論文作成や学会発表に必要なもの

特定の分野に特化した研究のための解説ではなく,共通の部分,つまり,最終のアウトプット付近の部分と考えていただきたい。もちろん,Macを使用した手順であることは言うまでもない。

マシン本体

2019年2月2日

既に研究遂行のために重たいデータを解析した時,そのマシンをそのまま論文作成や学会発表準備に使える場合,何の問題もない。十分なメモリ,広い画面がすでにあると思われるから。論文や学会プレゼンテーション資料作成自体にはパワーは必要ない。現代のマシンの力からすれば,使い切るような場面はないと思われる。

しかし,論文作成時にはワープロソフト学会資料作成時にはプレゼンテーションソフト,論文管理ソフト,過去論文を読むためのAcrobatかプレビュー,メーラー,ブラウザはほぼ同時に開いているだろう。もしかしたら作図関連のソフトや表計算ソフトもみながらの時もあるだろう。自分が過去の作成したものを再利用する時はそれも開いておくだろう。このように多数のソフトを同時に起動し,それらを切替ながら作業を進めていくことが多い。十分なメモリとマルチウィンドウに耐えられる広い画面が望ましい。

十分なメモリという点では実はコンピュータの記憶装置がフラッシュメモリないしフュージョンドライブなのかハードディスクなのかで変わってくる。メインメモリが少なくなると本体の記憶装置を仮想メモリとして自動的に使用するが,フラッシュメモリの読み書きスピードであればこのような作業においては深刻な遅延とは感じられないだろう(高度な計算を必要とする作業の場合は深刻な遅延となると思われる)。フラッシュメモリとハードディスクのスピードは圧倒的に違う。つまり,フラッシュメモリを使用している場合は,メインメモリは標準のままでもほとんど問題ないと思われる。しかし,ハードディスクの場合は,絶対に仮想メモリを使用させない(スワップさせない)というつもりでメインメモリを積んでおいて方がよい。多数のサービスがバックグラウンドで作働し,メモリの使用が激しい現代OSにおいては8Gでは仮想メモリの使用が始まってしまう可能性がある。16Gくらいは欲しい。

マルチウィンドウに耐えられる広い画面,という点でiPadなどのiOS機器は厳しい。マルチウィンドウが前提となっていないのでマウスがない以上に作業は困難であろう。Macであっても13インチレベルだと快適な作業は難しいかもしれない。一押しはiMacまたはそのレベルとモニタを備える環境,ノートの場合はMacbook Pro15インチが作業はよいように思う。重いし価格上がるが。

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データ収集

2019年2月2日

横断的な研究などで1検体項目ごとに1個しかデータが存在しない場合,つまりデータに繰り返しがない場合,下記の項目のMicrosoft Excelのような表計算ソフトで直接データを収集・編集してもよい。しかし,縦断的な研究のように一人に対して一個しかないデータと何度も繰り返しがあるデータが入り混じっている場合,表計算ソフトでは管理が面倒だし,間違いも多くなる。このような場合,往々にしてデータを入力する人も何人かいたりするので,さらに間違いが起きやすい。データベースソフトは,多少敷居が高く感じられると思うし,実際表計算のように何もないところからでもさっとデータを入力できるということはないが,検討の余地があるだろう。

Macでデータベースの専門家ではなくとも使えるソフトと言えば,ファイルメーカーしかない。古いWinユーザの中には,ファイルメーカーはおもちゃ,と思っている人もいる。確かに昔のバージョン2や3のころのようにリレーションも何もなかったころはそう言われても仕方がない面もあった。しかし,現代のファイルメーカーは完全なデータベースソフトであるし,iPad・iPhoneとの連携においては開発環境というデータベースソフトの枠を越えた発展もありうる。レイアウトのしやすさは昔からのMacのソフトならではだ。

