エルサレムからのHOT NEWS
−イスラエル・パレスチナの紛争の解決を願って−

この記事はイスラエルより発信されている「NONVIOLENCE (非暴力)」のホームページより、製作者 ラエド・アブサリア神父様の許可を得て「聖地のこどもを支える会」で翻訳したものです。


オリーブ・ブランチ NO.191

ベイト・サフールの家屋の大規模破壊

2003年2月10日 スーザン・サホリ


 昨日のベイト・サフールの夜は、手配者を捜索するイスラエル兵に真夜中自宅に侵入された多くの家族にとって、恐怖の一夜となりました。昨日までの2、3日は、外出禁止令が日中解除されていたので、今朝私たちはみんないつもどおりに起きて仕事に行く支度をしました。市庁舎のそばまで来た時、車が少なく通りが静かなことに気がつきました。たぶん金曜日で学校が休みだからだろうと思いました。間もなくイスラエルのパトロール隊が外出禁止令の施行を知らせ、通りで車を運転している人を見つけるたびに大声を浴びせかけているのが聞こえました。その後、昨夜のベイト・サフールでの出来事を知りました。イスラエル兵がベイト・サフールで多くの住宅に無理やり侵入し、すべての家族を恐怖に陥れ、それらの家すべてに破壊の跡を残していきました。イスラエル兵の言い分では、それらの家は手配者の寝場所になっていると言うのです。イスラエル兵に自宅に侵入された人たちの中に市庁の職員がいました。兵士たちはその職員の息子と娘を殴打して、音響爆弾を家の中で投げ、末の息子の腕にけがをさせました。そして家族は着の身着のままで家から追い立てられ、寒空の下で裸足のまま待たされました。

 家族が屋外に立たされている間、イスラエル軍は屋内の捜索を行いました。兵士は屋内で銃器を発射し、住宅の内部を破壊しました。ドアを開けて出てくるようにという軍の命令に応じなかった家族は玄関を爆破され、家の前面が破壊されました。家の中で眠っていた子供たちは目を覚まし、何が起きているのかわからずに悲鳴を上げ始めました。手配中のパレスチナ人が泊っていると主張して、だれの家であろうが真夜中に侵入する権利をイスラエル兵は自らに与えているようです。

 何が起こっているのでしょう。イスラエルが主張するところの手配者を捜索するために、市内のすべての住宅をイスラエル兵は破壊するつもりでしょうか。私たちすべてが同じ運命におびえなければならないのでしょうか。

 米国によるイラクに対する凶暴な戦争の開始が日1日と迫っています。この戦争は私たちすべてに破壊をもたらし、一層の悲惨と絶望に陥れるでしょう。これまで以上に困難な時が訪れるだろうという噂を聞いています。私たちに何ができるでしょう。万一また長期にわたって外出禁止令が施行される場合に備えて、生活必需品を家に蓄え始めた方がいいのでしょうか。自分たちの食べ物を買うお金もない家族はどうなるのでしょう。

 今 多くの家族が赤十字やそのほかの国際機関から提供される人道援助に頼って生活しています。援助は切実に求められています。

 私たちすべてに影響を与える、迫りつつある残虐な戦争を解決するために、皆さんに自分の政府に圧力をかけ続けるよう、同胞に代わって引き続きお願いします。私たちのことや、もし米国がイラクに対して戦争を始めたら私たちの運命がどうなるかということを、少しの間考えてみてください。

 今は午後6時です。イスラエル軍のジープが、期限を定めずに外出禁止令が施行されることを知らせながら家の表の通りを巡回しているのが聞こえます。つまり明日は外出禁止令が解除されるのか、それとも解除されないのか分からないということです。地元テレビ局のアナウンスにみんな気をつけていなければなりません。



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