Cambridge Folk Festival ('00/7/27〜30@イギリス・ケンブリッジ・チェリ−ヒントン・ホ−ルグラウンド)

3日目(7/29)
(この日の写真はこちら


Cambridge Folk Festival3日目はEddi Reader & Boo Hewerdineと並んで今回の旅行の目的であるPaul Heaton & David Rotherayが出演する日。しかし他にも見たいアーティストが連続して出演する日でもあり、気分的な余裕のない日だった。

この日まず見たのは1時からのKathryn Williams。到着が遅くなり危うく見逃すところでしたが、なんとか最初から見ることができました。イギリスの雑誌QやMojoでは軒並み推薦されている人なので注目していたがまだ聞いたことはなく、この日のライブが初めて接するチャンスとなりました。アコースティック・ギターを持った彼女とベースプレイヤーの二人によるステージで、曲によっては一人で演奏する形で35分間で8曲を演奏。声と歌い方はSuzanne Vegaに似ているけど、芯の強さを感じさせ表現力もSuzanneよりある。曲の方はフォークをベースとしつつもシンガーソングライター然としたもので、かなり気に入りました。Nick Drakeと良く対比され、Nick Drakeのトリビュートライブで一躍注目を集めたらしい。日本に帰ったら通販で購入予定。

次に場所を移動しほぼ連続で見たのは昨日父親が出演したEliza Carthy。プレスの写真を見る限りベビーフェイスのAni Difrancoといった感じでトラディショナル・ミュージックの世界ではそれに近い扱いを受けているらしく、Mercury Prizeにもノミネートされたことがあるというので期待していました。フィドルを演奏する彼女とアコーディオン担当の男性二人の3人という構成のステージは8曲で約50分間にわたり、歌入りも3曲ありました。確かに3人とは思えない迫力ある演奏には圧倒されましたが、あくまでフィドルの演奏がメインで歌は余技という感じなのが個人的にはイマイチ。けど会場からは大喝采を受けていました。

次は一組おいて同じステージでKate Rsubyが出演すると公表されている(プログラムに写真まで載っている)John McCusker & Friends。バンドは6人構成で、本人はフィドルを中心にマンドリンも弾き、他にギター、ベース、ティン・ホイッスル、アコーディオンにバウロンが加わっていました。優男風のルックスではあるものの自信に溢れた演奏ぶりと、バンドを率いる手際も大したものでした。プレスも10人くらい撮影に来ていて、注目されている存在であることを窺わせます。バンドメンバーはバウロンを落とした際にスティックを折って演奏を中断してしまったバウロンプレイヤー(またあとの曲では演奏してソロもとったけど)以外はみな演奏が上手く、バンドとして出す音はよくまとまっていて、アイリッシュ音楽ではあるもののスローなオリジナル曲も何曲か演奏されて、いままで見たアイリッシュ系のアーティストの中では一番バラエティに富んでいて聞き応えがありました。ステージの構成はバンドで3曲演奏した後にKate Rusbyが登場して彼女の曲を3曲歌って一旦下がり、またバンドで3曲演奏した後再びKateが登場して1曲だけ歌い、その後バンドで1曲演奏して本編を終了し、アンコールで2曲演奏してました。

でKate Rusbyなのですが、アルバムで聞ける通りの声を聞いた瞬間、Eddi Readerの声をFairground Attractionの来日公演で初めて聞いた時と同様の感慨を覚えました。ハイトーンで滑らかな声は生で聞いてもやはり良いもので、彼女を大きな拍手で迎え入れた観客は彼女が歌っている間、静かに聞き入っていました。ギターを演奏しながら歌う姿には、シンガー専業だとばっかり思っていただけに少し驚いてしまいましたが、最初の登場時には最初の1曲だけはJohn McCusker達のサポートを受けていたもののあとの2曲はほとんどソロで演奏していました。写真からではキャラクター的には静かそうに見えるのですが、登場・退場時の姿を見ると結構おきゃんな感じでした。John McCuskerには悪いけど、つくづくソロ名義ではないのが残念。

この後食事(またパスタ、あとサラダとガーリックブレッド)を取って、Paul Heaton & David Rotherayの席取りのことを考えて二つ前のアーティストが演奏中のRadio 2ステージへ。この人が終わった後にステージ前方へ出て最前列のど真ん中を確保しました。その状態で見たのはTarrasという6人編成の若いケルティック系バンド。このバンドは美女・美男が揃っていて、男性陣の中にはSting + Noel Gallagher(ただし老け顔ではない)みたいなキーボードプレイヤーとかWilliam Baldwinに似たアコーディオンプレイヤー、スマートなSean Lennonといった感じのギタープレイヤーなどがいました。またバンドの通常のメンバーではないものの最後の方に加わった女性4人のコーラス隊にはJodie Foster + Bonnie Raittな女性もいました。本編8曲(うち歌もの3曲?)+アンコール3曲で約50分に亘ったステージは観客に好評で、Heaton & Rotherayの登場を遅らせたほどでした。バンドの演奏もいろいろと工夫を見せていてもちろん良かったのですが、好評だった最大の要素は美人女性フィドラ−の存在だと言えるでしょう。彼女がソロを取った曲ほどリアクションが良く、特に一部では異常とも思えるほどの盛り上がりを見せていました(「フィドル・プレイヤーをもっとフィーチャーしろ」みたいなことをいった人が周りにいた)。明日も出演すると聞いて私も思わず見たいと思ってしまったりして。

Tarrasの演奏終了後ステージ前の方の密度が一気に高くなり、"Heaton, Heaton"と連呼する人もいたりして雰囲気が徐々に高まっていきました。そして予定より15分ほど遅れていよいよPaul Heaton & David Rotherayが登場し、待望のコンサートが始まりました(Heaton & Rotherayのレポートはこちら)。

Cambridge Folk Festivalは次の日もありますが、私が見たのはこの日までで、明日はGuildford Live Festivalを見に行きます。

Concert Review Topに戻る

Homeに戻る