2018年5月でFileMaker ProはFileMaker Pro Advancedに一本化されている。この一択となった。

ファイルメーカーの使い方

データベースの構造を考える

ここが最も重要で,最も難しいところだ。ここをいい加減にやっていると,後になって修正が困難になることがある。何をどれと同一のテーブルに配置するか,どのようなリレーションを構築するか,しっかり考えておきたい。まあ,私もきちんと勉強したことはないのでちゃんと作れているとは思えない。試行錯誤であるし,しょっちゅう途中で大きく作り直す。中心となるテーブルは何かを考えて,それに入れるフィールドを考える。フィールド自体を繰り返しフィールドとして設定もできるところは異なるが,ファイルメーカーにおいて一つのテーブルが一つのExcelの表に相当し,フィールドは列にあたる。Excelの表で先頭行がフィールド名を並べたもので,それ以下の行がファイルメーカーで言えば一つ一つのレコードになる。そこを練り込んでからリレーションを考える。リレーションとはあるテーブルと別のテーブルをそれぞれのフィールドから条件を指定して関連付ける仕組みだ。Excelの表のある行をクリックすると別の表に飛ぶ,飛ぶ時にクリックした行のある値と関連のある,例えばその別の表のあるセルが同じ値であるなど,レコードのみを選択して表示する,と考えるとよい。今アクティブな(表示している)テーブルから別のテーブルのどのようなレコードがみえるのかイメージしながらリレーションを作る必要がある。

フィールド名を用意する

多数の項目をファイルメーカーで一個一個入力していくのは非常に手間だ。少なくともある程度のところまではExcelなどで入力しておきたい。ファイルメーカーはxlsでもxlsxでも直接開いて新規のデータベースファイルを使ることもできるし,既存のデータベースファイルに新しいテーブルとして読み込むこともできる。この時に最初の行をフィールド名として読み込むよう設定すればよい。

リレーションを構築する

例えば,一人一人にIDを割り当てて登録した後ある間隔で検査を繰り返すとする。その人の生年月日や性別など人毎に一個しかない値がいくつかある。そして繰り返し行う検査のデータはその人のデータとして積み重なっていく。人のデータを入れて管理するテーブルと検査のテーブルを分けておき,検査のテーブルにもIDのフィールドを定義しておく。IDのフィールドで両テーブルを関連付ければ,個人のデータの上にその人の検査データが積み重なっていくイメージとなる。このような単純なデータベースの構築から徐々に複雑なものを作ることができるようになるだろう。リレーションがイメージ通りに張られているかはポータルをレイアウト内に配置して確認するとよい。

レイアウトを整理する

実際に入力を行う場面をイメージして入力しやすい画面作りを行う。通常の入力順を考えてタブの設定を行うとよい。

データの成形

まず解析にかける前に,データの計算,整理,成形が必要である。この分野はやはりMicrosoft Excelの代わりになるものはなかなかない。このソフトは他のOffice製品に比べても抜きんでて良くできている。WordやPowerPointはこの世から消えても悲しくはない。実際みんなのコンピュータから一斉に消えてくれる分にはあまり困らない。私のコンピュータだけから消えてしまうのは大変困るのだ。結構そのような人は多いのではなかろうか。Macユーザにとって,これだけは,というMicrosoft製品はExcelである。これはこの世から無くなってしまっては困る。見せるための美しい表を作るのあればiWorkのNumbersの方が良いかもしれないが,本当の意味での表計算の力はExcelの右にでるものはない。これだけは代わりがきかない。VBAがOffice 2011 for Macからで復活した。自分がちょこちょこと書く範囲では,Macで書いたプログラムも問題なくWinでも動作する。

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統計解析

2019年2月2日

統計解析ソフトは非常に高価なものばかりである。では,今から Macを購入する人は,高額な解析ソフトを一台一台購入しなければならないのであろうか。例えばSPSSの場合,最低限必要なSPSS Statistics Baseも高価だが,これだけでは一般線型モデルなどの解析はできない。オプション購入しようとするとさらに値段は上がる。いくつかのオプションが必要となるとさらに目が回る。

それでは,研究室で稼働しているWindowsマシンを借りて解析するしかないのだろうか。それでは,自分で思いついた時,好きな時にはできないかもしれない。研究室で相当に活用されているマシンの場合,待ちも生じるかもしれない。

その研究室が古くからSPSSを使用している場合,使われていない古いバージョンが存在しないだろうか。例えば,バージョン12だとVistaにはインストールできない。Xpまででないとインストールできない。11だとXpにもインストールできない。そのくらいの古いバージョンの場合,新しいマシンにはインストールできないのでそのまま使われずに残っていないだろうか。

今のところそのような古いSPSSを「Macで」使う方法としては,大きく2つの方法がある。なお,使用に際しては,ソフトウェアの管理者に相談し,ライセンスに関する相談を十分に行ってからして欲しい。さらに,全くメーカーが想定していない方法であるので,自分で情報を収集しながら行うものであることを理解していただきたい。

