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NO.2 空について

人形アニメーションで必ず必要なもの。それは背景の空間です。
撮影の現場では、スタジオの壁面全体がホリゾントと呼ばれる背景(無限大の空間)となっています。
ホリゾントはスタジオによって様々ですが、一面の白だったり空色だったり、群青色だったりします。また撮影シーンによって塗りわけたりもします。
「海は友だち」の仕事では、はじめホリゾントを空色に塗り、嵐のシーンではグレーに塗り変え嵐の雲を直接描いたりしました。
個人の家ではまさか壁全体を塗るわけにもいかないので、ホリゾントの代わりにパネルを用意します。

ホリゾントの下からライトを当てきれいな空のグラデーションをつくって空気感を出したりしています。

パネルのサイズは、パネルをピントの合わない距離において、一番ロングサイズのフレームからはみださないサイズにします。特にパンする場合は大きめにして下さい。
空として使う場合はピントが合わないことが重要です。そう出ないとただの青い壁になってしまいます。
最近デジタルで撮影して、空を合成してしまう人も多いと思います。そのようなときはキャラクターや背景の中に使われていない色(例えば群青色)を一面に塗りそれを立てます。その場合はピントは気にしなくても良いのですが、パネルをキャラクターに近付け過ぎると色が反射して、影響が出るので、気をつけて下さい。

 

パネルの作り方
材料
  • 3mm〜6mm厚のベニヤ
  • 角材20mm×30mm(小割り)またはパネルが大きい場合は30mm×40mm(垂木)
  • 茶チリ
  • アミノール
  • 押さえ刷毛
  • ネオカラー
1:角材を組んでベニヤを打ち付けます。
2:パネルの大きさによって裏打ちの材木の量を変えます。
3:表面を茶チリで袋貼りしその上をベタ貼りします。(地面の作り方参照)
 ベニヤの上に直接色を塗ると表面がでこぼこになってしまいます。必ず茶チリを貼りましょう。
4:ネオカラーで空色をムラのないように塗ります。
5:パネルを垂直に立てます。
雲はホリゾントパネルに直接描き込むのではなく別の紙に描いて貼っても良いです。その場合は雲の影がパネルに出ないようにして下さい。
これで空ができました。次回は近くの丘です。


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