エルサレムからのHOT NEWS
−イスラエル・パレスチナの紛争の解決を願って−

この記事はイスラエルより発信されている「NONVIOLENCE (非暴力)」のホームページより、製作者 ラエド・アブサリア神父様の許可を得て「聖地のこどもを支える会」で翻訳したものです。


オリーブ・ブランチ NO.192

聖地における戦争への備え

マリア.C.コウリ−

 イスラエル国民はガムテープ(部屋の目張りに使う)を買ったり、最低三日分の水や食料を買いこんでいますが、パレスチナ人はキリスト教徒であれ、イスラム教徒であれ、何かを準備したり、イスラエル市民のように命を守るためのガスマスクを手に入れることさえ全く不可能です。
私たちは、日常的な殺人や政治的暗殺、医療関係の人が職務中撃たれて亡くなったり、家が破壊されたり、人々が理由もなく拘留されたり、家宅捜査、検問、道路の遮断や閉鎖、完全な封鎖や、経済、教育、一般社会生活全体の荒廃や破壊といった恐ろしい戦争状態の中でずっと生活してきて、もう三年目になります。

 パレスチナ人の家族が仕事も無く、日々のやりくりに苦しんでいる時に、戦争に備えるための十分なお金がいったいどこにあるというのでしょう。外出禁止令(または、家の中での拘束≠ニ言うべきでしょうか)は私たちの地域で21日以上も続き、ほとんどの家庭では、パンやミルク、薬といった必需品が底をつきました。ナブルスで、パレスチナ人は夏に100日以上も家に閉じ込められました。そのように残酷で、厳しい状態を想像することは時に困難です。2000年9月以来、二千人以上が死に、四万人以上が怪我をしたのですから、私たちは戦争がどれほど恐ろしいものであるかを体験してきました。もしアメリカがイラクを爆撃したら、無実の人が苦しみ、殺されるのです。神に憐れみとみちびきを願いましょう。

 もう書き続ける理由が何もありません。何故なら、イスラエルが55年以上もパレスチナ人の人権を無視し続けていることを、世界は忘れてしまったのですから。独立を与えることを拒むばかりか、イスラエル軍はパレスチナ人が橋を渡ってヨルダンに逃げてしまいたくなるほど惨めな、恐ろしい葛藤や苦しみでいっぱいの日常生活を作っているのです。もし逃げてしまえば、イスラエルはこの「異教徒浄化」に大喜びで、100%ユダヤの地と宣言するでしょう。

 この地でのキリスト者の声はどこにあるのでしょう? 私たちのルーツはキリストご自身により創設された母なる教会と共に、エルサレムにあります。キリストがここで生まれることをお選びになり、聖なる教会をおつくりになった聖なる地です。何故アメリカのお金と武器が、キリスト教の最も意味深い伝統と遺産を滅ぼさなければならないのでしょう。ここは、地元のキリスト教徒が二千年以上も信仰の灯をともし続けてきた"生ける石"です。パレスチナでは、キリスト教徒もイスラム教徒も聖地に住み、ユダヤ人と共存するため、平和的な解決を探す必要があります。しかし、中東における合衆国の不正な政策はパレスチナに住むキリスト教共同体に影響を与えています。今や、西側に住むキリスト者は、アメリカのリーダーシップを問い直すときです。盲目的なイスラエルへの支援は、早かれ遅かれ止めなければなりません。もうコントロールできない状態です。

 キリスト者として私たちは、この世にただ存在するのではなく神のみ国を捜し求めるために呼ばれています。わたしは犠牲と祈りで戦争に備えるようお勧めします。戦争に備えると言うことは、許しの秘蹟を受けることを意味するのかもしれません。そうすれば私たちは、神の赦しと罪の赦免を願うことが出来ます。私たちは、相手の中に神を見、神に栄光を帰すため生ある限りこの地球に派遣されています。本当に私たちは、毎日を生涯の最後の日であるかのように生きなければなりません。政府が、これこれのものを買うようにとか、警戒するように言っていますが、神のみ国を求め、教会に集まり聖体拝領をすることも考えてください。

 神は私たちに、もし適うならパンを蓄えることが出来るよう考えるための頭脳を下さいました。又神に栄光を帰するように私たちに魂を下さいました。「わたしが命のパンである。わたしのもとに来る者は決して飢えることがなく、わたしを信じる者は決して渇くことがない。」(ヨハネ6-35)と。

 私たちは唯一知っている方法で聖地における戦争に備えます:それはキリストの証人になること。隣人への愛を告白し、紛争の平和的な解決を探ることによって、敵にもう一方の頬を向けねばなりません。「…エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」こう話し終わると、イエスは彼らが見ているうちに天に上げられた(使途言行録1-8)

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編集者付記:「クリスティ―ナ教会に行く」の著者マリア・C・コウリーは、助けを必要としている12家族のスポンサーになってくださる12の教区を探しています。その家族は住民全員がキリスト教徒の村に住んでいます。その村は聖地の中にあり、キリスト生誕地に留まるキリスト者を助ける最初の家を建てる予定になっています。また、タイベの聖ジョージギリシャ正教会建設計画のため、教会のメンバー1人につき1$の寄付をする1$キャンペーンに参加してくださる教区を探しています。


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