追加フロア補強

オープンボディのロードスターはイメージ的にはボディが弱いと思われがちである。

足を固めたユーザーの殆どがボディ補強を考えて色々なパーツを検討するのだ。

発砲ウレタンをサイドシルに注入したり(当店では行っていません)フロアに強靭なプレート

を取付けたりと簡単な物からボディ補強を考えたロールケージなどの大物までと

様々なスタイルがある。色々と沢山取付ければ良いのか?

そうでもないですね、必要以上の補強や1点強化的なボディ補強は

弱い所へのクラックの発生や前後のしなり方が変わり足廻りの大幅な変更

が必要とされます、あと重量増しとなるケースもあり、ライトウェイトなロードスター

の魅力が損なわれる可能性も・・・・

今回のケースはオーナーが軽量化の為に今まで取り付けていたスチール製6P

ロールケージ(鳥篭タイプ)を取り外してボディ補強も考えてある作りのアルミ製

ロールケージに変更したいというのである。

今までの物がボディ補強と言う事を余り考えていないデザインのケージの為に

新しいアルミ4P+サイドバー+ブレースバーだけでもかなりの変化があると思われるが

更なる拘りでフロア下面のロールケージの取り付けプレートを繋いでしまいたいと言う。

確かに室内のサイドバーとメインアーチ、それをフロアで更に繋げば理想的な

トラス形状、アルミのケージといえども最強と言える強度が保てる訳。

車のフロアって以外と柔らかい、鉄板自体は薄いのである。

其処にリブ加工などで最低限の強度を保っているのだ。

やはりサーキットなどを激しく走るとボディがヨレている事も体感できる。

いくら足を固めてもボディで逃げてしまう。特に大きいコーナーではハッキリと出る。

各ショップでもオリジナルサイドシル補強パーツとして色々とリリース。

しかしサイドシルに沿わせた取付けの為に大幅な補強とはならないのが現状。

一時的というか簡易な所が長所である。

しかし取付け方一つで大きく意味を持たせる事も可能である。

サイドシルにベタに着けるのではなく、少し浮かせるのだ。

取付け面から浮かせる事によりダブルデッキ構造(?)になる、格段に強度が上がる。

ただしキチンとした取付けとバー自体の強度が必要であるが。

それを今回は一度にやってしまおうと考えたのがコレ。

判り難いかも知れないけどロールケージの取付けプレートにオフセット加工した強靭な

サイドシル補強バーを溶接取付けするのである。

オフセットさせる意味は強度と、フロアのリブ加工を潰したくない為である。

フロアのデコボコを潰してしまえばバーの取付け自体はかなり簡単に出来る。

が、補強目的ならばやはりリブを潰してしまっては意味がなくなる。

このようにプレートとは多少オフセットしてしまうが、取り付けボルトの位置で仕方ない。

しかも裏面も溶接出きるので取付け強度は上がっていると思う。偶然の産物である。

このような形となった。

前後に位置合わせしたプレートを借り留め後に本格溶接。最後にシルバージンクスプレー

で錆び防止、車に取付け時は更にコーキングにて錆びを抑えるのだ。

当然後に取り外す事も出きるようにボディ側への溶接は行わない。

取付けはまったく普通にロールバーを取付けるのと同じなのである。

なんだかスゴーク判り難い画像であるが、前後のプレートを本締め、コーキング後である。

当然オフセットしてあるのでフロアとの干渉も無い、ジャッキポイントよりも1センチくらい

下がるが問題は起こらないはず。更にフロアに穴を開けてセンター部にボルトで数カ所

固定するとかなり強度が上がると思われる。

今回はフロア加工無しで行ったので留めていないが必要であればすぐに追加加工出きる。

結果はかなりの補強効果が得ることに成功。

ハッキリいって滅茶苦茶良いです、4つの足が綺麗に動き、路面のうねりを確実に捕らえています。

サーキット等での限界走行時にはかなりの効果があると感じます。

誰もが手軽に出来る補強ではないですが、一寸した事でパーツの本来の性能以上を引き出す

事ができるのです。今取付けてあるパーツをもう一度見直してみると何か発見できるかもですね。