童謡「青い眼の人形」について

金子義則さんのメール紹介・その2

1998.2.18

私が童謡「青い眼の人形」のモデルは何でしょう? と質問したところ、
とても熱心に調べてくれました。


「キューピーから発想を得た!」


 『別冊太陽 子どもの昭和史 童謡・唱歌・童画100』(平凡社 1993/7/21)という本に、
野口雨情自身による「青い眼の人形の歌詞について」という文章が載っており、
キユーピーから発想を得たということが書かれていることが分かりました。

 引用元は、『日本童謡全集 6』(日本蓄音器商会 昭和12年)とのことです。


 青い眼の人形を書いたのは大正の末であつて、その頃は國際愛の聲が教育者間にもさけばれ、
總てが国境なしの愛の教育でなければならぬと言はれたのであつた。
顧みれば新興の童謠もこの當時が一番盛んであつたのである。
家庭にも、學校にも、國際愛を歌つたものが歡迎されまた要求もされたのである。
 國際愛は結構なことであるが、その結構なことを歌つたよい童謠がなかつたから、
いろいろと考へた末、その頃日本の子供さん達にもよろこばれてゐたセルロイド製のキユーピーさんを見て、
キユーピーから思ひついたのは、この青い眼の人形である。
青い眼とか赤い毛とか異國の人形を歌つた童謠がなかつたので、
それを日本の子供さんと取り合せて書いたのがこの童謠である。
その内容は今ここで言ふまでもなく、感傷的のものではない。
全く途方にくれてゐる、異國の人形をやさしい日本の孃ちやん方によつて同情された
國際愛の童謠で尊い日本精神のあらはれと思へばよい。



 他に本居長世の「青い眼の人形の思ひ出」という文章も載っており、米国公
演の時のこと等が書かれています。
 


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