夢見月
ふっと見上げた宵の空
細い細い月の顔
淡い檸檬の色をして
ひっそりまぶたを閉じたよう
やさしいやさしい月の顔
だけど
あんまりはかなくて
ぽきっと折れてしまいそう
夜はまだまだ長いから
そぅっと両の手でささえ
寒くないよう暖めて
空の向こうの山の端に
送り届けてあげたいな
さざめく星の合間縫い
そのやわらかな光ごと
包んでいってあげたいな
きっと今夜見る夢は
月と夜空を渡る夢
細いやさしい夢見月