E-イブ(11歳) & R-リック(9歳) & S-say-umi

4月の本棚
 映画「二つの塔」を見る前に復習しておこうと思い、先月から再び指輪物語を読んでいます。しかしこれは大作、どうしても他の本に手を出す余裕がつくれません。現在「王の帰還・下」にとりかかったところですが、映画で出てくるシーンは過ぎたので、この辺りで一休みしてHPを更新することにします。
 今月もリックはシリーズものに夢中ですが、新たに八犬伝と西遊記にもとりこまれています。
 イブはマイペースで動物モノをこなします。八犬伝にしろ指輪物語にしろ、とりつくのはいつも一番最後でペースもゆっくりですが、彼女は細かいところまでとても深く読み込んでいます。「どうして○×はここで▼◎したのかなぁ?」などと質問された私が、「あれ? そんなところあったかしら?」なんてもう一度本をめくってみることも多いのです。
 一方で、表面をさらってバンバンと読み進めるリックの読破力もさすが。私が借りた本も、イブが借りた本も、誰より早く読み終えるので、冊数では誰にも負けません。


↑4月20日時点での本を並べてみました
上段がイブ選、中段がリック選、下段がsay-umi選

南総里見八犬伝2.3.4. 選者S
原作/滝沢馬琴 編著/浜たかや 画/山本タカト(偕成社)
 怖いのは嫌いなどと言いながらも、誰よりも楽しんでいたのがイブでした。「それでさ、玉梓の呪いはどうなっちゃったわけ?」とイブ。「最後がちょっとなぁ。もっと続かないとダメだよ」とリック。終わり方が中途半端で少々しらけるのですが、最後に出ていた解説を読んで納得しました。現代でも人気のコミックが読者の要望に応えてなかなか終わりにならないのと同じで、滝沢馬琴の時代にも大人気だった八犬伝、ずるずると長引いたのですね。そして、流行り廃りを繰り返しつつ、現代にも残ってきたこの小説、娯楽性はぴかいちだと思います。

 なん者ひなた丸 千鳥がすみの術の巻
津波がえしの術の巻
まぼろし衣切りの術の巻
南蛮づくしの術の巻
むささび城封じの術の巻
ばけねこ鏡わりの術の巻
 選者
空蝉おとしの術の巻 選者E
作/斎藤洋 画/大沢幸子 (あかね書房)
 相変わらず人気のなん者ひなた丸です。少し前までは海賊船の船長だった我が家のハムスターのぬいぐるみ「ぷくちゃん」、今は剣を背中に背負って忍者になっています。

 後路みね ゆうひの丘のなかま・2 選者E
文・絵/いわむらかずお (理論社)
 14ひきシリーズで知られるいわむらかずおさんの本です。登場人(動)物の言葉遣いがとても丁寧で、言葉にはずいぶん気をつけているのだろうと思いました。のどかな農園の情景が描かれており、様々な日本固有の動物が登場します。いわむらさんが残したいと考えたのであろう日本の風景を、ぽっかり切り取ったような本だと思いました。
 あとは、絵のない文章でどれだけ読者をひきつけられるかが問題です。いわむらさんの絵本は、絵がたくさんのことを物語っており、文はその絵にふりかけるおいしいソースのようなものでしたが、この物語では立場が逆。さて、ベースとなる物語がしっかりしていないと、ソースである絵がいくらおいしくてもいただけません。
 「名前がいろいろでてきて、どれが誰だか覚えるだけで精一杯だったよ」と私が言うと、「そう? ◎×がカラスでしょう?」などとリックが教えてくれました。「よく覚えていること!」と感心したところで「ママは忘れすぎだよ」とイブよりきついお言葉をちょうだいいたしました。

大人にはないしょだよ 史上最強のスーパーパズル
 選者E
作/BOYプロジェクト 絵/渡部紳治(ポプラ社)
 私が子供の頃はこの手の本が大好きで、クイズ、迷路、探偵推理本をよく読んでいました。懐かしいです。

