XRAY T2’007を斬る?!

あとがき
約1年「XRAY T2’007を斬る?!」と題して、XRAY T2’007に関する情報をお届けしてきました。
常々、ご覧頂きました皆様、誠に有難う御座います。
ユーザーの方々に多少なりとも参考になる情報があったとするならば幸いです。

一応記しておきますが、基本的に現在、私はワークスでもサポートドライバーでもありません。
プライベートしてこのマシンを使用してきました。
ユーザーの皆様と同じ立場で、このマシンについて、いろいろと研究してきたつもりです。

良い車・よく走る車とアピールした手前、出場した全日本で一応の結果が残せて良かったです。
私自身は不満の残る結果ですが、自己管理不足ということで、マシン的にはもっと上にいけたでしょう。

早くもXRAY社からはT2’008が発表・発売開始となっているようです。
大好評の007から、さらにいろいろな部分が進化しているようですね!
国内への入荷ももうそろそろではないかと思います。
楽しみに待ちましょう〜!!
次回、新編をお楽しみに?!?!

それでは、皆様、本当に有難う御座いました。

ホビーショップ ロックウェーブ 代表 棚橋一雄
(07/12/12)

其の九
 全日本使用マシン編(最終編)

約1年にわたって、お送りしてきた「XRAY T2’007を斬る?!」も最終編となりました。
多くの方々にご覧頂いている事を大変嬉しく思います。有難う御座います!
「T2’008を斬る?!」に続くかは、今のところは未定という事で・・・。

さて、最終編は「2007 JMRCA TC EXPクラス」で使用したマシンについての紹介です。
T2’008に役に立つ、008に通じる所も多々ありますので、参考にしてみて頂けたらと思います。

まずは、セットアップシートから。セットアップシートはこちら

(1)シャーシ剛性
4セル規定の為、車重が1350g規定となっています。
また、路面ハイグリップで、コントロールタイヤという事もあり、
ナロー(2.0mm)のアッパーデッキを使用しました。
さらに、スポーツクラス出場マシンでも見受けられましたが、
アッパーデッキ中央付近の三角穴後ろ側の繋ぎをカットしました。
これにより、高速S字コーナーのステアリングに対しての反応がよりリアルに、
且つ安定するという状態になりました。
そういえば、008のアッパーデッキもそういう形状になっていますね。

リアバルクヘッド前方のビスは上下共に締めていません。
ですが、モーターの微振動に対し、不安なので、
イモネジを上下共に入れて動かないようにはしています。ネジロック剤使用で。


(2)フロント インボードアングル
通称前開き?
今回のマシンでは、フロント側に3mm リア側に1.5mmと2度の角度を付けています。
あまりXRAYのセットアップシートには見られない数値かもしれませんね。
(サイクロンは標準で2.5度?ですし、どのセットでも角度ついている印象ですけど)
基本的には「コーナー後半の曲がり」がほしくて、この状態にしました。

(3)リアアップライト
T2’008では0度のリアアップライトが標準装備されるようですが、
007用は設定がありませんでしたよね。
そこで、京商スタリオン用のリアアップライトを使用しました。
これはアウトボード(アップライト側)で角度を付けず、
インボード(アーム側)で角度をつけるようにしたかった為です。
スタリオン用を使用する事によりアーム側で3度のトーをつける事が出来る様になります。

加工としてはサスピン抜け防止の為のイモネジ穴を開けるだけ。
寸法的な話では、ドライブシャフトはXRAYのままでOK。左右ガタのみ若干調整。
アップライト前後方向はアームに対して、若干狭いのでシムで調整。
アッパーアーム取付位置がシム無しで、標準の2mmシムを入れた状態と同じ位になる事。
トレッドが広がるので、薄いハブ(今回はー0.75mmハブ)を使用する必要がある事。

リアトラクション、特に前に蹴る力をあげたかったので、このような方法をとりました。
 

以上3点が今回のマシンで主な特徴と言える部分かと思います。
他はセットアップシートを参考にしてみてください。

イン側の浮き上がりを抑えつつ、如何に外側を沈ませるか?
じゃあ、リバウンドをと思いきや、結局外が沈まなかったら、コケルだけ。
パイロン・ギャップにも弱くなりますし。
難しい命題でした。

今回のマシンの仕上がりはかなり良いものでした。
どの時間帯・路面でもよいタイムが出ていましたし。
が、参戦記にも記したように、ベースが出来た後のファインチューニングのレベルまでは、
セットアップをやりきれてはいません。まだまだ可能性はあったはず・・・。

 

 
 
 

ご質問など御座いましたら、メールにてお問い合わせ下さい。
(更新12/12)

其の八
 全日本参戦編

約1年にわたって、お送りしてきた「XRAY T2’007を斬る?!」も、いよいよ終焉が迫ってきました。
今回「2007 JMRCA TC EXPクラス」参戦記です。
ちなみに「体調不良」という理由での言い訳日記になります事をご了承くださいませ・・・。

現在のJMRCA ツーリングカーのEXP、S−EXPクラスの規定は、4セル5分が主な特徴となります。
2セル分軽くなる事から車重も1350g規定になり、ロールしにくく、その割には速度は速く、
路面は超ハイグリップの谷田部アリーナ。そして、引っかかりやすいコントロールタイヤ「采」。
なんとも難題の多い戦いとなります。

