AZURE TEARS
誰もいなくなった教室で
ため息をついてからベランダに出る
ちぎれた雲が
空の流れに乗れずに
周りの雲に取り残されて
僕の前に止まった
その淋しさに自分を重ねて
僕は涙を落とした
涙に映る空の色は
澄んでいて切なく感じる
僕はベランダに座りこんで
ずっと空を…雲を眺めていた
涙は止むことなく
手すりに降り注いだ
…そして
太陽は僕を見ていた
降涙確率
朝食の時は必ず天気予報を見る
それが毎日の僕の習慣
自分の市に傘印があるかを確かめる
今日は雨...
降水確率なんてあてにしてない
でも今日の空はたくさん水を含んでいそうだ
傘を持って出かけましょう...
天気予報のおじさんの声を聞いてから
僕はテレビを消した
君に愚痴るのが嫌で
ずっとずっと心にためてる
もう心には入りきれないのに
僕は何にも話さなかった
すごく泣きたくなって
君に一言だけ伝えた
疲れた...
天気予報のおじさんが
誰も見ていないテレビに映る
原稿をただ棒読みしているだけで
表情さえも変えないで…
今日の降涙確率は100%です
傘を持って出かけましょう......
指涙
僕の右手の人差し指には
たくさんの線が描いてあった
いつも刃物の切れ味を確かめるために
右手の人差し指に刃物をあてる
知らぬ間にこんなに切ってたんだ
自分のせいとはいえ
なんかすごく哀しくなった
なんで切れ味を確かめたんだっけ
この手首を切れるかどうか確かめたんだっけ
結局その剃刀は表面だけを擦って床に落ちた
生きるのが怖くて
でも死ぬのももっと怖くて...
切れてるのに血が出てこない指を見つめて
僕は涙を流した
僕の指にはこれからも
ずっと線が刻まれていくだろう
その線の数だけ僕は悩み苦しんで強くなれる
自分の行いを肯定させてるだけだけど
でもこの線を見るたび生きなきゃって気になる
指に落ちた涙は傷に流れちょっとしみた
Last Tears
"今"を終えたら
もう涙をしまうことにする
どうせ涙なんて流したって
たいしたこと変わらないし
それより何より君が心配するから
"今"流してる涙を
最後の涙にするよ
哀しいことで涙を流すより
嬉しいことで感動していたかった
でも涙は口惜しいときに流れてる
最後の涙は嬉しいことでありたかった
でも哀しみの涙が出る
止めようとしても止めようとしても
一度壊れた堤防は
もう役目を果たしてはくれなかった
言葉ひとつひとつが涙を誘い
僕は最後の涙を流した
"今"流してる涙を
知られたくなかったのに
結局知られてしまった
無理して笑っている口に
涙が零れ落ちて
少ししょっぱい味がした
凍涙
まだ冬になっていません
天気予報も晴れと言っていました
それなのに空から
雪が落ちてきました
誰の落とし物でしょうか
でも空は雲に身を隠し
何も教えてはくれませんでした
もう寒くなってしまうのでしょうか
吐く息も白で
ついさっき話した言葉は
凍って転がっていました
貴方が零した涙も
氷になって落ちるのでしょうか
雪は哀しみさえも白く包み
何も残さず消し去ります
喜びは...何処に溶けたのですか
幸せは...何処に浮かんでいるのですか
天気予報士はこう話していました
明日は涙が降ります...
冷たく凍った涙です......