The Great War of Words
(ゲスト参加, '90)
BMGビクター BVCP-10(日本盤)
曲目
1. Captured
2. Open Arms
3. Town
4. Believe It
5. Am I Looking for You
6. Is It Loud Enough
7. Hollow
8. He Talks Like Traffic
9. I Would Not Forget
10. Anniversary (Everyday Will Be)
11. Half Way Home
12. Keep A Firm Grip
クレジット
(ソングライティング)
1, 3, 11. Brian Kennedy and Danny Mitchell
2, 4, 5, 7〜9, 12. Brian Kennedy
6, 10. Brian Kennedy and Chris Cross
(プロデュース)
Tim Friese-Greene
概要
Brian Kennedyのファーストアルバム。Eddiがバックボーカルとして1, 2, 7, 12に、Graham Hendersonが10にマンドリンで参加している。
全体的には微かにアイリッシュ風味を湛えたシンプルな演奏にBrianの歌声が舞うといった感じで、丁寧に作られていることを窺わせる。バックの演奏も間を感じさせる落ち着きのあるもので、Brianをうまく引き立てている。Brianのハイトーンで儚げな声がアコースティックな曲調に乗ると魅力的に聞こえる瞬間も多いのだが、ファルセットを多用する歌い方(普通に歌っててもファルセットっぽく聞こえるというのもある)は好き嫌いが別れるかもしれない。声のベースが高いぶんだけレンジもあまり広くはなく、けど声量はあって、感傷的には響いても(特にFA時代の)Eddiのようにエモーショナルには迫ってこない。こういったところがSweetmouthでのFear is the Enemy of Loveなどで(個人的には)多少違和感を感じた原因だと思う(Eddiだったら歌い上げ(←こんなときでも他のシンガーとは聞かせ方が違う)てもまだ音域的に余裕がある)。そのためファルセットをふんだんに交えながら歌い上げ系のボーカルを聞かせるHe Talks Like TrafficやHollow(曲は良い)などよりは軽めのタッチで歌うOpen Armsやちょっと弾き語り風ながらしっかりバンドがついているKeep A Firm Grip、またはフィドルの音が華を添えているBelieve Itといったところの方がその声に合っていると感じる。とはいえギター一本で歌うAm I Looking for YouやTownなどはゆったりとした雰囲気が出ていて良いのだが、ファルセットはもうちょっと控えめの方が耳に優しいのではないだろうか。そんななかでフィドルやパーカッションをフィーチャーしてアイリッシュ風味を前面に出したHalfway Homeが面白い。他にもバウロンやティン・ホイッスルといった伝統楽器を入れた曲はあるのだが、Believe Itとこの曲ほどはっきりとそんな雰囲気を感じさせる曲はない。
Captured, Open ArmsなどにおけるEddiのボーカルは時には清々しく、時には力強く響き、同じバランスでミックスされていたら主役を喰っていただろうと思わせる。
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