Sophie Zelmani
(アルバム, '95)
Epic Sony, ESCA 6380 (日本盤)
Columbia, EPC 480955 2(スウェーデン盤)


曲目Cover of Sophie Zelmani
1. I'd Be Broken
2. Stand By
3. There Must Be A Reason
4. Alwasys You
5. A Thousand Times
6. Tell Me You're Joking
7. Woman in Me
8. You And Him
9. Until Dawn
10. I'll Remember You
11. I'll See You (in Another World)
12. I'll See You (in Another World) - Another Version

*12は日本盤のみのボーナストラック

クレジット
(ソングライティング)
 Sophie Zelmani
(プロデュース)
 Lars Halapi

解説
本国スウェーデンでは'95年の9月(日本では11月末)にリリースされたデビュー作。スウェーデンなどの北欧諸国や日本で大ヒットし、一躍Sophieの名を知らしめた。日本では10万枚以上のセールスをあげたと言われる。このアルバムでSophieは本国スウェーデンのグラミー賞に相当する賞で新人賞を獲得した。なお日本盤の解説は女性ボーカル評論の第一人者、中川五郎氏が書いている。

このアルバムがリリースされた時期はCardigansの大ブレイク後に当たり、日本では一連の北欧ブームの一つとして紹介された。その中でも有数のヒットになったわけだが、音楽的にはモータウンや初期ビートルズのような、'60年代的ポップ路線を追求したものが多いそれらのものとは一線を画している。曲調はむしろフォーク・ロック等の米英のロックの文脈に沿ったもので、Neil Youngなどの影響を窺わせる。呟くような歌声にはVanessa Paradisを思い起こす人もいるかもしれない。

収録曲にはデビュー曲Always YouやI'd Be Broken, I'll Remember Youなどのちょっと切ない歌詞を歌ったソフトなバラードがあれば、There Must Be A Reason, You And Himなどギターが元気な曲もある。どちらかというとミディアムテンポの曲が多いが、概して曲調は明るく、ジャケットに使われた写真のイメージと合っていることが日本でも受け入れられた理由ではないだろうか。そしてちょっと舌っ足らずなSophieの声と所々で効果的に入るコーラスが全曲を支える魅力となっている。

I'd Be Broken, Always You, Until Dawn, I'll See You in Another Worldあたりが耳に残りやすく、魅力的。

曲を書き始めるようになった経緯や音楽への取り組み姿勢などでJewelと共通するものを感じる。歌詞はふと目にした出来事を題材にしたものがあったりして素直なものが多く、Jewelほどの奥行きはまだ感じられないが、このアルバムはPieces of Youをもっと元気にしたものと考えると理解しやすいと思う(Pieces of You 好きな人なら必ず気に入ると思います)。

全11曲38分を心地よい疾走感で駆け抜ける、気持ちよく聞けるアルバムである。
 

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