台湾
鳥と自然と食べ歩きの旅
2025年6月5日~6月16日(12日間)
6月10日
目次
6月12日
■ 阿里山で野鳥ざんまい
6/11(水)
■ 阿里山の日の出
予定どおり、3時に起床。あでりーはしっかり寝られたようだが、僕はどうにか少し眠った程度。準備をして、3時45分に宿を出る。外は真っ暗で、星と満月が美しい。阿里山駅まで歩くと、すごい人だかりだ。列に並び、昨日、セブンイレブンのibonでプリントアウトしたチケットを見せる。と、ここで問題が発生。チケットはこれではないらしく、拒否されてしまう。急いでチケット売り場に行くと、セブンイレブンに行けと言われる。昨日の記憶を思い出すと、ibon端末から出てきた用紙を再度レジに持っていき、そこで本当のチケットに替える必要があったのだ。急いでセブンイレブンに走る。店員に用紙を見せるが、既に時間切れで、もう一度ibon端末を操作しなければならない。予約番号とパスポート番号の入力が必要で、予約番号がすぐに出せそうにない。これでは間に合わないと判断し、駅で当日券を買うことにする。ふたたび全速力で走り、チケット窓口に戻る。急いで購入し、列車に乗り込んだ。しばらく息を整える。お金は無駄になったが、とにかく、この列車に乗れたことでよしとする。車内はほぼ満員で、ふと前を見ると、日月潭から阿里山へのバスで前の席に乗っていたカップルがいた。不思議な縁を感じる。

まだ暗い中を列車が走り出す。アナウンスが流れるが、サルに注意、ということしかわからなかった。途中の沼平駅でも何人かが乗り、4時40分頃に終点の祝山に到着。歩いてすぐのところに展望台があった。このあたりはテレビで見たままの光景だ。太陽の出る方向を確認し、場所を確保する。その後、場所を二度変えて、待機。空がどんどん明るくなってくる。日の出と別の場所にある雲が赤く焼け、動いている雲の色がどんどん変わっていくのがおもしろい。ふと気づくと、別の場所から光が差し始めており、日の出の場所を間違えていたことに気づく。最前列の右端のほうに移動し、そこからゆっくりと日の出を待つ。太陽の出てくるところに雲がかかっており、その雲が輝き始めてから、なかなか太陽が顔を出さない。じゅうぶんに焦らされたところで、ようやく日の出となり、歓声が上がる。見始めてから40分くらいが経過していた。半分ほど出てくるともうまぶしくて見ていられない。日の出のショータイムはこれにて終了。

日の出を待つ観光客

もうすぐ!

出た!

周辺の屋台
■ 野鳥を見ながら山歩き
電車のチケットは復路分も買ってあるが、歩いて戻ると気持ちよさそうなので、歩くことにした。阿里山で僕の一番やりたかったのが、森林地帯の中を歩いて鳥を見ることだった。ゆっくりと歩き出すと、晴れてはいるものの木々の陰で涼しく、とても気持ちがいい。あでりーは、途中で見かけた植物をしきりに撮影している。

静かで神聖にも思える空気の中を歩きながら、二人でぽつりぽつりと話をした。今回の海外旅行は、今までのものとは違い、様々な「気付き」を得られる旅になっている。いま、そうした準備が整う時期になったのだ、という話をした。

林の中でたくさんの鳥の声がするも、なかなか姿が見つからない。それでも、駅のあたりに出ると、カシラダカのような鳥(後で調べると、カンムリチメドリ)を発見。さらに、目玉のぐりぐりと大きな鳥(同、タイワンチメドリ)が現れ、オスがメスに食事を与えたり、別のオスが邪魔しに来たりなど、面白い様子が見られた。

しばらく見ていると、あでりーが大きな声で指を指した。電線の上に、真っ赤な鳥(同、タイワンマシコ)がとまっていた。もちろん初めて見る鳥だ。興奮しながらビデオを回したが、しばらくして飛び去ってしまった。

その後も、日本のものより体の大きなシジュウカラも見られた。これで4種類、新しい鳥を見たことになる。すごく嬉しかった。後で調べると上記の名前が判明したが、3種ともに台湾固有種であることもわかった。短い時間でこれだけ見られたことに大満足だった。



