<<<back

Night Call
<2>
Kei Kitamura

さみしい肩をもてあまし
月灯りに 罠をはる

こぼれた 闇の素顔に
あなたさえが 悲しく忘れられてる




 ぐったりと力なく投げ出された肢体から殊更ゆっくりと衣服を取り去っていく。そんな他愛のない刺激にも耐えられないというように体を震わせる姿に、目を奪われる。
「さて、と。どこをどう触られたい?」
 薄紅に染まった体を眼下に、ゾロは意地悪な質問を投げかける。
「…っぁ…もぅ…う…」
 揺れる蒼い瞳からは涙がとめどなく溢れて、堪えきれずサンジが嗚咽を漏らした。勃ちあがってしまった中心がピクリと震え、零れ落ちる雫が下肢を濡らしている。


 煽情的な表情。

 もっと啼かせたい…。


「あっ…いや、だっ…」
 両方の足首を掴み肩に担ぐようにして開かせると、ジタバタと体を捩り逃げを打つ。強引に身体を足の間に潜り込ませ、閉じることを許さない。
「何がいやなんだ?お前が何も言わねぇから俺にはどうしてほしいのか分からねェだろ…?じゃ、俺の好きにするしかねぇじゃねーか、なぁ…サンジ…」
「…っ…」
 身体を密着させるように折り、耳元で息を吹きかけるようにゾロの濡れた声が囁かれ、羞恥にサンジの頬が更に赤く染まる。
「ひ…っ…アッ、ア…んっ…んっ……」
 ゾロの指がサンジを捉えると、身体を大きく震わせ頭を振る。戯れるように中心をなぞり、そして離れる。離れた指は隠された奥へと伸ばされた。
「ひぁっ!ひっ…あ、んっ…」
 サンジの溢した液が秘所まで流れ落ち、ゾロの指の動きを助ける。中指を繰り返し秘部へと擦り付ける。
 身体全体が快楽を追い求め、震えているサンジの痴態にゾロの熱も力を増していった。


 熱いサンジの裡に入り込みたい。

 楔を打ち込むように、その心に存在を埋め込みたい。

 誰に抱かれているのか、分からせてやりたい。


 サンジの身体をうつ伏せにすると、自分のひざの上に腰を引き寄せ腰だけを上げた格好にする。
「やっ!いや…何…?」
 白い双丘を掴むと左右に広げると、秘部が何かを求めるかのようにヒクつく様が見えた。濡れて開閉を繰り返す其処へゾロは唇を寄せた。
「ひぃっ…やっ!いやぁぁ…ゾ、ロ…いやっ…やめっ…んっ、んっ…」
 濡れた蕾の襞を舌で撫でられる感覚に、枯れた悲鳴を上げ躯をくねらせて悶えた。胸の熱を持った尖りを床板に擦りつけられるたび、そこから腰へと痺れが伝わり、更にサンジを追いつめていく。
「ぁーー……っ」
 声もなく後ろへの刺激のみで、サンジが絶頂へと追いつめられていった。
 まだ息も整わず、躯の震えも収まらないサンジの秘部へゾロの滾った熱が押し当てられる。
「ぁ…まっ……ああっっ…」
 制止の言葉を聞かず、グイグイと硬い其れを一気に奥まで押し込んだ。ゾロの熱棒に埋め尽くされたサンジの蕾は、与えられたモノを離すまいとするかのようにキツく締め付ける。
「…っ、動…けねェだろ…。少し弛めろ、よ」
「ア…ン……って…む、り…っあ…」
 強い締め付けに眉根を寄せ、ゾロの指が吐精したばかりのサンジの中心に絡みつく。萎えていた其れを上下に緩く扱くと、新たな刺激に内壁に入っていた力が抜けていった。その隙を見逃さず、ゾロは注挿を繰り返す。
「ひぁっ…あっあっ…ヒィッ…はげ、し…ぃ…はっ……ぁ」
「サン、ジ……」
 上体を折り曲げ、後ろからのし掛かる格好でサンジの耳元に囁きを落とす。
「んぁっ…あンっ……あ、あ、はぁ…んっ」
「サンジ…分かって、るか?俺が分かって…る、か?」
「ん…ゾ…ロッ…あふっ…あ、ゾロッ!」
 耳に吹きかけられるゾロの熱い息にさえ、感じてしまう。
 サンジは朦朧とした意識の中で、その存在をしっかりと感じ取っていた。
 これはゾロだ、と。
 分かっているのか?
 そう聞きたいのは自分の方だ、と。
 こんなに求めているのは、ゾロだけだと伝えたい。その術をサンジはこれしか知らない。

「…サンジ」
 打ち込まれる杭の荒々しさとは異なる、優しい声がサンジを哀しくさせていく。
 閉じられた蒼い瞳からは、生理的なものか悲しみのものか、もう分からない涙が止めどなくあふれ出す。


 こんなにも自分の中にはゾロしか居ないというのに…。


「ゾロ……」




めざめることのない夢
ただ甘く傷つくだけ

ふたりよりもいいものは
もう 見つけられない

fin...

2002/2/3UP

<<<back





どうでしょう?裏にふさわしいでしょうか?
でもやっぱりゾロとサンジはすれ違ったままで…スミマセン。
裏裏だし…。いっか。ワタシは甘々なのが好きだわ〜。って書いてから言うなよ(^_^;)
長らくお待たせして、ここで終わっていいものかと、ちょっと考えたけど、ワタシのいっぱいいっぱいです。
*kei*