ナイロビからドバイを経てパキスタンのカラチに着いたのは、深夜3時半過ぎだった。当時はインドで空気感染性の伝染病が流行っていて、隣国パキスタンも危ないかとマスクを付けて飛行機を降りた。係員には「風邪か?」と聞かれた。近くの空港ホテルに移動し、久しぶりの風呂に浸かった後ゆっくりと眠った。
目が覚めると、もう昼前だった。とりあえず食堂に行ってみると、メニューはやはりカレー。しかしミネラルウォーターを持っておらず、現地の水は飲みたくなかったので、水なしで食べることになった。日本のカレーよりも当然辛く、これはかなりきつかった。部屋に戻り、廊下の椅子にぼんやりと腰をかけていると、遠くからやきいも売りのような声をあげておじいさんが歩いてきた。僕を見ると、「イボ、タコ、ウオノメ」などと日本語で話しかけてくる。どうやらそういう病気を治すマッサージのようなことを行う人らしい。何やらアルバムを取り出して、治療例などを見せてくれる。いいですからと断るが、それなら見せるだけでも見せてみろと僕の足を持って点検を始める。「Oh!ウオノメ!」って、だからいいですってば、おじさん!!おじさんはまたそのまま「イボ、タコ、ウオノメ」と声をあげながら去っていった。
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イスラム教の寺院(だと思う) |
オプションのカラチ市内観光は付けていなかったはずが、連れて行ってもらえることになった。昼1時頃に待ち合わせ場所に行くと、昨日ナイロビからの飛行機で見かけた日本人女性グループとまた一緒になった。ドライバーと、日本語のしゃべれるガイドさんと共に、マイクロバスで出かけた。
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なぜか派手派手なトラックが多い |
カラチはそこそこの都会であった。高層ビルの間を大きな道路が走り、タクシーや長距離トラックなんかも数多く見られる。イスラム教の寺院を見た後、土産物屋に立ち寄る。パキスタンといえば、絨毯である。店員にさんざん勧めらるが、ここで買って持って帰る訳にはいかない。結局何も買わなかった。
その後、海岸に出た。カラチはインド洋に面した海沿いの町である。ここでは、観光者用のラクダに乗せてもらった。1時間海岸線を歩いて10US$。ラクダは思うよりも大きな動物で、しゃがんだ状態で背中に乗り、それが起きあがる時には振り落とされるぐらいの勢いで前後に揺れ、かなりの高さまで担ぎ上げられる。座席は堅く、歩くとかなり揺れるので、すぐに尻が痛くなる。とてもこれで砂漠を横断する気にはなれない。1時間が限度だ。
屋台のような店で、サトウキビのジュースみたいなのを飲んだ。なかなか美味しかった。最後にまたイスラム寺院を散策し、空港へ向かった。これからまた飛行機詰め。バンコク、マニラを経て成田へ向かうことになる。