大会1ヶ月半前くらいから、4セル仕様の準備を開始、
当サーキットでこの仕様に慣れる事も含めて初期テストを行っていました。
メインはバッテリー搭載位置。(受信機電源・ポンダー含め)
2セル分空きますから、前に乗せるか後ろにするか、はたまた間を空けるか・・・。
この段階でちょっと走らせてみて・・・が出来たのは非常に有効でした。

谷田部アリーナのコースレイアウトが全日本のレイアウトになったのに合わせ、当地でのテストも開始。
可能な限りテスト走行を行う為に、岩○さん、山○さんにご協力頂き、
モーター・タイヤの準備などをお願いしてしまいました。(有難う御座いました!!)
参考となりそうなドライバーのタイムをとって、あそこがここが・・・と議論。非常に役に立ちました〜。

マシンは大きく仕様を変更した状態をいろいろとテストして、ベースセットを構築していきました。
結果論からいくと、この時点ですでに発表されていた008の仕様の方向性に近くなっていました。

レースウイークは火曜からサーキット入り。
モーター・タイヤなど作業の多い4セルマシン、平日なのでサポートしてくれる方はもちろん居らず、
他チームのように、分担してセッティングという事も出来ない。
非常に困難な状態でしたが、
事前テストで得られた結果を元に作り上げた「持ち込みセット」がうまくいっていたようで、
マシンのセッティングはまずまず。タイヤの仕上げ方に的を絞って、重点的にテストしました。
使用可能な3セットのタイヤで計6回走行する予選をどう戦うか?が問われました。
新品タイヤの使用法、中古タイヤの使用法。馴らしをするか?!等々。
水曜日には、ここも大体の目処が付き、木曜はそれの確認作業。

本来ならば、この状態がベースとなるわけで、
さらに細かく、より速く走れるマシンセッティングを探す必要があるんでしょうが、
残念ながら時間切れ。。。単独はツライ・・・。
モーターは用意していた3〜4個のモーター(ローター)で走行していた状態で、
コミュ研すらしていない状態でのテスト走行。。。
しかし、マシン含め状態は良好。
木曜は安定して19周には入り、10秒付近のタイムもマーク。好感触でテストを終了。
モーター・バッテリーが整えば、シングルタイムも十分出そうな予感でした。。。

がしかし!実は恐れていた事態がマシンの好調とは裏腹に、着々と進行してしまっていました。
体調不良・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
一ヶ月前くらいからの風邪が完治せず、この週になって悪化している気配をみせていたのでした。
自己管理不足といえばその通りなのですが。そして。。。

いよいよ大会初日、金曜日。
この日からメカニック&サポートして頂ける岩○さん・山○さんも到着。(本当に感謝!!)
傷んだモーターももちろんリフレッシュ♪
朝一の練習走行でも予定通りのタイムをマークしましたが、なんか変。体が・・・。
予選が始まると、もう一つ心配事が発生。燃費。
今もって原因不明ですが、予選が始まると途端にもたなくなってしまいました。
路面?バッテリー?モーター?タイヤ?
解決出来なかったのは、力不足なわけですが。
この日、残念ながら走行中まったく集中出来ず、
走行中に咳をしながら・・・といった状態で、咳したらアンダーやら咳したらゴロンを繰り返してしまいました。
3ラウンド共に中盤までは高ポイント獲得タイムで走行も、その後ミスを繰り返し、
初日終了時点で13位(確か・・・)と、まさかのAメイン圏外。

夜、体調悪化・・・。翌日からをキャンセルしようと相談も、翌朝の具合で決断する事に・・・。

土曜日。
前日よりはマシな感じだったので、一応出場する事を決断。
前3ラウンドの結果から視野に入れていた上位を諦め、少なくともAメインだけは・・・と計画を変更。
残りラウンドは堅くかたーく走る事に。
マシンセットはまったく変更せず、若干タイヤの仕上げ方を変更する程度に。
多少は考えながら走行する事が出来る状態だったので、
無難に走って19周15秒くらいのタイムをマーク!
ギリギリのAメイン10位!!
最低限の目標達成でした。

日曜日。
いよいよ決勝日。Aメインは3回出走です。
朝一の練習走行も無く、Aメイン1ラウンド目の前は、一つメインがあるのみ。
決勝日はいろいろとインターバルも長く、例年路面グリップは上がらないはずです。

1ラウンド目。
予想通りにスタート後の高速S字コーナーで混乱が発生していました。
トップはアッサリと先行しちゃってます。
想定内だったので、サラリとかわして3〜5番手争いくらい?に加わります。
まだまだ混戦の序盤、まだ何かあるだろうな〜と思ってたら予想通り。
2番手争いになり、中ストレート終わりでインに飛び込むも、
外から被せられてしまい接触。
その後、追突されるなどなど・・・もあって、結局5位ゴール。
あの場面、まだ待つところだったのかなぁ〜と、ちょっと反省。
2位狙えたのにね。トップをさらに楽にさせちゃったし。

2ラウンド目。
今回も・・・と思っていたら予想通り。スタート後の高速S字コーナーで混乱しています。
避けつつちょっと当たりつつも頑張り、S字コーナー後の左コーナーに突入。
ちなみにこの頃には、1ラウンド目トップで王手の河野選手はすでに中ストレート走行中。
一番逃がしちゃいけない車をアッサリ楽にさせちゃうのって・・・。
この時点ですでに勝負あり?!

