エルサレムからのHOT NEWS
−イスラエル・パレスチナの紛争の解決を願って−

この記事はイスラエルより発信されている「NONVIOLENCE (非暴力)」のホームページより、製作者 ラエド・アブサリア神父様の許可を得て「聖地のこどもを支える会」で翻訳したものです。


オリーブ・ブランチ NO.187

東方教会のクリスマスは静かに過ぎた 
                          マリア・C・コウリー

 太陽がユダヤの美しい丘に沈み、キリスト生誕地での古いユダヤ暦による東方教会のクリスマス祝日が終わった。私の頭の中では、ばかげたEメールの言葉がかけめぐっている。“ユダヤはユダヤ人のもの”“アラビアはアラブ人のもの”これらは、西岸地区とガザ地区でのイスラエル占領を終わらせるため、パレスチナ人の人権を推し進めるため私が最近受け取ったメールの中の気に食わない部分である。私は、キリストご自身のみ言葉を考え続けている。あなた方は「エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」(使徒言行録1)これは、キリストが、たとえ私たちがどこに住もうとキリストの教えを実行するように呼びかけていることを示していないか。キリスト者は、イスラエルが毎日のわたしたちの生活を悲惨なものにするという理由だけでキリスト生誕地から去らねばならないのだろうか? 私にはなぜ、ユダヤ人が全ての法律の上に立つのか理解し難い。1948年国連によりイスラエルの国がたてられたのだから、何故イスラエルの中で生活し、西岸地区や、ガザ地区から退去してパレスチナ人に独立国を持たせないのか。何故彼らはユダヤやサマリアまでも違法に占拠しなければならないのか?

 パレスチナの子どもたちは学校への行き帰りに毎日殺されている。パレスチナ人の家は毎日破壊され続け、数百人が家もなく、あてもなく捨て置かれている。パレスチナの地は、違法な占拠や防護壁のため日々没収され続けている。世界がパレスチナについて聞く唯一の時は、イスラエルの人々がキリスト者であれ、ユダヤ教徒であれ、イスラム教徒であれ、無実の人々をまきぞえにする容認できない自爆テロのことを国際社会に知って欲しい時である。自爆テロリストとされるこれらの人々を、また54年間以上も人権をなおざりにしてきた絶望的な環境も、罪のない犠牲者を傷つける事を正当化することはできない。しかし、米国からの資金や武器がイスラエルにいき、そのためにパレスチナ人は自分たちの体を張って戦わざるを得ないのである。彼らには、アメリカの税金でまかなわれたf16も戦車も武装されたジープもないからだ。パレスチナ人は自由と独立を求めている。かれらはテロリストではない。

 私は荒野の真っ只中にいるので余り知っているとは言えないが、もし米国がイスラエルにあれほど多くの武器を送るのを止めれば、イスラエル人は今までしてきたような破壊をしなかっただろう。それらは、Aboudの村において歴史的考古学的価値のある4世紀の聖バーバラ洞窟教会を爆破したり、ベツレヘム聖誕教会の後部扉や、一部を壊したり、ベイトジャラの聖ニコラス教会に火をつけたり、ナブルのギリシャ正教会への損壊、ベートジャラのギリシャ正教クラブへのミサイル発射などである。がしかし、米国は、イラク戦争の準備をして、18ヶ月ものイラク占拠を宣言している。ブッシュ政権は戦争ではなく外交的平和解決をめざすべきである。私は、アメリカが何ゆえ(神の下、ひとつの国として)戦争に答えを見出すのか不思議でならない。日曜学校の先生や、両親に教えられ、育った神と言うのは、愛の神、平和の神である。この神は、キリスト者もイスラム教徒もユダヤ教徒も等しく平等に、彼への栄光のため私たちが他人からして欲しい事を他人にするようにと創造された神ではなかったか。

 毎年私は東方教会のクリスマスの日、真夜中の礼拝に出席するため車でベツレヘムに行き、キリストの聖誕を祝う。今年は、私の小さな村の二つの出入り口で巨大なセメントの壁に遮られ、イスラエル兵はベツレヘムに外出禁止令をしいていた。東方教会の礼拝式はいつものように執り行われたが、ベツレヘムの外にいるキリスト者は出席することが困難であり、不可能であった。私はこの東方教会のクリスマスの日、弾や砲撃の音を聞きながら過ごした。誰が誰を撃っていたのか知らない。私たちは目下各々の町や村で囚われている。今までになく平和は遠のいたかに見える。イスラエル、パレスチナ両サイドの争いは、共存を望む平和的な人々の生活を破壊し続けている。メディアが過剰に強調するように、テロリストはパレスチナ人ではないことを知って欲しい。アメリカの金と武器によるもっとひどいテロが起ころうとしているので、あなた方は政府役人に連絡を取り、武器でイスラエルを支援するのではなく、外交的平和的解決を選択するよう油断無く警戒して頂きたい。

 終わりに、私は他のメールにあるように、「ギリシャ人と呼ばれるのさえ不名誉で困惑して」いない。どうか私をキリストの証人、荒野の声、占拠されたパレスチナからの真の言葉とみなして頂きたい。ここではユダヤ人とイスラム教徒が毎日殺し合い、キリスト者は2000年9月28日にシャロン首相により始められた民族浄化運動で姿を消した。栄光をあらわすためこの聖なる地を選ばれた神なるキリストよ、平和のない人々の間に内なる平和をもたらしたまえ。「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」(ルカ2-14



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