『深緋の剣』に関する雑感    

                          

平成18年11月24日


新選組三番組組長、斎藤一。
沖田総司、永倉新八と並ぶ、剣の遣い手。常に寡黙で、任させた仕事は確実にこなす。
実際、新選組の中でも、かなりダーティな部分の仕事を請け負っていたようです。いわゆる暗殺やスパイなど・・・と言うと、とてつもなく怖い人物にも思えますが(^^;
それだけ、近藤勇や土方歳三から信頼されていたと言うことでしょう。

斎藤一の詩を書いてみたいと、以前から思っていたにもかかわらず、なかなか手をつけられずにいました。
新選組の中心たる隊士たちは、局長近藤をはじめ、ほとんどが若くして亡くなっています。
戦いで命を落とした者、刑死、病死、切腹など・・・
そんな中で、からくも戦いをくぐり抜け、明治まで生き延びた斎藤一。
彼の長い人生の、いったいどこを自分は詩にしたいのだろう。
それがはっきりせず、先延ばしにしてしまっていました。

あちこちから紅葉の便りが聞こえるこの時期、なぜかふと、幕末の京の鮮やかな紅葉の中にひとり佇む斎藤一の姿が思い浮かびました。
京と言う、いにしえの都を染める紅葉、それも昼間の明るさの中ではなく、闇の中でも熱を持っているような、夜の紅葉の中に、この人を置いてみたい。
そんな勝手なイメージから、この詩ができました。

たぶん、まだまだ斎藤一と言う人を、私はわかっていないのでしょう。
どんな思いで、人から怖れられるほどの剣を振るっていたのか。
その目には、何が見えていたのか・・・
もしかしたら、もっと違う斎藤一像があるのかもしれない。
そう思いながらも、今自分に書けるのは、夜の紅葉の下で、その紅さに圧倒されつつも決してひるまない、そんな斎藤一の姿でした。
読んで頂けたなら、幸いですm(__)m


 ※斎藤一に関しては、以前アップした「いにしえ人」をもご参照下さい。


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