左コーナーを回る頃にはすでにマイマシーンは3番手くらい。
しかも行く方向にしっかり向いてる車は前方には居らず。2位浮上チャーンス。
が!左コーナーのパイロンの内側に入っちゃってた車が出てキター!
避けきれずに側面に接触。幸い、自分の車の向きが変わる事なく、そのまま加速。2位キター!!!
しかし・・・・・・・・・・。
接触で、左フロントのワンウェイカップが割れてしまっていたらしく、左に加速してしまいました(涙)
結局0周リタイアという事に。。。またもや2位のチャンスを逃してしまいました。残念。

3ラウンド目。
2ラウンド目がリタイアの為、このラウンドはしっかりポイントを取らないとなりません。
相変わらずのスタート後の混乱で、グチャグチャと・・・。
今回はうまくかわす事が出来ず、後方からの追い上げに。
が、やっぱり序盤の混戦の為か、気が付けばトップもちょっと前にいるくらいの5位に。
しかし残念ながら、このラウンドのマシンの状態に、トップ追撃を狙うだけの、
ポテンシャルはなかったようです。
堅く走ってポジションをキープするに終始し、結果5位ゴール。

実は、前ラウンドで左フロントセクションが壊れてしまった為、スペアカーに部品を移植し、
スペアカーでの出走となっていました。
大会中何度か走行していたマシンでしたが、この時の路面には、
ちょっとズレてしまっていたみたいです。

結果 5位/10位/5位となり、総合順位は8位となりました!!
会場まで応援に来て頂いた皆様、いろいろアドバイスを頂いた皆様、
誠に有難う御座いました!

スペシャルサンクス(順不同)
岩○様、山○様

セントラルRC、XRAY、KO PROPO、RUSH、ゼノン レーシング、
マッチモア ジャパン、ミラージュ ジャパン、
他、多数の方々・メーカー各社、本当に有難う御座いました!

さて、次編は最終編として、全日本使用マシンチェックで締めたいと思います。
(更新12/12)

其の七 基本セッティング編
今さら遅いんじゃない?!
という突っ込みは無しで。ハイ、確かにそう思います。。。

そう、T2’008が発表されてしまったから・・・。(苦笑)
T2’007をベースに更なる進化を遂げているであろうT2’008が発表されました。
詳細はXRAY社HPを見て頂くとして・・・。

ようやく?やっと?一応、満足いくマシンの状態になりました。
というわけで、セットアップデータ公開と相成りました。

もちろん当店サーキットで走行テストを繰り返したわけですが、
肝はもちろんリアにあり!!

セットアップの詳細はデータを見て頂くとして。
さらに、このセットにはいくつかの注意がありますので、以下を追記・備考として見て頂ければと・・・。

1、まだまだ基本セットを探したレベルである事。
2、当サーキット(カーペット・ハイグリップ)のみでのテストである事。
(但し、他ユーザーにも同様セットをテストして頂き、好結果は出ています)
3、多く発売されているオプション(センターワンウェイ・リアアルミハブ・EXハードアーム・アッパーデッキ他)は、
まだテストしていない状態である事。(まずは一般ユーザー向けという基本概念をもってテストしていました)
4、ダンパーはリエモン製カシマコートダンパーを使用しています。
(純正ダンパーならば、フロント3穴/リア4穴で同等になると思われます)
5、まだまだテスト中ですので、今後変更の可能性大アリです。

以上をご理解の上、多少なりとも参考になれば幸いです。
ご質問等御座いましたら、メールでお問い合わせ下さい。

セットアップデータはこちら(PDFファイル)
(更新10/3)

其の六 マシン理念編
各部よく考えられている!!

私がこう語るのもなんですが、本当によく考えられている車だと思います。
組立てていてあれ?って思うこともほとんど無いし、面倒・余分だ!と思うことも無く。
クセのある車がお好み?!の方には、ちょっと物足りないかも?!?!

さて今回は、「このマシンの理念」という事で書いてみたいと思います。
という題目にしたのも、正直、某誌の記事を読んであれ?と思ってしまった為です。
「007のセッティングはシャシーロールにある」
「〜・・・セッティングはそこだけを行えばいいとも・・・」というコメントです。
(ここに記する事自体、問題があるのかもしれませんが、私個人的意見として捉えていただければ)
T2’007ってそういうマシンなのでしょうか??

ハッキリ言うと、私はシャシーロールという言葉が好きではありません。
基本的には、高剛性の中でよく走るセッティングを探していきたいと考えています。
トゥエルブでは有効な手段なのですが、ことツーリングカーでは・・・。
XRAYがシャシーの捩れを利用しようとしているのは間違いない事と思います。
が、そこがセッティングのすべて、ではないのでは?と思います。
特設コースが主のヨーロッパのレースなど、
短時間の走行でよい状態のセッティングに仕上げていかなければならないというシチュエーションでは、
ダンパー・スプリングの他、ジオメトリーその他をいろいろとセッティングする時間はありません。
そういう場合に、捩れ剛性を変えて・・・というのは有効かと思います。

が、国内のレースシーンのように、常設コースが多く、セッティングする時間が比較的多い場合には、
シャシーの捩れ剛性というのを、「それありき」でやっていく部分ではないのでは?と思います。
せっかくよ〜く考えられたサスペンションがついているんですから、
せっかくならばいろいろと試してみませんか??
よく動く足を求めていきませんか??
XRAYのアシ、よく出来ていると思いますよ!!

シャシーの捩れを多く用いる場合には、当然シャシーの寿命も短くなっていきます。
繰り返しの大きな捩れを発生させると、シャシー材そのものに大きな負担がかかるわけで・・・。
シャシーは安価ではありませんからね!

