Eddi Reader @ 大阪・梅田クラブクアトロ (June 28, '14)
Eddiの1年3ヶ月振りとなる来日公演、今回は新作アルバム、Vagabondを携えてのツアーです。前回(昨年)、前々回(’10年)と新作発表とは関係のないツアーが続いていたので、新作発表に伴うツアーとしては’09年のツアー以来になります。今回のバンドはIan Carr, Alan Kelly, Kevin McGuireに、’09年のツアー依頼の参加となるRoy Doddsを加えた構成です。25年前のFairground Attractionのツアーでももちろん一緒だったRoy Doddsがいるのはいいのですが、、Candyfloss & Medicineのツアー以来ずっと日本に一緒に来ていたBoo Hewerdineと、ここ最近は一緒だったJohn Douglasがメンバーに入っていないというのには、二人とも4月のイギリスツアーには同行していただけに驚かされました。いまさら知りましたが、オーストラリアツアーの会場のサイトによると、Booは個人的な事情でオーストラリアツアーにも参加してなかったようですね。。。BooとJohnがいないこともあって、今回は IanとKevinがバックコーラスをとても頑張っているというのが実感できます。
今日の会場の入りは、事前の予約状況(※セブンイレブンのチケぴ端末で整理番号まで確認できます)からとても心配していたのですが、、最終的には半分くらい(余裕のある立ち方で、ですが)は埋まっていたでしょうか。ただ、その割に開場前の出足は良く、10年くらい前だと今回の私の整理番号(53番)でも5番目くらいに入れてしまっていたのに、最初の30番くらいまでの人はほとんど来ている感じでした。その分コアなファンがしっかり来ている、ということになるのでしょうか。それでも先に入った人の多くは椅子席もしくは少しステージから離れた位置にいたため、最前列のほぼ中央を確保することが出来ました。
今回のツアーはFairground Attractionの来日公演から25年後(特に名古屋はきっかり25年後)ということもあって、スマッシュに掲載されたEddiからのメッセージビデオでもFairground Attractionの曲がこれまでより多く演奏されることが予想され、実際、そのようになりましたが、予想を超える内容となっていました。まず1曲目はStation Street。いきなりこの曲です。The First of A Million Kissesの中で一番地味な歌で、来日公演でも演奏されませんでしたし、そもそもほとんどライブで演奏したことがないだろうと思われる曲です。演奏前にEddiがIanに曲名を伝える声が聞こえた時はまさかと思ったのですが、本当に演奏されたのに驚きました。ですが、今回のこのバンド構成(ギタロンがダブルベースになっただけで実はFairground Attractionに良く似てます)では音がとてもふくよかで、心地よい演奏でした。その要因はダブルベースとドラムスの音が前面に出ていたことで、これにアコーディオン(原曲にはない)が加わったことで芳醇な雰囲気を醸し出していて、新作アルバムに収録されていたとしてもおそらく違和感はないだろうとも感じました。この曲に対する認識を大きく改めさせられるのは間違いありません。そして、Fairground Attraction(曲)が演奏されたのも特筆できます。Eddiがソロになってから日本で演奏するのはこれで初めてですが、アルバムで感じられるやや呪術的な雰囲気はなく、Eddiの歌もバンド時代よりも一般的な?(Eddiの他の曲での歌唱との共通点を感じる)歌唱となっていました。その他にもThe Wind Knows My Name, Whispersなど比較的珍しい歌(過去の来日公演で演奏されたことがあるものの、イギリスでも滅多に聞けない)が演奏され、Fairground Attractionの曲で演奏されたのはこの日だけで9曲(※Mystery Train含め)です。これまでこんなに演奏されたことはもちろんありませんでした。
ソロの初期の歌を久しぶりに聞くことが出来たのも今日のコンサートの大きなポイントで、また聞きたいと最近よく思うようになっていたDolphins(日本では10年振り!)に加え、滅多に聞けないHoneychildを演奏してくれたのはとてもうれしかったです。Dolphinsではおそらく初めてEddiがギターを持ちながら歌うのを見たと思いますが、あの腕の大きなアクションがなくてもEddiの歌はとてもソウルフルかつ高音まで澄み切っていて、ここまで演奏された中でも一段レベルが違う感じでした。Honeychildはこれまでよりゆったりしたアレンジで、Eddiがとても丁寧に歌っていたのが印象的です。Alanのアコーディオンの音がまた効いていて、このアレンジはアコーディオンのためではないかと思いました。
Fairground Attraction、ソロ初期の曲の印象が強くなりがちですが、最新作の曲も9曲演奏されています。アルバムを聴いただけでもその良さがわかるVagabondやIt's A Beautiful Nightといった曲はもちろん、他の曲もライブで聴くと少し印象も違います。特にBaby's BoatはRoyのドラムスが前面に出てくる間奏部からそのグルーブ感が半端なく、一気に乗せられますし、Eddiの魔法のコーラス指導の後で聴くMacushlaはその曲の良さを実感できます。どの曲も、Eddiらしさを存分に感じることが出来る演奏になっていると思います。
今回のEddiは高音まで声がよく出ていて、近年少し感じられるようになっていたハスキーさもほとんど感じられず、透き通った歌声を聞かせてくれます。それに加えさらに深みを増した表現力で、演奏中何回も凄みを感じました。(クアトロでの公演だからできるのですが)例によってEddiがその場で歌いたいと感じた曲をバンドメンバーに伝えてセットリストが決まっていく(どの曲を言われてもあまり動じなくなった(←たまに動じる)Ianはたくましくなりました、、)形で進行していくことに加え、今回のツアーならではの曲が演奏されるのを期待できることもあり、見逃してはいけないコンサートと言えます。
終演後は演奏中にEddiから予告があったようにEddiがロビーに出て来て、CD(今回売っているのはVagabond、Love Is the Wayと5月に再発されたアルバム4枚です)を購入した人を対象にサイン会が行われました。
6/28@梅田クラブクアトロ
1. Station Street
2. I'll Never Be the Same
3. Vagabond
4. Moon Is Mine
5. Dragonflies
6. Married to the Sea
7. Macushla
8. Fairground Attraction
9. Dolphins
10. Baby's Boat
11. Mystery Train
12. The Wind Knows My Name
13. Honeychild
14. Buain Na Rainich (Fairy Love Song)
15. Whispers
16. Perfect
17. Back the Dogs
18. Pray the Devil Back to Hell
19. Clare
20. Love Is the Way
21. Willie Stewart/Molly Rankin
22. Moon River
(Encore)
23. Find My Love
24. It's A Beautiful Night
演奏時間:1時間41分(本編のみ)、1時間54分(全体)
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