Eddi Reader @ ビルボードライブ大阪 (Dec. 9, '10)


大阪公演も東京公演二日目同様に充実した内容のとてもよいコンサートとなりました。特にセカンドステージは今回のツアーで内容、パフォーマンス、会場との一体感のすべての点でベストと断言できるものとなりました。

今日の会場の入りは、ファーストは両端のカジュアル席にやや空きがあった以外はほぼ埋まっていて、セカンドも開演直前まではやや少なかったものの、最終的にはファーストと同じくらい入っていました。私はファーストは最前列の中央やや左(ステージ上配置の関係でEddiのほぼ正面)、セカンドは2列目の中央やや右に座りました。会場の反応はファーストは特筆するほどではなかったですが(でも今回のツアーで初めて花束とか渡してる人がいました)、セカンドでは1曲目から手拍子が起こり、その後もたびたび手拍子が聞かれ、あきらかにそれがEddi達の演奏に好影響を与えていました。今日のセカンドは、コンサートがアーティストと観客の共同作業で作られていくことをあらためて実感させてくれる、理想的な展開だったと言えます(このコンサートを思い起こすくらいでした)。

セカンドがあまりに良かったとはいえ、Eddiはファーストから気合いの入ったパフォーマンスを見せてくれて、一部で高音がうまくでなかった場面こそあったものの、東京二日目と甲乙付けがたい出来でした。特にPAにリバーブをもっと効かせるように指示した後に演奏されたRed Red RoseやAllelujahはこれまでで最も良かったくらいです。ただ一つ残念だったのは、本編が予想よりも早く終了してしまったことですが、これはEddiがステージ上に置いてあったデジタル時計を見て、予定時間をもう過ぎたものと思って急いで(「あと2曲」と言ってたのに1曲だけで)演奏を切り上げてしまったためのようでした。ただ、バックステージに下がった直後に(Eddiはその時計と一緒に退場していた)、その時計が10分進んでいたことがわかり(笑)、急いでアンコールに出てきてさらに2曲を演奏してくれて、結局東京2日目と同じくらいの時間にはなったのですが(それでもファーストとセカンドの間の時間が東京より長いことを考えるともう少し演奏してくれるかも、と期待はしていたのでちょっと残念)。とはいえ、ファーストだけ、セカンドだけという曲も今日はけっこうあったので、ファースト、セカンドの両ステージを合わせて一つのコンサートと捉えればいいのだと思います。