さて、理念ってのはこれくらいにして。

【白ベルト】
前編で最後にちょこっと出ている画像ですが、
ご覧の通り「白いフロントベルト」を装備しています。
いろいろ調べている方はすでにご存知と思いますが、
そう、「HB サイクロン」とフロントベルトの長さは同じです。
というわけで、エクセル製のローフリクションベルトを装着してみました。
寿命は純正よりも短くなってしまう場合もあるようですが、
フリクションという事では、軽くなるのでは?と思います。
谷田部アリーナのようなロングコースでは、効果がより分かるのかもしれませんね。
お試しアレ!!
ちなみに、エクセル社に問合せたところ、リア用も含めT2’007用も検討の中に入っているそうですよ。
ユーザーの方々の声が多ければ発売も近いかも?!
カワダ模型が発売予定のケブラー心線のベルトも気になりますが、XRAY用は出ないかな・・・?

【新型2mmナローアッパーデッキ】
上述したシャシー剛性の話とは、ある意味逆行するアイテムですね(苦笑)
そういう理念の話は一応終わった(勝手に)ので、ここでは単純にフィーリングの話で。
*アッパーデッキ&ミドルデッキ共に装着した場合、シャシー全体の剛性が低くなり、
曲がらない印象になるようです。
*アッパーデッキのみナロー2mmを装備、ミドルデッキ(2.5mm)とした場合、
フィーリングとしては単純には曲がる印象になるようです。
*アッパーデッキは純正(2.5mm)、ミドルデッキを2mmとした場合、
単純には曲がらない印象になるようです。
これらの結果は、コース特性その他、いろいろな条件で変化する場合がありますので、
これがすべてではありません。

【中古タイヤでのオーバーステア】
この症状を訴えるユーザーが結構いらっしゃいます。
007は巻き車・・・という印象を持たれている方も・・・。
私のテスト車はそういう症状は出ていませんが、
確かに、かなり消耗したタイヤで巻き症状が出てしまい、セッティング変更でも解決できず、
新品タイヤにしたら、何の事なくよく走る・・・という状況がありました。
007がタイヤに負担が多いという事なのか?はまだ、判明していませんが、
中古タイヤにすると巻く方向になるというのは、
007が基本的にはよく曲がる車だから、という事なのかもしれませんね。
各部、本当に渋い部分、破損している部分がなかったのか?を、
今一度確認する必要はあるかもしれませんが、
何をやっても解消しない・・・という場合には、ぜひ思い切ってNEWタイヤ!にしてみてください。
それが他車と比較して半分くらいしかもたない、というのであれば少々問題ですが。

久しぶりの更新となってしまいました。
次回はいつになるのやら・・・?!

そう、この間に谷田部アリーナではスーパーエキスパートの予選会が行われました。
現在、個人ユーザーとしてT2’007を使用する袴田選手が、見事19位で通過!!
おめでとう御座います!!
この時のセッティングデータ等、お話を聞く事が出来次第、こちらにアップしたいと思っています。
ご期待下さい?!
(更新7/12)

其の五 二ヵ月後・・・編
壊れない!!以上。
(定番)
これ以上のコメント、必要ですか?
ホントに壊れにくくてビックリしています。パーツが売れません・・・?!(涙)
ハードフェンスのサーキットでナックルやリアハブが壊れたという話を時々聞きますが、
やはり他社のマシンと比較すると、壊れる頻度は圧倒的に少ないようです。
そしてイマイチよく走らない・・・という声、噂話もまったく耳に聞こえてきません。
それほどユーザーの方々が満足されているという事なのでしょう。
本年度のJMRCA全日本TCスポーツクラスにこのマシンで出場予定の方もいらっしゃるようなので、
ますます評判があがるのではないでしょうか?参加される選手の皆様、頑張ってください!

さて、前回の更新から二ヶ月近く経過してしまいました。
楽しみにされていた皆様、本当に失礼致しました。(当店業務体制の変化等で更新出来ませんでした)
今回は、二ヶ月間での新着情報?などを書いていきたいと思います。

【ダンパーのバンプラバー】
スプリングを柔らかくして足をより動かすように・・・というセッティングが、ハイグリップ路面において有効ですが、
時として、パワーオフでフロント(リアも?)がロールし過ぎ、潰れる量が多すぎて、タイヤが引っ掛かってしまい、
オーバーステアになってしまう症状が見受けれました。
そこで有効な手段だったのが、ダンパーシリンダー外側に入れるOリング、バンプラバーです。
フロントのみ、前後とも・・・など、いろいろテストされてみると良いかと思います。
使用するOリングによっても若干違いは出るでしょう。
私はリエモン製のXリングをお勧めします!適度な潰れ具合がバンプラバー用としては非常に有効と思います。
 分かりにくいかもしれませんが、Xリングを一個入れています

【センターシャフトの横方向ガタ】
レイシャフトに使用するベアリングがホルダーにしっかり入りきらず、
またはアッパーデッキを固定する際にホルダーを内よりのままでボルト留めしてしまう為、
横方向のガタが全く無くなってしまい、駆動系が重くなってしまっている場合があります。
アッパーデッキ等をボルト締め終わった後、この部分の横方向ガタが全く無い場合には、
注意しながらレイシャフトを左右にグイッグイッと押してあげて、横方向のガタが出るようにしてみてください。
駆動系がかる〜くなるはずです。お試しアレ。。。

【純正ダンパー】
加工が必要と以前書きましたが、どうやらその必要は無かったようですね。
その昔、このアジャスタブルが出た当初、ピストンやシリンダーの精度が・・・でしたが、
今の物は精度も良くなり、特別な加工は必要なさそうです。
ダンパートップ&エンドのボールはスムースに可動するようにした方が良いのは当然ですが。

