花火



夜の浜辺で
子供たちは
何度も 何度も
星を打ち上げる


うきうきと
はしゃぎながら


次々と
星のつまった筒を
手にとる


ひゅ〜っと あがって
ぱーんと はじけて


空へ向かう
色とりどりの星たち


だけど力つきて
あえなく落ちてくる


跡形もなく
消えてしまう


空の上には本物の星たち
少しすまして高みの見物


低く空を 渡る月は
ほら、もっと高くと
やんわり 励まし顔


空へ 空へ


放たれては燃えつきる
ひとときの星たち


それでも
子供たちの笑い声に
背中を押されて
                                           
思いきり
空へ飛び出して


きっと


とても しあわせな星たち