Half Moon

                 

あの月を
あなたとふたり
ねえ
砂漠で見てみたい


凍てつく空に
くっきりと


光と影が
半分ずつ


冷え切った頬も
かじかむ指先も
すくめた肩も


ひそやかにくるまれて
体温を分け合えば
怖くはないから


想いを飛ばして
異国の夜へ


そこは
ふたりきりのキャラバン


さらさらと
形を変える砂の模様


気配も見せない
幻のオアシス


終わりを知らない
風の巡礼


ふるえる私を
そっとあやしながら
                                

あなたは笑って
星を指差す


砂漠に迷う旅人に
星が唯一の
道しるべであるように


私には
あなたの微笑みだけが
こころに掲げられた灯り


天に届くほど
あなたの名をささやいたなら


きっと答えて
どんな時も


ふたりを見下ろす
Half Moon


光と影が向かい合って
強く強く抱き合って


決して離れないように


迷いも怖れも
もう私を縛れない


どうか
                                  
あなたの見えない影を
私に埋めさせて
                       

時のはざ間に落とした夢を
互いの手で拾い上げ


静かに
目を閉じたなら

            
まぶたに落ちる
Half Moon