仮想環境で使う

一つは仮想環境(Parallels Desktop,VMware Fusionなど)にWindowsのOSを入れて使う方法である。OSを入手する必要があるが,MacがIntelマシンとなって以来,仮想化したWindowsが機敏に動くようになった。私は,パラレルズを愛用している。この方法は最も動作させることのできる可能性が高い。仮想環境へのインストールを意図的に禁じている,特殊なハードウェアの操作を行う,以外のソフトはほぼ動作する。

この方法は,ハードウェアの買い換えに非常に強い。例えば,SPSSの比較的古いバージョンをがんばって使っていたとしよう。突然そのコンピュータが故障し,買い換えなければならなくなったらどうなるか。対応OSのコンピュータが入手できない場合は,コンピュータの買い換えの上に高額なバージョンアップ料金を払わなければならない。機能的には現行バージョンで満足していても。新しいOSに対応させるためにバージョンアップしなければならない。なので私としては,最新のバージョンを所有している場合でも,無料バージョンアップ期間が過ぎている場合は,保険の意味で仮想環境を構築しておくことをお勧めしたい。Parallels Desktopが動く環境さえあれば長く使い続けることができる。

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文献管理

2019年2月2日

文献管理のソフトとしてはEndNoteが有名である。オンラインの論文データベースにアクセスし,検索した結果を取り込んでくれる。入手できるものであれば論文そのもの(PDF)も取り込んで管理できる。EndNoteは進化し,投稿するジャーナルのreferenceのフォーマットに合わせて出力できる。これがEndNote側で管理されるので別のファイルを操作しても別のワープロソフトとなっても同じジャーナルは規定通りに出力される。EndNoteとの連携はMicrosoft WordでもPagesでも可能だ。

古いバージョンは,自作もできるのではないか,というようなレベルであったが,ここまでくると他ではなかなか替わりがきかないものになってしまった。デザインも昔はかなり野暮ったかったが,徐々に洗練されてきた。

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作図

2019年2月2日

作図としては,画像を加工する,グラフを作る,説明的なフローチャートを作る,それらを配置したり矢印を付けたりして加工,という作業に分けられるだろう。

画像の加工,配置や加工の作業に関しては,機能に不足がないように,という考え方でかつてはAdobe PhotoShopとIllustratorを購入,ということだった。しかし,現在単体での購入はかなり高額な上にほとんどAdobeソフトの全てのセットに迫る金額である。だったらその全てのセット,となるとさらに高額な上に他のほとんどの機能はこの用途には必要がない。なので以下はAdobe以外のものを考える。

画像の加工

ビットマップ画像を加工するソフト,いわゆるペイント系のソフトを紹介する。AdobeでいえばPhotoshopである。ビットマップ画像は点の集まりで画像を表現するものなので基本はシンプルである。そこには解像度の概念が存在し,最終的にどのような形で出力されるのか,必要な解像度はどれくらいなのかがある程度想像できた方がよい。元の解像度が足りないとどう加工しても粗い画像になってしまうし,無駄に解像度が高いとファイルサイズがかなり大きくなってしまうことがある。扱いは簡単なだけにこの点だけは気をつけたい。

用途に合わせた汎用フォーマットが多数あり,ほとんどのソフトがそれに対応している。互換性も悩むことはほとんどなく,MacもWinも自由に行き来しても通常全く問題ない。入出力形式で選択に迷うことはほとんどない。

とにかくお金をかけない,ということであれば無料の有名ソフトGIMPがある。機能は必要なものはほとんど網羅されている。しかし,インターフェースは癖がある。特に日本語の画面は相当に不格好だ。個人的にはそれだけでも使うのを止めたくなるくらいだ。

私は言語を英語にしている。特定のアプリケーションだけ言語を変更するには,ターミナルアプリケーションを使う。ターミナルを立ち上げてアプリケーション設定のディレクトリに移動する。そこで「defaults write (アプリケーションの識別子) AppleLanguages '("en-US")'」として実行する。通常識別子はアプリケーション設定ファイルから拡張子を除いたものだ。例えば2019年2月2日現在GIMPの設定ファイルは「~/Library/Preferences」にある。「defaults write org.gimp.gimp-2.10: AppleLanguages '("en-US")'」という感じになる。デフォルトに戻すには「defaults write (アプリケーションの識別子) AppleLanguages」を実行する。これを読んで意味が分からない場合はそもそもやってはいけないだろう。