ついでにリエモン製カシマコートダンパーを使用される際には、
ダンパーステーとの干渉に要注意です!ダンパーステーをゴリゴリと削る必要がある場合があります。
(ダンパー取り付け位置によっては、必要ない場合もあります)

【サーボの固定(KO)】
XRAYのシャーシはサーボ取り付け穴部分が長穴になっていません。
2点間の距離がKOサーボもぴったり・・・と思いきや、若干狭い事が分かりました。
サー坊を使用してサーボケース穴の中心にボルトが来るようにすると、
シャーシ穴の2点間距離と若干ずれてしまい、そのまま取り付けると(ホントに僅かなので気にならずついちゃいます)
シャーシが捩れてしまう・・・という症状がありました。
KOサーボを使用されている方は、2点ともサー坊を使用する事は避けたほうがよいと思われます。
が、シャーシとは若干隙間を設けたいので、少し隙間を設けるようにしてボルト留めしたいですね。
(サーボによって若干寸法は異なりますので、ここに記載されている事がすべて当てはまるとは限りません)

【ダンパーステーの取り付け】
4本のボルトで取付しますが、ダンパーステーの穴径はボルト径よりも若干広くなっています。
XRAYは精度が良いので、その寸法も良い具合になっていますが、
時としてダンパーステーが斜めに付いてしまう場合があります。
そこで、私はサラビスを使用してダンパーステーを正規の正しい位置に取り付ける様にしています。

方法はいたって簡単。
ダンパーステーを固定する際、まずサラビス2本を対角で留めます。
そうすると取り付け穴のセンターにボルトはしっかり固定されます。
(サラビスの精度は?と思われるかもしれません。何を信じるか・・・?ではないでしょうか)
その状態で残りの対角の2本を正規のボタンヘッドビスで固定します。その後、サラビスを外してボタンヘッドビスに変えます。
そうすることによって、ダンパーステーを正規の状態で固定出来、取り付け精度もバッチリになります!
アッパークランプのバルクヘッドへの取付ビスをその後に締めれば、そこの精度もしっかり出るでしょう。
(穴位置がずれていたりすれば、どこかが曲がっていたりする可能性ありですよね)
細かい事かもしれませんが、よく走る状態を安定してキープする為には、こういった積み重ねが重要かと思います。
 サラビスを使ってしっかりセンターを出して固定。

【PRS製スパーギア】
非常に精度が良いと好評のPRS製スパーギア、少々高価ですが、それにとって変わるだけの事はある!と私は思います。
XRAY純正のレイシャフトにそのまま使用可能なスパーギアは純正の他、このPRS製くらいしか無いのではないでしょうか?
XRAYに使用可能なのは、ツーリングカー用というタイプでサラビスで固定するようになっています。
T2’007で必須となるモーター取付ボルト用の穴も開いています。ギア音も純正スパーよりも静かになる感じがしますよ。


さて、上の画像でお分かりの通り、また新たに新車を組立てる機会を得ました。
テスト走行も行う予定です。セッティングを・・・という声を数多く聞くのですが、
あまりノーマル状態からは変えない範囲でセッティングしたいと考えていますので、
変わり映えの無いデータになるかも知れません。お楽しみに。
また、新製品のナローアッパーデッキのフィーリングなども可能だったら・・・。

こんなネタがある!というのが御座いましたら、ぜひメールにてご提供ください!お待ちしております!!
(更新05/20)

次回予告・・・?!

其の四 走行編
よく走る!!以上。。。。。

では、怒られるので(前章と同じ流れか、失礼)、T2’007の走行編、いってみましょう〜。

当店で走行されている方の多くが純正、素組みのままです。もちろんダンパーも。
基本セットが付属しているので、とりあえずその状態で!という具合です。
それがまたよく走ってしまうから困る。いや、本当に。
シェイクダウンから自己ベストを更新したという方が続々といらっしゃいます。
そして一番重要なのが壊れない!!いや、マジで。戦車と呼ばれそうです。
今までこれくらいぶつけたらアームが・・・という具合だったのが、本当にこの車は壊れない!と、
多くのユーザーが話されています。
アームやサスマウントホルダー、サスピン等の全体でバランスよくクラッシュのエネルギーが逃げる設計となっているのか、
樹脂や金属の材料がいいのか。HUDYXRAYのspring steelが柔軟に力を分散してくれるんでしょうかね?
とにかく壊れない!という事で、特にミドルクラスのユーザーには大好評です。

当店サーキットはカーペット路面なので非常にグリップが高いです。
という事で、サスマウントホルダーを下げるのが非常に有効でした。
前々章の通り、0.75mmサスブロックが下がります。(組み付けミスに注意!目印をしっかり確認しましょう)
同じスプリング・スタビのままで、しっかりよく足が動くようになり、ロール感がつかみやすく、走りやすくなり、
ラップタイムも向上しました。
この部分は、ノーマル位置を基準として、グリップが高い場合には下げるのがよいでしょう。(←一般的ですが)

スプリングは純正がフロント/シルバー(17.5LB)、リア/ゴールド(14LB)です。
まずはそのままで走らせてみましょう。当店のお客様も多くがそのままです。非常にバランスよい組み合わせです。
オプションのスプリング、ホワイトがシルバーと、イエローがゴールドと同じ硬さになっていますが、
若干フィーリングは異なるようですので、いろいろとテストしてみても面白いのではないでしょうか。
取り付け穴は、一番寝かせる位置で良い結果が出ています。
路面グリップ次第で、立てていく事になるかと思います。

