迷 宮
その響き
なんてやわらかく耳に触れる
その面影
なんて甘やかに胸にすべりこむ
淡い陽射しの下
私に気付かず歩く
あなたの姿
追わずにはいられない
ゆるやかな風の気配
はしゃぐ足音
ふいに
微笑みがふりかえる
それは幸せな呪縛
ささやく
ささやく
子守り歌のやさしさで
ほほえむ
ほほえむ
絹のさやでくるむように
私は
囚われの身
あなたは
ひだまりの迷宮
時を呑み込んで