会、世界中の教会や他の宗教コミュニティーの大部分からの警告を無視して、米国主導の軍事介入が開始されました。教皇庁は「先制戦争」の方針を非難しました。紛争を解決するための非暴力的方策は決して尽きてはいませんでした。イラクの武装解除は戦争によらずに実現が可能でした。兵器査察官は任務を終えるための十分な時間が与えられませんでした。この戦争は政治的には危険であり、そして文化的には賢明でなく、多くの人々の政治的独自性にとり宗教と文化の重要性の高まりを無視するものです。そのほかにも差し迫った問題が起きています。何よりもまず攻撃をしかける軍隊は、一般市民の犠牲が最小限に抑えられるように図り、望むらくは近い将来紛争が終結し次第、抑圧されたイラクの市民が自分たちの国を再び受け継ぐことができるように保証しなければなりません。

 この紛争のすべての当事者が、国際人道法の規範を守らなければなりません。同盟軍は自分たちが施行しようとしている国際的行動規範を守らなければなりません。そのためには、攻撃的軍事行動の適用において最大限の慎重さが要求されます。例えば、クラスター爆弾の使用や公共の施設を標的にすることは禁じられなければなりません。国際法で既に禁止されている無能力化剤や暴徒鎮圧剤も同様に禁じられなければなりません。そのような兵器の使用は、米国と英国が高く掲げようとしている国際的規範ばかりでなく化学兵器禁止条約をもないがしろにします。もちろん、あらゆる化学兵器や生物兵器の使用禁止は、イラク軍にも適用されます。そのような兵器の使用は戦争犯罪とみなすとの警告をイラク軍は既に受けています。

 この戦争による避けられない人道上の影響に対応するために、十分な資源を充てなければなりません。この資源は米国が主導する同盟軍だけでなく、軍事行動に反対した国々も提供しなければなりません。イラクと周辺国の人道上の問題に対応するために、政府間組織とNGOは必要な資源と、窮乏にある人々へのアクセスを確保しなければなりません。
イラクの選挙民と国際コミュニティーによって策定されるいかなる政治の枠組も、公正で、内戦の危険を最小限に抑えるものでなければなりません。またこのプロセスには自国の安全を保障するために、イラクの隣国との効果的な提携が必要となります。イラクに対する政策はまた、中東全体の平和を保障するためのより大きく公平な外交的努力と歩調を合わせて行われなければなりません。中東に対する政策は今まで一貫性に欠けていました。そしてイスラエルとパレスチナに関して持続可能な平和のための包括的プランを実施することに高い優先順位が与えられなければなりません。

 困難な状況にあるイラクの人々を支援し、公正で、そして持続可能で、包括的な、イラクと中東の平和のための条件を創り出すように、パックス・クリスティ・インターナショナルはすべての政府に要請します。この紛争のすべての当事者に、国際人道法を守るよう求めます。パックス・クリスティ・インターナショナルと各国のパートナーは、戦争を止め、窮状にある人々に援助を与え、信仰を異にする人々特にイスラム教徒と協力し、国家間の信用と信頼を回復する努力を続けます。


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