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The game of moonlight

<後編>

 視界が靄がかかったようになり、熱だけが身体を突き動かす。
 サンジは奔放に媚態を曝け出す。隠す物など何もないと、媚びる眼差しが己を欲しがれと強請る。
 一度サンジをいかせた頃には、薬が効いてきたのだろう、ゾロの方が余裕のない状態になっていた。上がる息を押さえきれず、ねっとりと熱い空気が体中を舐め回す。
「は…効いてきた…?」
 サンジの下半身から身体を起こすと、脇に付いた腕に指が絡み、声がかけられた。妖艶笑みを貼り付かせ、掠れた声で問いかけてくる。
「そうみてぇだな…」
「なら……」
 首に白い腕がゆっくりと絡められた。白く細いが力強い腕。唇をギリギリまで近づけて、吐息のような言葉が流れ出す。
「早く、入れろ…。強く抱け……」
 囁かれた言葉にゾロは、理性の箍が外れる音を聞いた。





「あっ…んっ……はぁっ……」
 熱い楔に穿たれて、何度目か分からない絶頂がサンジを襲う。緩急を付け内壁を抉られ、何度目か分からない奔流がサンジの身体の奥に放たれる。それでも萎える事をしない熱塊はサンジの中に留まったまま、脈を打ち続けていた。
 繋がったまま身体を俯せにひっくり返され、腰だけを突き出した格好で獣のように犯されるサンジの姿を見下ろしながら、熱に浮かされた状態で荒々しく腰を打ち付けた。
「んぅ…んっ……ぁはっ……」
 奥を突かれるたびに喉の奥から衝動のように声が漏れる。
 始まりの頃は、憎らしい言葉を吐き続けていた唇が、今は言葉にならない喘ぎ声だけが、月夜に響いていた。
「ぁ……ふっ…う、んっ……はぁ…あ…」
 胸元に手を這わせ、痼りを掌で揉み込み更に立ち上がらせる。既に舌で転がされ吸われ指で弄られこれ以上ないくらい紅く尖った乳首は、触れられただけでも痺れるような感覚が全身に回ってしまい、甘い毒のように感じられた。
 ゾロの額を流れる汗がサンジの背中に落ち、月光に照らされ妖しく光る。
 身体を折り曲げその背に口づけると、サンジの奥深くまで突き刺さった熱棒が角度を変え、未知の感覚にサンジの背がこれ以上無いくらいに反り返った。
「ひ…ぁーー……ゃぁ……」
 細く長い声を漏らし、前に触れることなくサンジが達した。
 小さく痙攣を繰り返す肢体から身体を抜き、ゆっくりとまた仰向けに転がす。
 涙と汗で頬に貼り付いた金糸が、月光に煌めく。薄く開けられた唇からは甘い吐息しか漏れず、ぼんやりとゾロを見つめる瞳は変わらずに青い。
 欲しがれと言ったのはサンジの方だ。
 こんな事で何が分かると言うのか、熱が引かないゾロの思考では到底答えに辿り着かないだろう。


「もう、限界か?まだ…足りねぇ…よ…」
 サンジの唇を塞ぎ、軽く舌を絡め合わせて、そっと顔を寄せたまま離した。
「お前が言ったんだ、ろ?…変なクスリまで飲ませて…」
 力の抜けたサンジの足を抱え上げ、ヒクヒクと開閉を繰り返す蕾に萎えることのない熱棒を押し当てた。中からゾロが放った物がトロリと溢れ出す閉じきれない其処へ、躊躇することなく挿入させていく。
「ぅ……ひぁ…」
 抵抗無く飲み込んでいく蕾の回りをゾロの指が撫でた。
 サンジの身体を抱え上げ、向かい合わせに座る格好でサンジを貫く。投げ出されたサンジの足が時折ピクリと跳ね、逃げようとする腰を力強い腕で押しとどめた。
 ゾロの胸に身体を預けて、肩口で荒い息を繰り返すサンジの背中を、大きな掌で宥めるように撫でる。サンジの息が整うのを待つくらいの理性が戻ってきているようだ。
「……い?」
「あ?」
 息に紛れてサンジの掠れた声がゾロの耳に届いた。聞き取れず、問い返すがまだサンジの息は荒い。
「オ、レが……ほし…い…?」
 時折内壁を締めながら、脈打つゾロの熱棒に、サンジが震えながらも、漸く言葉らしい声を発した。
「…だから、そう言ってる…」
 濡れた髪に指を絡め、ゆっくりと梳いてやる。
「クスリなんか使わなくても、そんくらい分かれ、よ…」
「分かり……づれぇ…よっ…」
 ぎゅうっと抱き締められて、ゾロは苦笑いを漏らすしかなかった。



 そうかもしれない。
 サンジは言葉を欲しがっているのだ。
 態度を欲しがっているのだ。
 でも、その言葉や態度では信じ切る事が出来ないだろう事も、自分で分かっているから、こうやってゾロを試す。



「態度で示せばいいのか?」
「ああ…そんくれぇしか…できねっ…だろ…、体力バカのオマエにゃ…よ」
 分かった、と笑いを含めて囁き、髪から背を伝い繋がっている場所をゆっくりと撫でた。
「ひっ!やっ…ク、ソ…やろっ…」
 撫でた指を、自分の熱棒に沿って蕾の中に第一関節までねじ込むと、挿入したままぐるりと内壁を引っ掻く。
「やっ…やだって……んっ…あっ……」
「足りないっつったろ…?」
 腰を揺らし中に入っている精液を指で掻き出すように動かすと、肩口に埋められていたサンジが、白い喉を反らせた。喉元に噛みつくようなキスを落とし、更に腰の動きを早めると、サンジの口からはまた喘ぎしか聞こえなくなった。
「ひぅ…うっ…あ…ゾ、ロっ……」
「欲しい……」
「ゾロッ……」
「サンジ…お前が欲しい……」




 分かればいいと思う。
 分からせてやればいいと思う。


 女の替わりなんかではないと。
 サンジだから、欲しいのだと。




 月の下、抱き合うのは、お前でなければ嫌なんだと……



Fin


<<<前編

2002/5/17UP



お…終わりました。
エロになってましゅか?!
ちゃんとクスリ盛られたゾロになってますかぁ〜っ?!
スミマセン、伽田さん。お待たせしてしまいましたっ。

*kei*