エルサレムからのHOT NEWS
−イスラエル・パレスチナの紛争の解決を願って−

この記事はイスラエルより発信されている「NONVIOLENCE (非暴力)」のホームページより、製作者 ラエド・アブサリア神父様の許可を得て「聖地のこどもを支える会」で翻訳したものです。


オリーブ・ブランチ NO.187

イスラエルのパレスチナ政策は、その魂を危うくする
                           Reverend Bruce Burnside

 イスラエルの警備員はベングリオン空港で私たちの入国をあれこれ詮索した。「何故来るのですか。怖くないのですか。」その後二週間、同じ質問が繰り返された。恐怖は流行るものだ。

 11月のオリーブ収穫の間、イスラエル入植者にしばしば襲われるパレスチナの村人を支援するため、私たちは西岸地区に行った。度々入植者たちは、パレスチナ人の収穫物を盗んだり、荒らしたりする。今日、数千人のパレスチナ人がイスラエルの組織的、狡猾な政策によって、不正な、まだ明かされていない経済的、身体的苦しみを受け、絶望感にさいなまれている。全て、安全と言うごまかしのもと、彼らのオリーブ園を荒らし、村々の十分の一を破壊し、数えられないほどの無実の人々を殺し、絶望を助長している。

 妻と私にとり、これは五度目の訪問であった。ますます希望は消えかかり、恐怖が増していることを私たちは、証しした。

 私たちは、そのことをKufr Laqifのある屋上で、軍機が一晩中家々の周りに炎を炸裂するのを村人と共に眺めていた時に感じた。また、来る日も来る日も自分のオリーブを収穫する許可を入植者に頼んでいる勇敢な紳士の姿のうちにそのことを体験した。そのオリーブ園は今入植済みの柵で囲われている。
 私たちは、イスラエルのブルドーザーに家を三度も壊されて、輸送コンテナに住まざるを得なくなった10歳の家族の目の中にそれを見た。
 私たちは、家々を壊すイスラエルのブルドーザーで、子どもや大人たちが非情にも生き埋めになったジェニン難民キャンプで、その只中を歩いた。今やその風景は月面のようである。
 私たちは、イスラエルの暗殺者に家の中で撃たれた後、だんだん手からぬくもりが消えていく母親と兄弟の間に座っていた人から、ベツレヘムの教会でそのことを聞いた。
 私たちは、ヨルダン川西岸を囲むアパルトヘイトの壁の建設に対して、平和的抗議をする人々に、イスラエル兵が催涙ガスと銃弾を発射したJayusでそのことを見た。ベルリンの壁はこれに比べると防雪の垣根のようなものだ。
 私たちは憎しみばかり教えられ、正義についてはわずかしか教えられない子どもたちから、そのことを聞いた。
 私たちは、安全のためではなく貶めるために計画された、延々と続く道路の遮断にそのことを耐えた。それは、パレスチナ人の村から村への旅を、学生の通学を、働く人が職場に行くのを、病人を病院に運ぶのを、家族が家族に会うのを、市場に行くのを---------妨げている。私たちは、パレスチナ人の土地や経済ばかりではなく、希望そのものを奪う、イスラエルの違法な数百もの入植により抑制された風景の中に、そのことを見た。

 奇妙なことに、他にも悲しみの種がある。キリスト教シオニスト(その多くは米国から)が、神の名において人を殺す使命に捉われたイスラム過激主義者よりは狂信的でない、宗教的熱意を表明している。キリスト教シオニストは、イスラエルのため、数百万ドルを調達している。彼らはそれを、キリスト再来を早めるためにしている。彼らの独自の聖書解説によれば、全てのユダヤ人がイスラエルに戻り、神殿を建てるまで、予言は全うされないと言う。この奇妙な提携におけるブラックユーモアは、その同じキリスト者がユダヤ教の終わりを告げるキリストの再来を心から期待していることだ。これは、相互活用である。イスラエルはそのような動機にだまされず、そのような終末的悪夢を見ずに、喜んでお金を受け取っている。

 キリスト者の一人として私も聖書の預言を読むが、それは終末について、隠された預言を解き明かすものではない。それは無駄な努力と言うものだ。聖書の預言者は、全ての国に、正義への神の要求を伝えた。ミカは、警告している。「主が何をお前に求めておられるかはお前に告げられている。正義を行い、慈しみを愛し、へりくだって神と共に歩むこと、これである」そしてエレミアは「主の神殿、主の神殿、主の神殿という、むなしい言葉により頼んではならない。この所で、お前たちの道と行いを正し、お互いの間に正義を行い、寄留の外国人,孤児、寡婦を虐げず、無実の人の血を流さず、---------そうすれば私はお前たちを先祖に与えたこの地この所に、とこしえからとこしえまで住まわせる。」

 ヘブライ大学のデビッドと言うイスラエルの若い学生がエルサレムでの最後の日、私に言った。「全ての気違い沙汰は終わるでしょう。そして正義が勝つでしょう。歴史は軍や抑圧の上に建てられた国は存続し得ないことを証明しています。私たちの狂気がイスラエルの魂を失う前に終わることを祈るだけです。」

 デビッドは正しい。正義は勝つだろう。魂を失う危険があるのはイスラエルだけではない。その危険は、ブルドーザー、鋭い針金、遺跡の壁、暗殺者、拷問、外出禁止令、銃弾、催涙ガスなどで防御しなければならない嫌悪すべきリトリック、険悪な弾圧、非人間的な規約などに味方する者、誰にでもその姿を現す。イスラエルはそういう政策を選んだ。私たちはそれを支持するのを止める時である。



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