ダンパーは純正を使用されている方がほとんどです。バリが出ていたりする物もありますので、
スムースに動くように若干加工が必要かと思われます。アジャスタブル方式は非常に有効ですよ。
フロント3穴、リア4穴、ダンパーオイル300番辺りが良い具合です。

スタビですが、最近のロットからすべての線径が黒いバーになりました。(前のバーとの微妙な違いについては未確認)
フロントの方がリアよりも一段階太く・・・というのが基本になるかと思います。
フロントに関しては、スタビがあったほうが高速コーナーのライントレースがしやすくなる印象でした。
シャーシ剛性を調整するポストの有無、取り付け位置と、スタビの硬さの関係が、
ドライブフィールに大きな影響を与えますから、この部分はいろいろな組み合わせをテストしてみると良いかと。

アッパーアームは内側は前後とも下の内側を基本として、あとはハブ側のシム量で調整してみれば良いかと思います。
リアハブは純正が1度の樹脂タイプ。1度のアルミハブ、2度のアルミハブもオプションで発売されていますから、
リアグリップの調整に有効なアイテムといえるでしょう。
同じリアトー角でも、ハブ側で角度が付くのと、アームで角度が付くのでは、違いますからね。
ぜひテストしてみてください!

当店サーキットでのセッティングデータはまた後日、公開したいと思っています。

さて、前章から少々時間がたっているので、最新アドバイス?!を。
【ベアリング】
やはり数回の走行でベアリングがロックしてしまったという話を数件聞きました。
組立て、メンテナンスの際にはベアリングオイルの注入をお忘れなく!

【モーターの向き】
前章の写真ではモーターの+極を上側にしていましたが、モーターの+極が下側になるように変更しました。
写真でお分かりの通り、タイヤカスや石などが入りやすくなってしまう為です。
(ヨコモ社製ベースの23Tモーターは特に開口部が大きい為)
モーターのラベルも見えるようになりますし。

当店初の23Tレースで早速、TQ&WINを飾ったT2’007。
その速さはとどまるところをしらない・・・。

其の三 組み立て編
これまで「T2’007」の性能・概要を追ってみましたが、いよいよマシンの組み立て以降について見ていきましょう〜!!
私自身、一台組み立てをしてみましたので、その流れに沿って、感じたままに記したいと思います。
(ここにある画像のマシンは、初めから一部オプションパーツを組み込んであります。)

各パーツの材質・精度等には定評のあるXRAY社製品ですから、組み立てにはなんら気になる点はない!というのが本音ですが、
それではこの章がアッサリ終わってしまうので、単純な所もちょこちょこっとは掘り下げてみたいと思います。

【駆動系】
本国HPその他フォーラムなどでも純正付属ベアリングについて議論があがっているのは事実です。
ラバーシールベアリングも好き嫌い様々でしょう。
ベアリング単体で回してみた限りでは、なんら問題なく使えるベアリングだと思いますが、念の為ベアリングオイルは注しました。
私はビックレース用マシン製作時以外は、ベアリンググリスは抜きません!なぜ?すぐに痛みそうでモッタイナイから。。。
一般的なショップレースなどでは、多くのテスト走行・メンテナンスを重ねて、いざレースという具合かと思います。
そのレースの頃にはちょうど良くグリスが飛んだりして軽くなるんじゃないでしょうか?!(個人的意見)

ここでタイムリーな事にセントラルRCから「T2’007用セラミックボールベアリングセット(CR518)」が発売になりました!!
性能・耐久性トータルでは圧倒的性能のセラミックベアリングがこの価格ならば、間違いなく買いでしょう!!(営業?)

デフは一応組立済みですが、一度バラして組み直しましょう〜。
スラストベアリング部のスナップリングの取外しにはイーグル社製「SPラジオペンチ(小)#1837」がお勧めです!

駆動系で気になる点・注意しなければならない部分は特にありませんでした。
普通に組み立てて十分軽い駆動系になりました。ベルトテンションは取説より一段階緩くしましたが、バラつきもありますし。

あと、T2’007を触られた方皆さんが驚くのは、フロントワンウェイの回転の軽さ!
シャーっとフロントタイヤが回るので、皆さんビックリされますね。
初めからグリス・オイルは塗付られていますが、私はXRAY/サーパント社のワンウェイオイルを塗付しました。
過酷な使用条件の1/8レーシングで実績のあるオイルですから、ワンウェイに塗付る物としてこれはお勧めですよ!

 

【サスペンション】
この部分の精度の高さにビックリ!
一般的な車って、ロアアームの前後方向のガタをコンマ何mmのシムとか使って無くしたり、
アームをいっぱい削って可動するようにしたり・・・が今や当たり前のようになっていますよね。
それがサラサラっと組んでみたらほとんど加工もいらず理想的な状態に!!本当にビックリでした。
「あれ?重いな」と思ったら、ネジの締め込みが足りてなかっただけで、しっかり締めたらバッチリだったり。
初・中級者向けのマシンより、よほどこのマシンの方が組み立て簡単なのでは?!と思えるくらいですよ。
が、しかし!気を抜かずに、ちゃんと軽く動くように確認しましょうね!!油断は禁物です。

それにしても、樹脂物のアーム、サスマウントホルダーでこの精度。
設計・型製作・仮組・修正・・・を繰り返し行って、これならば大丈夫!という物を出しているでしょうね。
まさにトライ&エラーですね!