ダーサンとクロヒョウ 選者E
作/斉藤洋 絵/森田みちよ(岩崎書店)
 

森のおはなし 選者E
作/松居スーザン 絵/山内ふじ江(あかね書房)
 

わたしの研究 アリに知恵はあるか? 選者E
文/石井象二郎 絵/つだかつみ(偕成社)
 

講談社カラー科学大図鑑
ネコのひみつ
 選者E
今泉忠明 (講談社)
 「これ、海(かい)ちゃんかな、と思ったの。だから確かめたくて借りてみたの。やっぱり海ちゃんだった。もしも海ちゃんが写っていなかったら、借りてこなかったよ。(イブ談)」岩合光昭さんの「海ちゃん」という飼い猫の記録本が家にあります。その中にあった海ちゃんの躍動感あふれるワンショットが、この『ネコのひみつ』に載っていました。動物好きのイブならではの観察力。敬服します。

とうがらし探偵団 選者
作/那須正幹 絵/なかはらかぜ(小学館)

ドリトル先生と月からの使い
ドリトル先生月へゆく
ドリトル先生月から帰る
ドリトル先生と秘密の湖 
選者
 文・絵/ヒュー・ロフティング 訳/井伏鱒二(岩波書店)
 ドリトル先生に夢中だったリックですが、「なんかダメ。面白くない。読む気がしなくなった」となってしまいました。ドリトル先生月から帰る、アフリカ行き、航海記などはよかったのですが、秘密の湖で断念。だんだん面白くなくなってきたようです。これは私も同じで、子どもの頃に初めて読んだ航海記に胸躍らせ、そして何冊まで読んだかしら。何冊目かで読むのをやめてしまったはずです。

ズッコケ緊急入院!病院大事件
ズッコケ怪盗Xの再挑戦
ズッコケ三人組の未来報告
ズッコケ三人組ハワイに行く
ズッコケ三人組のバック・トゥ・ザ・フューチャー
 選者
作/那須正幹 原画/前川かずお 作画/高橋信也(岩波書店)
 

かいぞくポケット19 サアナごうをうて
かいぞくポケット15 ロボット人間ポン
 選者
作/寺村輝夫  絵/永井郁子(あかね書房)

西遊記 上・中・下 選者S
編訳/渡辺仙州 絵/佐竹美保(偕成社)
 八犬伝に続いて西遊記も借りてみました。しかし私より先にリックが読み進んでいます。上しか借りていなかったのですが、今日、リックが中・下と借りてきてくれました。リックは、石猿が不老不死の仙術を身につけることができるのかどうかが知りたくてたまりません。
 この本は夜寝る前に読んでもらうと決めたようで、自分で読み進むことはしません。しかし、私が読んでしまった部分をめくりめくり何度も読み返しているようです。私は登場人物の名を覚えられず、リックが話題にする西遊記の内容に頓珍漢なことばかり言って呆れられています。

オタマジャクシのうんどうかい 選者S
作/阿部夏丸 絵/村上康成(講談社)
 『ライギョのきゅうしょく』を書いた阿部夏丸さんの本なので借りてみました。『ライギョのきゅうしょく』も、『オタマジャクシのうんどうかい』も、どちらも学校に通うこども達にとって身近な問題を取り扱っています。『ライギョのきゅうしょく』で面白いと感じた私です。『オタマジャクシのうんどうかい』にも期待しました。
 言っていることはわかります。その通りでしょうと思います。しかし私の感覚としては、この本にNOと言いたい。答えがあるものは説教にしかなりません。説教されると、あまのじゃくの私は反発したくなります。「そう、それで? だから何?」と。
 著者の言いたいことを素直に受け取れる人、説教されて嬉しいと感じられる人にはいいでしょうが、そんな子どもがいたとしたら、逆に悲しいです。さて、我が家の子ども達は早々にこの本を読んでいるはずですが、誰もこの本を話題に出しません。
 何気なく話題を向けてみました。イブ曰く「何かが足りないの。ライギョのきゅうしょくもそうなんだけれどね」。リック曰く「面白かったよ」。