もう少しMacらしい普通のインターフェースで,もう少し楽しいこともしたい場合はPixelmator Proという選択肢もある。

グラフを作る

データの分布をみるのみ,の用途であれば,自作のソフトであるが,ScatterMakerがある。データの分布の確認は思わぬ解釈の誤りも防いでくれる。

私は使い勝手も仕上がりも気に入らないのでほとんど使っていないが,Microsoft Excelのグラフで満足ができるのであれば追加投資が必要ないのでよいだろう。

論文用途と学会用と使い回す必要がない場合,また一つの表から一つずつグラフを作る,というやり方で問題ない場合は,PagesやKeynoteに内蔵のグラフ作成機能を使う方法もある。こちらは使い勝手,仕上がりとも悪くないので,使い回しや表をいくつも作ってしまう面倒が問題なければ十分に選択枝に入る。

散布図以外も作る必要がある場合,いろんな使い回しが想定される場合,一つの表からいくつもグラフを作る必要がある場合は,汎用のグラフ作成ソフトが必要となることがある。値段は安価なものから高価なものまで存在するが,私は昔からDeltaGraphを愛用している。古いMacのソフトらしいインターフェースも残っているが,徐々にインターフェースも現代的になっている。

フローチャートを作る

Microsoft PowerPointでも作成は可能だが,使い勝手,仕上がりとも気に入らないので,私はOmniGraffleを使っている。操作が直感的で,自由度も高い。

パーツの配置,最終仕上げ

矢印を入れたり,文字を入れたりの図の総仕上げである。上のビットマップ画像もグラフもフローチャートもそれだけではなく,何かを加えて完成になることがほとんどだ。

このような作業にはベクターグラフィックソフトいわゆるドロー系のソフトを使いたい。ベクター画像とは要するに数学的に定義された画像である。数学的に定義された画像なので基本的には解像度の概念がない。曲線など拡大しても滑らかだ。プレゼンテーション用,論文用と使う図に関しては元は解像度に無関係な形にしておきたい。

解像度に依存しない滑らかな出力が得られるのだが,数学的に定義されている画像であるだけに互換性は非常に低い。そこがビットマップ画像とは真逆である。MacもWinも意識せず行き来できるフォーマットで編集可能なのはIllustrator形式くらいしかないかもしれない。

無料であればInkscapeというものがある。お金をかけたくないのであればこれがよいかも。

いろいろなソフトを行き来することが難しいのでできるだけ一つのソフトで済ませたい。いくつもの図,複数のバージョンの図を一つのファイルにまとめて管理する便利さを考えるとそのようなページの概念がある方がよい。そういう意味で私は先のOmniGraffleを愛用している。元々はフローチャートを作成するのが特徴のソフトであったが,順調にドロー系ソフトとしての進化を遂げ,研究発表様とであれば十分に使用できるツールに仕上がっている。

一つだけ日本語における問題がある。日本語の縦書きに対応できるものが非常に少ない。論文は縦書きは必要ないが,まれに図では縦書きで入れたいことがあるかもしれない。日本語の縦書きに対応したドロー系ソフトは非常に少ない。IllustratorやInDesignなどの高額なAdobeのものかドロー系ソフトとしては極めて使い勝手が不良なMicrosoft PowerPointしかポピュラーなものがない。しかし,最近試した所では一度Mac版が消滅したがその後復活したCanvas Draw for Macは最近確認したところでは日本語の縦書きが可能であった。

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プレゼンテーション作成

2019年2月2日

昔々,20世紀末期はAldus Persuationを使っていた。おそらく同じ頃からプレゼンテーションソフトを使っていた人はかなりこれを愛用していたと思う。しかし,Macにも遅れてMicrosoft PowerPointが上陸。特に使いやすくはなかったが,登場のころは事実上の無料であったため,Persuationは開発中止に追い込まれた。PowerPointに比べると遙かにきちんとしたMacのドロー系(Vector Graphic系)ソフトであったのに残念であった。その後「無料」の時代も終わってしまったが,PowerPointの独占状態は続いた。一時存在したCanvasのMac版もプレゼンテーション機能があり,マイナーで不安定で,Mac版は消滅(Canvas Draw for Mac自体は復活している)。20世紀末暗黒の時代を迎えるのであった。