 

【フレーム】
ごく稀にカーボンメインシャーシがひどく歪んでしまっている物があるようです。
カーボンシャーシの製造上、どうしても仕方ない部分もあるんですが、あまりにヒドイようでしたら、
お店の方等に相談してみてはいかがでしょうか?(個人的意見)
アッパーデッキ、バルクヘッドの取付ビスを定盤の上で順番に均一に締め込んで、カタカタと歪みが無いか、
しっかり確認しましょう〜。XRAY純正ビスは賛否両論、他社製ビスやチタンビスに変更されている方もいらっしゃいます。

ここでまたまたタイムリーな事にセントラルRCから「T2’007用チタンビスセット」が発売になりました!
プラス頭なので好みはあるでしょうけど・・・。(軽く営業)後日確認した所、六角頭である事が判明しました。失礼しました。

アッパーデッキの取り付けネジの位置、本数でシャーシねじれ剛性が変更できるXRAY社のシステム。
いろいろ変更してみてください・・・というのが本音ですが、私個人的な考えでは、
とりあえずシャーシ剛性はあげておいて、サスペンションを触ってみようよと。
取説ではポストはUSスペック用のようなニュアンスですが、私はここもまずは付けて走らせてみたい派です。

 

【ステアリング】
私が少々気になった部分が一体型サーボセイバーの上下方向のガタです。
私が組み立てしたマシンは、内径4mm/0.26mm厚のシムを入れました。
初期組立ての時にはこれくらいは・・・というガタでしたが、一度走行してみたら、トリムがいつまでたってもあわない、
真っ直ぐ走らないという症状が出ました。
そこで、この部分のガタをシムによって無くしてあげたら、この症状はピタリと治まりました。
*症状が出る/出ないコース、ガタの大小バラつき等あると思いますので、これが必須ではないと思います。

【メカ搭載】
ちょっと考えて作業したのが、このメカレイアウト。原因はこれ!

T2’007の特徴ではありますが、従来のモーター取付とはほぼ90度回転させるようになります。
やはりアンプからのケーブル等、スッキリ見えたほうがカッコイイですからね!ここ重要です!
私はこのようにメカを配置しました。もっと受信機周りのケーブルを短縮する事も可能でしたけどね。
モーターへのケーブルのハンダ付けは少々苦労します。マシンを真っ直ぐ立てなくちゃならない。

バッテリー側のケーブルはセルとセルの隙間を通すようにする必要がありますね。
それほどアッパーデッキが低いって事なんですけど。


【その他】
その他に気になった部分です、
・スパーギア
純正のスパーギアは若干オフセットされています。向きを逆にしてしまうと、ピニオンの取付イモネジが、
モーター軸ギリギリになってしまいます。(正規でもギリギリですが)気をつけましょう。
またこのスパーギアの材質が柔らかいのも少々気になります。他社製も含めテストしてみたいところです。

・アッパーデッキの瞬間接着剤での目止め
アッパーデッキのカーボン材サイド部分に瞬間接着剤を流そうとする場合、前後バルクヘッドと接する面には注意が必要です。
ここにも瞬間接着剤を流してしまうと、場合によっては、シャーシが反り返ってしまいます。
軽くスッとアッパーデッキがのるのが標準状態になりますので、グイッと押してはめ込む・・・ような状態はよくありませんので。

・バッテリーホルダー
メインシャーシにバッテリーホルダーをボルト取付しますが、バッテリーがギリギリまで下がらなくなってしまう場合も。
取説通りにバッテリースロットのカーボンを削りましたが、バッテリーホルダーを取説通りにすべて取り付けると、
削る必要が無かったくらいに高い位置にバッテリーが搭載されます。ホルダーが大きすぎる?!
私は、そこで上の画像でお分かりのようにセンター部分のホルダーを外しました。前後のホルダーは付けたまま。
こうすることによって、バッテリーがしっかりと良い高さに搭載することが可能でした。
カーボンの削りすぎにはご注意を!路面も、バッテリーシュリンクも傷めてしまいますよ!

・ダンパー
今回、私が組立したマシンは、画像でお分かりのようにリエモン製「カシマコート仕様ダンパー」を使用しました。
純正のダンパーが駄目というわけではありませんが(ワークスは純正を使っていますし)、
若干加工が必要という話もあります。詳細が分かり次第、またお知らせできれば・・・。

・サーボ取付
サーボの取付にはテイクオフ社製「サー坊」を使用しました。これはサーボをシャーシから浮かせたかったからです。
若干ではありますが、サーボがシャーシと接していると、シャーシ剛性に影響が出ますからね。

さて、長々と組立編お送りしました。
組立した印象「よく出来てる!」
設計・材料・加工精度など、すべてが高次元でバランスされている印象を受けました。
これで走らせて速いんだから、言うこと無しという感じ?!
気になるのは、前章でお勧めしたスタビやバッテリー固定バーの在庫切れが続いていること・・・。
本当にごめんなさい。そして頑張れXRAY!!セントラルRC!!

