Candyfloss and Medicine
(アルバム, '96)
ワーナー, WPCR-780(日本盤)
Blanco Y Negro, 0630-15120-2(英盤)
Reprise, 7599-46370-2(米盤 → 収録曲はこちら)
曲目
1. Glasgow Star
2. Town Without Pity
3. Medicine
4. Rebel Angel
5. Semi Precious
6. Lazy Heart
7. I Loved a Lad
8. Butterfly Jar
9. Candyfloss
10. Darkhouse
11. If You Got A Minute, Baby
12. Sex Lives
*11曲目は日本盤、アメリカ盤のみ、12曲目は日本盤のみのボーナストラック(イギリス盤は10曲のみ)。アメリカ盤は収録曲、曲順が大幅に異なる(下記参照の事)。
ここで試聴が出来ます。
クレジット
(ソングライティング)
1. Eddi Reader and Teddy Borowiecki
2. Tiomokin/Washington
3, 5. Eddi Reader/Boo Hewerdine/Teddy Borowiecki
4. Eddi Reader and Neill MacColl
6, 9. Boo Hewerdine and Eddi Reader
7. Traditional arranged by Eddi Reader
8. Boo Hewerdine and Calum MacColl
10. Eddi Reader and Calum MacColl
(プロデュース)
Eddi Reader and Teddy Borowiecki
解説
'96の6月(日本では7月)にリリースされた第3作。全英チャート最高位24位。
先行リリースされたシングル、2のTown Without Pityで強烈なイメージチェンジを予想させられたが、音楽的には前作のWhen I Watch You Sleepingや1作めの方向性をより深化させてメロウにしたという印象を受ける。このアルバムの特徴はむしろ歌詞にあり、恋愛(特に片思い)について焦点を当てたアルバムが作りたかったとEddiはインタビューで語っている。ジャケットに使われた写真の数々やTown Without Pityから受けた印象から、当時はまず聞くことに勇気が必要だったアルバムだが、一段とスケールアップしたEddiの世界が展開されている。
1曲目のGlasgow Star(Anthony Thistlewaiteがマンドリンで参加)は典型的な(しかも出来のいい)Eddiナンバーだが、次のビッグバンドスタイルの2にはやはりたいていのファンは驚かされるだろう。しかしその次のMedicineからLazy Heartまでの流れは聞き応えがあり、Eddiの世界に引き込まれていく。Medicineは地味な曲調ながらゴージャスなストリングスを絡ませたナンバーで第2弾シングルとしてカットされた。これまでのEddiにはあまりみられない、ファルセットを多用した歌が新しい表現を感じさせる。この曲の他にButterfly Jarでもファルセットを使った歌をEddiは披露している。次のRebel Angelは日本では独自にシングルカットされたナンバーで、アルバム中唯一のアップテンポのナンバー。Eddiの歌声は活気に溢れている。そして5曲目のSemi Preciousは文句なしにアルバムのベストトラック。声を細かくコントロールして、声量を大きく変化させずとも微妙な感情表現に成功しているEddiの歌声が素晴らしいのはもちろんだが、Teddy Borowieckiのピアノ、ストリングス、そしてギター(Dominic Millar?)も曲の雰囲気を引き立てている。個人的にはEddiの発表したナンバーの中でもベスト3に入る出来だと思う。Lazy Heartも抑えた歌い方とコーラス部での感情の出し方の対比が曲調に良く合っている。後半部でのTeddy BorowieckiのピアノとEddi自身によるコーラスも印象的。Roy Doddsのドラムもいい味を出している。9曲目のCandyflossはアルバムタイトル曲とも言える歌だが、もう一つのタイトル曲、Medicineでファルセットを使っているのとは対照的に、低音を使って歌っているのが面白い。Calum MacCollのギターが印象的な最後のDarkhouseでは特別なことをすることなく、しかしこれまで以上に可憐な歌声でアルバムを締めくくる。
収録曲に派手さはないが、ここで聞くことのできるEddiの歌唱力は着実な進化を遂げている。このアルバムからカットされたシングルに収録されたボーナストラックもどれもいい出来だったことからこの頃のEddiの充実振りを伺うことができる。このアルバムをサポートするツアーではアルバムの世界を再現したかのような部屋を模したセットで、プライベートな印象のするステージだった。
アメリカ盤ではTown Without Pityが敢えて外され、異なる収録曲で発表された。曲順は以下の通り:
1. Glasgow Star
2. Candyfloss
3. Rebel Angel
4. Sugar on the Pill (Medicineシングル#1より)
5. Semi Precious
6. Medicine
7. If You Got A Minute, Baby (Town Without Pityシングル#2より)
8. Lazy Heart
9. Shall I Be Mother (Town Without Pityシングル#1より)
10. Butterfly Jar
11. I Loved A Lad
12. Darkhouse
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