卯の花に兼房みゆる白毛かな 曽良
兼 房
■ 曾良の細道 ■
「おくのほそ道」平泉の章、高舘の段の締めくくりに名句「夏草や・・・」とならべて登載された曾良の句である。兼房とは、義経夫人の子の養育係を務めていた十郎権頭兼房のこと。
義経自刃後、夫人と二人の子供をを自害させた後、高舘に火をかける。さらに敵将長崎太郎を切り倒し、その弟次郎を小脇に抱えて炎に飛び込み壮絶な最期を遂げた、とされる。
その兼房が白髪の老人であったといわれるが、どうやら義経物語の悲劇性を高めるために生み出された架空の人物らしい。
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