SFの殿堂

遥かなる地平(2)

表紙

ロバート・シルヴァーバーグ 編/酒井昭伸 他 訳
カバーイラスト 加藤直之
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワSF文庫
ISBN4-15-011326-2 \880(税別)

 さて第二弾です。個人的にはこちらのほうが僕好みかな。読み応えのある、ずっしりした作品が揃ったように感じられます。それでは前作同様、そのラインナップを。

 シリーズ名からは想像できないかもしれないけれど、「銀河の中心」シリーズってのは、例の、序盤は現代からさほど遠くない未来の地球人、ナイジェル・ウォームズリィを主人公に、中盤以降は遥かな未来、機械生命体と絶望的な戦いを繰り広げる人類の戦いを描いたシリーズ。「道」のシリーズは、ベアの大作、「永劫」、「久遠」の2作をふくむもの。残りの3つは皆さん良くご存じでしょう。わたしゃ「ハイペリオン」は読んじゃいません(だって文庫にならないんだもんなァ)

 ある意味注目は、無敵のハーレクインSF(笑)、「歌う船」の新作か。シリーズスタート時のヒロイン、ヘルヴァの久々の登場、しかも共著者なしでマキャフリィが一人で書いた「歌う船」のシリーズは実に二十数年ぶりなんだとか。なんかこう、ジッポとかがときどき出してくる記念復刻モデルの趣きがありますな(^^;)。

 他の作品も読み応え充分なれど、どうもこちらの想像力が錆つきはじめたのか、ベアの作品などのバックに控えるSF的アイディアの驚異みたいな物がこちらにうまく伝わらず、時折読むのが退屈に感じられたことも確かで、うーむ。年寄りが推理小説を好む理由が最近判ってきたような気がするぞ。年取ると頭のなかで、今読んだ文章を絵に置き換える力が衰えるのかもしれない。んだから読んでいけば最後には謎が解ける推理モノが安心できるってことなのかも。ってあれ、本の感想と全然関係ないやん。

00/10/16

前の本  (Prev)   今月分のメニューへ (Back)   次の本  (Next)   どくしょ日記メニューへ (Jump)   トップに戻る (Top)