「彗星パニック」

SFバカ本

表紙

岬兄悟/大原まり子 編
カバーCG 岬兄悟
廣済堂文庫
ISBN4-331-60799-2 \600(税別)

 「なんとか編」とかいうのは消えるわ、いままでのショッキング系のどぎつい色合いから一転、ふつー系のCGカバー(しかも編者の岬さんが造ってるって、おい)になっちゃって、少なくとも書店におけるキャッチーな要素って点に限っては大幅パワーダウンの「SFバカ本」なんですが、これが実にオレ的には今までのSFバカ本史上でもかなり上位に位置する一冊ではないかと思えたりするからアラ不思議(^^;)

 「バカ」ちう要素は実は今までのシリーズよりも控えめで、んでこの辺がオレ的に気に入った理由なんでしょう。オレ、「バカ」は好きだけど、あくまで計算された「バカ」が好きなんだな、お話に限っては。そこに関西CFもかくやという感じの、シロウトの突発的な笑いみたいなテイストを持ち込まれると、ちょっとお金損した気分になっちゃうのね。そういう意味で今回のこの本、適度に抑制の効いた、プロによって演出された「バカ」が楽しめるのが大変ポイント高いんですわ。

 もちろんあいかわらず「うーそういうのはちょっと」ってのもあって、それは岬兄悟さんの作品だったり久美沙織さんの作品だったりするんですが(ファンの人すいませんね)、中盤を固める東野司さん、いとうせいこうさん、梶尾真治さんの三作品がまことにもってオレ好みなんで、今回はかなりコスト・パフォーマンス高く感じちゃいました。

 後先考えずにいきおいとパワーとなりゆきで押し切るバカもいいですけど、作者が巧妙に仕掛けたバカに酔う方がオレは好きなんですね、きっと。これもトシのせいなのかしらね(^^;)

00/1/24

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