千 住 |
● おくのほそ道 本文 |
弥生も末の七日、明ぼのゝ空朧々として、月は在明にて光おさまれる物から、不二の嶺幽にみえて、上野・谷中の花の梢、又いつかはと心ぼし。 |
● ぼくの細道 |
![]() 旅の計画、予定というものは、「帰る」べき生活の基盤、住居というものがあって成り立つもので、それを旅においてしまえば計画も予定もいらなくなってしまう。旅がらすあるいはホームレスと言ってもよかろう。家などというわずらわしいものを捨ててしまうと、なんと気楽なことか。奥の細道で、翁は笠島の道祖神に取り殺されたかったのではないか。(^○^) |
行く春や鳥なき魚の目は泪 旅立ちの一句を、翁は、こう詠んだ。なんと悲しい響きを持った句ではないか。葬送の歌、と言ってもいい。そんなに悲しい別れのときだったのか。そうでもない、これは文章上の修飾で、実はもうちょっと明るい別れだったと思う。 鮎の子の白魚送る別れかな 翁には、このとき詠んだと思われるこんな句もある。明るい、なんとなくユーモラスな句だと思わない? まあ、何であれ、別れは悲しいには違いない。それを「おくのほそ道」というこの旅の雰囲気作りのために、ことさらに描いたのだと思う。食えないジイサンだ。(^○^) |
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