Sheryl Crow @ 大阪厚生年金会館 (大阪) (Dec.10, '08)
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6年ぶりとなるSherylの来日公演の初日は大阪公演です。個人的には '05の11月のWildflowerツアーでのロンドン公演を見ているので3年ぶりですが、その時は大人数のストリングスセクション付きの特別編成でのコンサートでしたから、通常のバンド構成のコンサートとしては前回の来日公演以来となるため、現在のSheryl & the bandの演奏がどうなっているか、期待して見に行きました。今回のバンドはアメリカツアーなどと同じで、これまでより大所帯です。前回と同じメンバー(Tim Smith, Peter Stroud, Mike Rowe)に加え、ドラムスには日本初登場となるJeremy Stacey、パーカッションに初来日公演時のドラマーだったWally Ingram、ベースにJon Button、そしてバックアップシンガーが2人(Nayanna HolleyとStephanie Alexander)という8人構成です(以前オフィシャルサイトのBlogで紹介されてました)。
コンサートは定刻を10分ほど過ぎた後、BGMにJohnny NashのI Can See Clearly Nowが流れている間に照明が落ちたままのステージにSherylが一人で登場して始まりました。アコースティックギターを弾きながら一人で歌うSherylの姿には目が惹き付けられます。淡々と演奏されているように聞こえるこの曲ですが、Sherylはこの曲のメッセージ性を持つ歌詞を伝えようと気持ちを込めて歌っていると思いました。この曲が終わったところで大量のスポットライトが客席に向かってつけられ、そしてステージ全体がぱっと明るくなった瞬間にバンド全員での演奏が始まりました。Shine over Babylon, Love Is Freeと続きましたが、この2曲ではSherylはギターをステージに置いて歌に専念してました。Shine over BabylonでSherylは上半身を前に突き出すような姿勢で両腕を大きく広げて歌ってましたが、とにかく声がよく出ていて、調子の良さがわかりました。そして次のA Changeで、Sherylはギターをジャンジャカかき鳴らしながら歌います。このような姿のSherylを見るのは久しぶりで、これですっかり引き込まれ、この後は次にどの曲を演奏してくれるのか、楽しみにしながら見ることができました。この後、初期の曲が3曲続きましたが、Can't Cry Anymoreでは途中に "I Can See Clearly Now"を挟んでいました。今回のツアーのテーマ的な位置づけなのでしょうか。この曲のコーラス部を観客に歌わせようとしてましたが、日本ではちょっと難しかったみたいです。。。続くSteve McQueenではSherylが強く歌えることをあらためて確認。この曲でのJeremy Staceyの正確で重いドラミングはやっぱりいいですね。今回はWally Ingramもパーカッションで参加してますが、この2人の組み合わせはとても魅力的です。MotivationはイントロでSherylを含めギター、ベースを演奏するメンバー(Mike Roweもこの曲ではギターを弾いていました)が集まっての演奏で、アレンジもアルバムと違ってちょっとブルージーでいい感じでした。Sherylは観客の反応を確かめながら歌っていたような感じでしたが、この曲の持つゆったりしたグルーブ感は良かったです。次に演奏されたのはMy Favorite Mistakeだったので、ここらへんからさすがに盛り上がるだろうと思ったら、それほどでもないのは少し意外でした(私は2階にいたので1階の様子はよくわかりませんでしたが)。。。そのため次のGasolineでも最初のうちは会場の反応がいまいちだったのですが、途中でThe Rolling StonesのGimme Shelterの一節が歌われた頃からは多少反応も良くなってきました。Run, Baby, Runを挟んで歌われたDetoursでは演奏前にこの日一番長いMCがあって、「この数年間にアメリカ、そして自分に起こった様々なことを歌った」などと曲紹介をした後にオバマ大統領誕生について言及したところで会場からは大きな拍手が起きました。「これでこれまでよりポジティブになっていくと思う」と語るSherylの表情には安堵感が感じられました。この後If It Makes You Happyからは一気の演奏で、If It Makes You HappyやSoak up the Sunなどでは一緒に歌っている人も多く見られて、さすがに盛り上がりました。本編最後はEveryday Is A Winding Roadでしたが、Sherylは最初のうちは歌に専念していましたが途中からギターも演奏していました。個人的にSherylの曲で一番好きな曲ということもあって、この曲が最後に演奏されたのは嬉しかったです(最後に演奏されるのはいつ以来だろう?)。
アンコールはまずI Shall Believeで始まりましたが、最近はアメリカツアーでもあまり演奏されない曲なのでこれは嬉しかったです。Sherylの歌は熱唱と言えるもので、感情がよく込められていてとても良かったです。All I Wanna Doを挟んで最後に演奏されたのはアメリカツアーなどと同じくHigher Ground。歌う前にStevie Wonderの曲と紹介してましたが(実際そうなのですが)、イントロ等でのPeterの演奏は明らかにRed Hot Chili Peppersしてました。。でもSherylと二人のバックアップシンガー(この曲では途中からステージ前方に出てきて、それぞれのソロパートがありました)の歌はオリジナルのStevie Wonderにインスパイアされていると思いました(なんで、Peterのギターは個人的にはちょっと浮いて聞こえた。。)。3人が横に並んでの歌はとても良かったです。
Sherylの今日の調子は、途中で数回ふらついたところはありましたが(観客の反応を気にしていたかも)、全体を通してとてもよく、演奏に集中していたのがなにより嬉しかったです。Sherylの服装は、今日は2階席で双眼鏡も忘れたのでよく見えなかったですが紺のジーンズに黒のタンクトップ、その上に飾り物がじゃらじゃらついた黒のジャケット(これは3曲目が終わったところで脱いだ)でした。
ツアーグッズはUDOで紹介されている通りで、Tシャツが3種類とベビーTシャツが1種類、あとポスターとキーチェーンとバッジセットでした。今回はツアープログラムはありません(一見プログラムに見えるギタースコアは売ってます)。あとCDはHome for Christmas, DetoursのTour Editionを含む既発のアルバムとDVDが一通り揃っていたようです。
セットリストは以下の通りです:
1. God Bless This Mess
2. Shine over Babylon
3. Love Is Free
4. A Change
5. Leaving Las Vegas
6. Strong Enough
7. Can't Cry Anymore ~ I Can See Clearly Now
8. Steve McQueen
9. Motivation
10. My Favorite Mistake
11. Gasoline
12. Run, Baby, Run
13. Detours
14. If It Makes You Happy
15. Out of Our Heads
16. Soak up the Sun
17. Everyday Is A Winding Road
(Encore)
18. I Shall Believe
19. All I Wanna Do
20. Higher Ground
演奏時間:1時間50分弱(本編だけだと1時間30分弱)