次章は走行編の予定です。
  (意味不明)

其の二 傾向と対策
ISTC世界戦で好成績を収めたマシン「T2」。
そして、このマシンの良さを活かしつつ更なる進化を遂げた「T2’007」。正常進化といえるこのマシンの変更点を、近年のマシン開発の傾向と、ヨーロッパ車ならではの対策という観点で見てみましょう〜。

「低重心化」
近年のTCの開発の代名詞ともいえるのが低重心化というフレーズ。
もちろん今回の改良でも、積極的に低重心化が図られていますね!
アッパーデッキが4.5mm!も下げられていますし、それに伴ってバルクヘッド高さも下げられています。
バッテリーの高電圧・高容量化によるハイスピード化への対策としての低重心化は、
安定性、ステアリングレスポンスの向上等、大きな効果があると考えられます。
昨今のレースのラップタイムの向上の要因として、低重心化は欠かせない開発要項といえるでしょう。
「走りそうな見た目!!」というユーザーにとっては欠かせない要件にも、
低いアッパーデッキは大きな効果をもたらしてくれるでしょうね!

ちなみにこの「T2’007」のアッパーデッキ高さは、「バッテリー固定バーの高さよりも1mm程度高いだけ」ですから、
現行マシンのレイアウトを考えると、このマシンより低いアッパーデッキのマシンは、
現れない(出てきたとしてもほとんど変わらないレベル)でしょうね!

アッパーデッキが低くなった事によって変化したシャーシねじれ剛性を適正化させ、
XRAY独自のねじれ剛性調整機構の幅を設ける為に、シャーシ形状にも細かな変更が行われていますね。
おそらくFEM解析を行い、「ここのネジを外せば」とか「アルミポストを付ければ」等による効き具合を、
設計段階で把握しているんでしょうね。


「成型技術/サーボセイバー」
組立済みのサーボセイバー全体を前後方向に2箇所で変更可能だったT2の機構はそのままに、
さらにアッカーマン・バンプステアの微調整を可能にする機構がT2’007には追加されています。
サーボセイバー本体側、タイロッド取付側双方をボルト固定するわけですが、
その噛合せ部分にギザギザがついていて、噛合せ位置でタイロッド取付位置が変更可能になっています。
シムで調整!を多く取入れている国産マシンその他多くとは一線を画す考え方といえますよね。
当然、ギザギザの噛合せにガタがあるようだと、取付位置が定まらず安定性(再現性)が無く・・・になりますが、
まったく心配無用!ですから。流石です。
樹脂成型物でこのようなクオリティのパーツを作れる所もさすが欧州車!XRAY!といえるのかもしれませんね?!


「バッテリー固定バー/アンチロールバー」
出来れば標準でキットに付属してもらいたいなぁと感じるアイテムです。(私としては)
XRAYのワークスセットではスタビ無しの状態が多いのも事実ですし、
取付の仕方によっては効き具合が安定せずに逆効果・・・という場合もあります。
しかし、フロントに関していえば、ほとんどのセッティングデータで使われていますし、
リアも国内外の多くのシーンで取り付けられていると思います。
もう一つのアイテムが、バッテリー固定バーです。
多くのマシンはバッテリーの固定にグラステープを使用していますが、
数回で粘着力が無くなり交換したり、大きな大会では毎回交換・・・という具合かと思います。
XRAYのバッテリー固定バーは、工具を使わずにバッテリーの着脱が可能ですから、
時間の無い状況でバッテリーを搭載、といったシチュエーションでも確実にバッテリーを搭載出来ますよね!
今までに、焦ってグラステープが引っ付いちゃって・・、グリップ剤が付いちゃって・・・なんて事ありませんでしたか?!
(これらパーツ、「メーカー在庫切れ・・・」が多発するパーツなので、標準で・・!と思う理由の一つです。)(お店側としても)
環境対策!!という意味でも重要なアイテムと思ったりします。


欧州人はめんどくさがり屋らしく?(違ったらゴメンナサイ)、毎回グラステープで留めるなんて・・・という考えがあり、
このようなパーツを作っているのかもしれませんね。(コラリーは標準で使っていますし)
ヨーロッパのレギュレーションの5セル化は、受信機電源が面倒だから4セルは・・・という話もありますし、
細かなシム調整も面倒だから・・・という感じもしますし。
ちなみに、T2’007の各部の変更単位(調整値)は0.75mm基準になっていますね。
サスブロック高さにしても幅、アーム角度調整シムにしても、ハブにしても、
ほとんどが0.75mmを基準として・・・になっています。
(例)リアロアアームのトー方向角度を2度つけるならば、リア側に0.75mm分多くシムを入れる・・・。

其の一 序説

2006 IFMRA ISTC世界選手権はもちろん、世界各国のレースシーンで常にリザルト上位に名を連ねるXRAY社ツーリングカー。
日本国内ではまだまだ「少数派」の部類ではありますが、世界全体でみると一番台数が多いともいわれています。
そのXRAY社が今、世に送り出した最新モデル「T2’007」。
前モデルT2をベースにさらなるポテンシャルアップを狙い、シャシー・バルクヘッドを中心に改良が施されたのが「T2’007」です。
T2よりアッパーデッキが4.5mm!もさがっていると聞ければ、驚かない訳がありませんよね。
そんなT2’007の組立から走行・セッティングなどを、数回に亘ってお届けしたいと思います。(更新は不定期)
XRAYユーザー必見の?!スペシャルコラムです。どうぞ、お楽しみに!!

「カーアクション」等の雑誌の車種別ランキング獲得や、
ビッグレース上位入賞の数々を示すステッカーがついたキットのパッケージングが、斬新でカッコイイです。

XRAYって、画像一つ一つのクオリティが非常に高いですよね。見せ方が上手いというか。


過去のスペシャル記事
・Corally SP12Xプロトの画像紹介はこちら
・世界チャンプ 原篤志選手の当サーキット走行(1/12レーシング)の様子はこちら
・2006 IFMAR 1/12世界戦参戦記はこちら

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