21世紀初めKeynote登場。順調に進化を遂げ,少なくともPowerPoint独占の暗黒は終わった。日本語の扱いには未だに問題が生じる時があるが,それでもPowerPointでプレゼンテーションを作りたいとは思わない。「PowerPointしか受け付けない」という時代遅れの馬鹿げた学会も私は作るのはKeynoteで最後に変換し,レイアウトの修正をして使っている。Keynoteの方が圧倒的に直感的であり,仕上がりもよい。

凝ったトランジッションは多用しないようにしている。あくまで発表内容自体が印象に残らなければならない。トランジッションがもっとも目立っているようだと,逆に内容が頭に入らないかもしれない。まじめに聴いてくれるかどうかわからない相手にプレゼンテーションをするのには,そこだけでも印象に残らせる,というのもありかもしれないが。基本的には凝ったトランジッションは避けるべきである。「トランジッションが豊富」は全く意味がないと思う。

強調したいKeynoteの良さは,その使い心地である。全体にシンプルで非常に使いやすい。PowerPointにいらいらしている人は是非使って欲しい。ソフトの操作ではなく,本当に「プレゼンテーションを作ること」に集中できると感じる。ソフトの操作に夢中になっていてはまともなプレゼンテーションは作れない。作ることそのものに集中できなければならない。

作ることに集中するという意味では私は一からプレゼンテーションソフトで作ることはしない。プレゼンテーションソフトで作り始めるとレイアウトが眼に入って内容への集中が妨げられる。まずはレイアウトが全く眼に入らないアウトラインプロセッサで作成を始める。

オムニアウトライナーOmniOutlinerを愛用している。アウトラインプロセッサーなので,テキストを打ち込んでいくのも楽だし,全体を見ながら構成を考えていくのにも適している。ある程度書いてからKeynoteに書き出して,画像を入れ,テキストを修正する。これを使うと本当に早くスライドができる。テキストが多いスライドや講義などのプレゼンテーション作成の場合特に,驚くスピードで完成できる。初期のOmniOutlinerに実装されていたKeynote書き出しは作成されるKeynote書類のバージョンが古く,iWork '09のKeynote(Keynote 5)で保存し直すことが必要,という大きな問題を抱えていた。この問題は解決どころか,OmniOutliner4でKeynote書き出し機能自体が消えてしまう,という最悪の結末を一旦迎えた。しかし,その後PowerPointファイルへの書き出しをサポートするようになった。よく考えてみれば,開発者側からみれば最もコストパフォーマンスがよい方法である。本当は両フォーマットをサポートして欲しいが無理ならばこれで我慢するしかない。書き出したファイルを,Keynoteアプリケーションを起動させてそこから聞く,そして後でpptxファイルを捨てる。この手間をかければよい。それだけの価値は十分にある。

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論文を書く

2019年2月2日

例えばTeXを使う,とかグループで特殊なワークフローを特っている,などの必要があれば自ずと道具は決まってくる。特別な条件がなければ,Microsoft WordかPages以外には考え難い。Winユーザと順番に回覧しながら修整とマーカー,という環境の場合はMicrosoft Wordしかない。

ひたすら自分の頭の中にあるものを書いていく,というタイプの書き方をする人は余計なボタンやガイドのない,レイアウトを気にしながら書かなくてもよいテキストエディタを使ってまず書いていく,という人もいるだろう。まずは書き込むよりもアウトラインを,というタイプの場合はOmniOutlinerのようなアウトラインプロセッサーもいう選択肢もあるだろう。WordやPagesのアウトラインモードを使う方法はあるが,本当にアウトラインだけをさらさら書いて編集するには専門のソフトの方が快適かもしれない。

複雑な数式の入力にはMathTypeが必要である。MathTypeはWord,Pagesはもちろん,PowerPoint,Keynoteにも対応している。

文献管理のところで述べたようにWord,PagesはEndNoteにも対応している。

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提出

2019年2月2日

提出,配布の際は,編集可能性は必要ない。正確性,特に図の場合はレイアウトの再現性が非常に重要だ。どのような環境でも全く同じように,はAdobe Acrobatしかない。これだけはAdobeから離れるのは困難だろう。より安価なソフトはあるし,そもそもMacの場合標準でPDFが出力可能だが,Winまで含めた互換性を考えるとこれしかない。トラブルが起こるリスクを考えると導入するしかないように思われる。

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