左から、カンムリチメドリ、タイワンチメドリ、タイワンマシコ
その後、見晴らしのいいところに作られた遊歩道を歩いたりしつつ、少しずつ阿里山の見慣れたほうへと下っていく。「メニュー、メニュー」と聞こえる鳴き方をする鳥がなかなか姿を見せなかったが、その正体がカンムリチメドリだったこともわかった。

1時間ほど歩いて、店のあるエリアまで戻ってきた。本当に素晴らしいトレッキングだった。最初は昨日の夕方に歩こうと思っていて、結局は雨が降ってやめにしたのだが、今朝に変更して本当によかった。あの雨は恵みの雨だったのだ! 歩きながら普段はできないような話もでき、いろんな意味で充実した時間を過ごすことができた。想像していたとおり、この山歩きは、今回の旅のハイライトの一つになった。

見晴らしのいい場所で撮ってもらいました

絶景だらけ!
■ 森林鉄道で嘉義へ
宿で指定された朝食の店に向かう。8種類ほどの料理が用意されており、少しずつお皿に盛ってもらったのを受け取る。さらにお粥もあった。料理はどれもそれなりの味だったが、お粥が美味しくて気に入った。これで部屋に戻り、1時間半ほど休む。ふたたび起きて荷物をまとめ、撮影をして部屋を出た。24時間もいなかったが、とてもいい部屋で、快適に過ごすことができた。(トイレにウォシュレットがついていたのには驚いた。海外でウォシュレットを見たのはこれが初めて。)

本日の朝食

ホテルの室内

左:洗面所 右:ホテル外観
スーツケースを引きながら、駅までの道を歩く。階段は、僕があでりーの分を含め、スーツケースを二往復して運んだ。駅に到着したところで、思わぬ事態が発覚する。昨日買った阿里山森林鉄道のチケットには二枚とも同じ座席番号が書いてあり、2つのシートに1つの番号がついているものと思っていた。出発直前にチケットを見直して気づいたが、車両番号違いの同じ番号だった。つまり、ここから嘉儀までの電車では、別々の車両に座ることになる。まあ、チケットが買えただけよかったと思うしかない。思い通りにはならないけれど、全てはうまくいっているはずだ。僕は3号車、あでりーは4号車に乗る。

列車が動き出し、阿里山に別れを告げる。森林鉄道の名前のとおり、列車は森林を縫うように進んでいく。一面に靄が立ち込め、幻想的な風景だ。座席は一人用で足が延ばせるから、悪くない。窓を開け、外の景色を楽しみ、ビデオを撮影する。列車は何度かスイッチバックを繰り返しながら進んでいく。あでりーも似たような一人用の席で、しかも近くの席もかなり空いていて、「だったらどうして我々は別々の車両になるのか」と思っていたらしい。

森林の中を走る

靄の立ち込める風景

「奮起湖」駅
途中、奮起湖の駅でしばらく停まるようで、乗客が次々に降りていく。僕も降り、あでりーと合流。10分ほどしか時間がないようなので、テレビ番組でも見た名物の商店街を見流しながらそそくさと進み、列車に戻る。僕はどうやら3号車のつもりが2号車に乗っていたらしく、途中で車掌さんに指摘されたが、まあいいよと言われた。

阿里山を11:50に出て、嘉儀に着くのは15:45だ。かなり長い旅になるが、いろんな考えごとをしながら過ごした。嘉儀が近づくと、普通の民家が増え、雨も降り始めた。そして定刻どおり、嘉儀に到着。

次第に町に近づいていく

嘉義駅に到着!
■ 嘉義から台北へ
嘉義では、あまり長時間は過ごせない。とりあえず高鐵の駅までのバスを調べなければならない。シャトルバスは高鐵のチケットがあれば無料になるらしいが、まだ予約バウチャーしか持っていないので、台鉄嘉儀駅で高鐵のチケットが発券できるかと思い、窓口に行ってみたが無理だった。その後インフォメーションに行くと、日本語のできるスタッフがいて、バスは高鐵のチケットがなくても無料になること、バス乗り場は駅の反対側で、いったん入場券をもらって構内を抜けていく必要があることなどを教えてもらった。

