電話が来

 カバンの中に入れていた
 僕の電話に着信あり
 着信履歴を開くと
 懐かしいあいつの名前があった
 随分連絡来なかった
 もう忘れられてると思ってた
 でもその夜も
 電話はかかってきた

 あいつの声が電話を震わせ
 僕は思わず電話を放した
 それでも聞こえてくるあいつの声に
 懐かしさを覚えてしまった
 どれくらい連絡しなかったっけ
 出逢いたての頃は毎日連絡してた
 もういいのかな 忘れちゃっていいのかな
 あいつから届くメールが
 バックライトに浮き出る

 電話が来п@でもとりたくない
 あいつの声聞くと
 また馬鹿みたいに泣いちゃいそうで
 今日は留守電ボタンを押した
 留守電の言葉に応答するあいつの姿が××
 電話が来п@でもとらなかった
 もうこれから
 あいつの声は聞かないだろう......




  最後の日曜日

 昨日まで晴れていたのに
 昨日まで空は青だったのに
 今日は雲が空を包んでる
 雨が降ってるから
 風が吹いてるから
 今日は会えない
 5月最後の日曜日…

 昨日まで笑っていられたのに
 昨日まで寂しくなんかなかったのに
 今日はもう我慢できない
 雨が降ったって
 風が吹いたって
 君に会いたい
 5月最後の日曜日…

 君に会いたくてたまらない
 今日で日曜日はもう来ない




  天使

 太陽の光がだんだん強くなってきた
 青い空に日陰がほしくて
 僕は細い眼で空を見上げた
 雲は浮かんでいなかったが
 白い羽根が落ちてきた

 羽根は白く輝いていたが
 手を触れようとしたら風に消えた
 嗅ぎなれた髪の匂いが
 僕のすぐ目の前を舞う
 なかなか思い出せなくて
 少し苛立ちはじめた僕に
 急に現れたアナタが声をかける
 その髪からはさっきの匂いがしていた

 もし天使がいるとしたら
 その天使がアナタでありますように…
 僕は空を見上げそう願った




  最後の角

 電信柱を越えて
 そこの角を曲がれば貴方の家
 "送るよ"とは言ったものの
 本当はずっと一緒にいたかった
 最後の一歩がイヤだから
 僕は夜の道で貴方といた

 バイクの音と冷たい風で
 貴方の服が微妙に揺れる
 僕らの声しか周りにはなくて
 僕らはずっとずっと一緒にいた
 "まだ帰ってほしくない"なんて台詞が
 今になるとものすごく恥ずかしい

 最後の角が曲がれない...
 こんな僕は弱虫かい
 最後の一歩を躊躇っている
 こんな僕を好きでいてくれるかい
 夜の風が10時を告げた
 貴方の最後の微笑みが
 ものすごくきれいに見えた

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