そしてセカンドステージ。これまでどおりHummingbirdで始まりましたが、会場からの手拍子を受けて、Eddiが体全体を大きく動かしながらこれまでで最もダイナミックなパフォーマンスを見せてくれている姿に、これまでとは気合いの入り方が違うのを感じました。そしてDragonfliesに続いて演奏されたPatience of Angelsは歌だけでなく全身を使って表現された完璧な出来で、この時点でこのステージが最高の内容になるのを確信しました(ただ演奏時間だけは心配だった、、)。この後、またLeezie LindsayとWhispersを演奏してくれたり、日本では初めてとなるI Hung My Harp upon the Willow(Alan KellyのアルバムでEddiが客演し、今年のCeltic Connectionsでも共演している、とてもいい曲です)を披露してくれたりと、選曲の面だけとってもこれまでで一番と言える内容でしたが、このステージの素晴らしさはそこにとどまらないものでした。セカンドが特別なものになった要因としては、会場の反応とハプニング性が挙げられます。開演直後から、バラード系以外のほぼすべての曲(曲自体を初めて聞く人が多かったであろうI Hung My Harp upon the Willowも含む)で手拍子がついたことで、会場内に一体感が生まれてとてもよい雰囲気になりました。これによりEddiがこれまで以上に演奏に集中できる状況となったことで、今回のツアーではこれまであまり見られなかった、目を閉じて腕を大きく動かしながら全身を使って歌うEddiの姿を頻繁に見ることが出来るようになり、Eddiのパフォーマンスの質が一段上がったのだと思います。また、Booたちがチューニングをしている時間を見つけては「うさぎ」(例によってワンフレーズだけだけど、何箇所かで歌ってました)などの一節を口ずさんだり、このステージのみさらにSomewhere over the RainbowやLa Vie En Roseをアカペラで歌ってくれたりしましたが、これもEddiが観客の反応に満足し、気分がノッていたからこそ自然と出たのだと考えられます。ハプニング性という点では、Wild Mountainsideを演奏しようというところでAlanのアコーディオンのマイクが取れてしまった場面(序盤に一回取れて、Whispersの演奏中にもう一回取れていたのが伏線になっていた)が挙げられます、ここでEddiは笑いながら「私がこうやって持っていましょうか」と言ったのですが、Alanはそれを断って自分で修理を始めました。そのため、Eddiはその時間を稼ぐためにAlanが修理している横でLa Vie En Roseを歌い始めました。最初のうちはワンコーラス歌って終わらせるつもりだったようですが、会場から煽られたのと、Alanの修理がなかなか終わらない(途中でEddiは「早く終わらせなさい」とAlanに蹴りをいれる仕種をして笑わせてくれました)というのがあって、途中にほかの曲の一節?を入れ込んでいるうちに歌いきって?しまいました。結果的にはこれでさらに(もともと良かった)会場の雰囲気が良くなったと思います。それでもAlanの修理が終わらなかったため、Eddiはこの時点でAlanを待つのをやめ、Wild Mountainsideが演奏されたのですが、Alanは結局修理をあきらめて途中からマイク1本だけつけて演奏し、ソロの場面を立派にこなし、Eddiから称えられていました。そして会場が一体となって演奏されたWillie Stewartの後で本編が終わったあと、一旦会場の照明がつけられ、音楽も流れ始めてしまったのですが、この状態で簡単にアンコールをあきらめられるはずもなく、多くの人が拍手を続けていたらEddiたちがあらためて登場し、Love Is the Wayが演奏されました。いつものようにこの曲ではEddiが観客にコーラスを一緒に歌ってくれるよう求めるのですが、これに応えて歌っている人がこれまで以上に多かったと思います。この曲が終わった後、EddiがJohnに耳打ちしていたので何が演奏されるかと思っていたら、突然Booたちが退場し始めました。Johnだけはそれでも残ろうか少し迷っていたようでしたが、結局ほかのメンバー同様に退場してしまいました。Eddiにとってこれは予想外のことだったようで、さきに会場を出られてしまうと不安に思ったのか、「私を待っててね」と言ったりもしたのですが、最後には観念したように"OK...thank you guys" と言って、一人で演奏を始めました。演奏されたのはAs Time Goes By。しっとりとしたEddiの弾き語りで、楽しく充実したコンサートが終わりました。

12/9@ビルボードライブ大阪 ファーストステージ

1. Hummingbird
2. Patience of Angels
3. Dandelions
4. Dragonflies
5. My Love Is like a Red, Red Rose
6. The Moon Is Mine
7. Allelujah
8. Muddy Water
9. Bell, Book and Candle
11. Perfect
12. New York City
(Encore)
13. Silent Bells/Jingle Bells
14. Willie Stewart/Molly Rankin
演奏時間:アンコール含め 1時間14分(本編 1時間3分)

12/9@ビルボードライブ大阪 セカンドステージ

1. Hummingbird
2. Dragonflies
3. Patience of Angels
4. Find My Love
5. Dandelions
6. Bell, Book and Candle
7. Charlie Is My Darling
8. Leezie Lindsay
9. Somewhere over the Rainbow
10. The Moon Is Mine
11. New York City
12. I Hung My Harp upon the Willow
13. Perfect
14. Whispers
15. Silent Bells/Jingle Bells/Walking in A Winter Wonderland
16. La Vie En Rose
17. Wild Mountainside
18. Willie Stewart/Molly Rankin
(Encore)
19. Love Is the Way
20. As Time Goes By
演奏時間:アンコール含め 1時間43分(本編 1時間30分)


最後の方にEddiが今回の来日が決まった経緯をちらっと話してましたが、それによると、ビルボードライブからEddiのエージェントに「予定に穴が開いたので12月に1週間程度どうか」と打診されたということでした。それに対してEddiは二つ返事で"Yes"と言ったそうです。また、今日の演奏中に、Eddiは何回か「また来年来る」とか"See you next year"と言ってましたが、それを聞いてそういえば東京公演2日目でもそんなことを言ってたなぁと思い出しました。その時は確か、John McCuskerと一緒に3月に来るとか言ってたような気がするのですが、、記憶はかなりあやしいです。。。でもこれだけ何回も言っていたことから考えると、来年も日本にはほんとに来るのではないでしょうか(と、思っていたら、、来日情報を見つけてしまいました。。。詳しくはNewsで)。



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