とりあえず周辺で食べ物をテイクアウトできればと駅の外に出てみるが、あまりめぼしいものはない。スーツケースを引いているので、あまり遠くまで移動もしたくない。考えたすえ、このままバスで高鐵の駅まで行くことにする。駅で入場券を発券してもらい、反対側に出ると、バス乗り場はすぐにあった。バスに乗ると、運転手さんから専用のカードを渡された。これで無料になるようだ。

高鐵の駅まではかなり距離があった。それでも座っているだけなので楽ちんだ。降車時にカードを戻し、高鐵の駅に入る。発車までの時間を駅で過ごす必要があったが、チケット発券の際、早い時刻の便に変更してもらえたので、少し待つだけで乗ることができた。前後に離れた席になったが、これもまたよし。Airbnbのホストにアプリで連絡をし、早めの到着になることを伝えると、OKという返事が来た。
■ 台北に到着!
高鐵は、台北の板橋駅で下車した。ここから宿まではMRTに乗る。僕はiCASHカードが使えるが、あでりーはチケットを買う必要がある。台中で買った周遊バスのカードがiPASSという規格で、これが使えるのではないかと思い、試しにチャージをしてみた。なんと、カードには20元が残っており、これに5元を追加チャージして、宿の最寄りの龍山寺駅まで乗ることができた。

駅からスーツケースを引き、宿まで直行する。地図はスマホに入れてあり、わかりやすい場所なので間違うことはない。到着し、インターホンを押すが、返事がない。何度か押しているとシャッターが開いたが、どうやらここではないらしく、調べると隣の家だった。扉についたインターホンらしきボタンを押してみる。やはり返事はない。伝えてあった19時半まで時間があったので、近くの店で牡蠣オムレツを買い、食べながら待つ。初めての牡蠣オムレツだったが、想像どおり美味しかった。

19時半に再びチャイムを鳴らしても返事がないため、駅の近くまで戻り、セブンイレブンでネットをつなげてホストに連絡してみる。既にメッセージが入っていて、エントランスのロック解除番号、部屋番号と部屋の鍵の開け方が書いてあった。これで解決かと思い、宿まで戻ってエントランスのロック解除番号を入れてみるが、開かず、警報が鳴って番号を入れることすらできなくなった。

仕方なくもう一度セブンイレブンに戻り、エントランスが開かない旨を伝えるが、今度は返事がなかなか来ない。ずっと待っているわけにもいかず、しかたなく宿まで引き返す。あでりーが、「他の人が何人か入っていったよ」と教えてくれる。そこで、もう一度エントランスの番号を入れてみると、今度はしっかり開いた。中に入ると、ちょうどホストが出てきてくれたので、笑顔で挨拶をかわす。

パスポートのチェックをおこない、チェックインは完了。最終日のチェックアウトの方法は前日に教えてもらえるそうだ。最後にスーツケースを預ける方法も教えてもらった。ホストは、沖縄から帰ってきたばかりらしい。Airbnbを利用する際は、やはり常時接続の環境がないと厳しいと痛感する。
■ 夜市へGO!
部屋で荷物を整頓したあと、とりあえず夕食をとるため、近くにある夜市に繰り出す。台北初めての夜市だ。まずは果物の店でグアバの切り売りを買う。食べてみると、洋梨のようで美味しい。その後、しばらく歩いて、台中で食べ損ねたバーワン(肉圓)の店「月老湯包」を発見したので入る。バーワンと小籠包を注文すると、小籠包が先に出た。レンゲに乗せ、皮を破ってスープをかけ、しょうがを乗せて、スープを飲んでから食べる。美味しい! 申し分のないうまさで、すぐにたいらげてしまう。その後、時間をかけて蒸していたバーワンが出てきた。これも見た目は小籠包のような形をしている。もっと形のないものかと思っていた。もちもちの生地に具材が詰めてあり、やはり美味しい。満足して店を出る。

それから引き返し、また別の筋を通る。肉まん系のものが食べたかったので、紫菜包を食べてみる。中身が紫菜という野菜で、これもなかなかよかった。あでりーがスイカジュースを買ってきたので飲むと、新鮮なスイカの味がする。僕は杏仁のジュースを買うが、こちらは甘くていまいちだった。これで宿に戻る。あでりーがシャワーを浴び、僕はその元気もなく、先に就寝。

梧州街観光夜市

左:グアバ 右:「月老湯包」

左:小籠包 右:バーワン

左:紫菜包の店 右:スイカジュースの店

6月10日
目次
6月12日