僕の心で育つ蝶をご覧になってください。
蝶の舞いで貴方が少しでも癒されるのなら
僕の蝶をいくらでも踊らせますから......。


  春蝶

 桜の花びら
 空からの落とし物
 薄桃色の蝶の羽
 まだ風は冷たくて
 蝶は空へ羽ばたいていった
 足元にも桜の花びら
 蝶になる瞬間を
 じっとじっと待っている
  夜蝶

 暗闇の中
 星屑のかけら
 白く仄かに輝いて
 蝶を優しく包み込む
 何処が空か分からないほどの暗闇の中
 光る蝶だけが
 静寂を破っている

  風蝶

 人差し指を
 ふっと一息すると
 指の先から蝶が生まれた
 透明な羽震わせて
 蝶は風と共に消えた
 その風が心地好くて
 もう一度指をふいてみる

  雪蝶

 雪の結晶溶けるまで
 雪の妖精消えるまで
 純白の蝶は舞い続ける
 もうすぐ冬も終わりそうで
 氷の羽を探しに行く
 空が雪を落とし尽くしたら
 白い蝶はもう飛ばない

  太陽蝶

 空を見上げると
 目も開けられないくらいの眩しさで
 何がそこに存在するのか
 それすらも解からなかった
 輝く空気の中で
 黒い羽を持つ蝶が
 踊り狂っていた


  異蝶

 黄色い蝶の中にただ一つ
 違う色があった
 混ざりあう事も無く
 ただ自分の飛び方で
 種類のみではない
 心までもが他のと違う
 それが今の自分である


  妖蝶

 模様が異様な煙をたててる
 羽を震わすたびに奇音が鳴る
 でも姿が美しく
 何人もの人が騙された
 何かの生まれ変わりなのか
 それとも...呪いがかかっているのか
 どちらにしても普通の蝶ではない

  花蝶

 薔薇の花びらのようだった
 地面に蝶の羽が散らばっていた
 ちぎれた羽の端っこは
 薄い紅に染まっていた
 両腕をもがれた蝶は
 今何処にいるんだろう
 薔薇の花びらは風に吹かれ
 そのまま蝶となって飛んでいった


  夜蝶再来

 暗闇の中
  静かな夜に
 星屑のかけら
  空を彩る聖なる光
 白く仄かに輝いて
  そっと触れたら暖かくて
 蝶を優しく包み込む
  蝶は羽をふるわせた
 何処が空か分からないほどの暗闇の中
  あの星だけが頼りなのに
 光る蝶だけが
  そう...輝く蝶だけ
 静寂を破っている
  夜の闇を舞っていた...



Back to POEM