Cambridge Folk Festival ('00/7/27〜30@イギリス・ケンブリッジ・チェリ−ヒントン・ホ−ルグラウンド)

2日目(7/28)
(この日の写真はこちら


 Cambridge Folk Festivalの2日目はAni Difrancoが最大の目的で、他は興味の持てそうなのを見ようと思っていたのですが、予想外な展開になりました。Eddi Reader & Boo Hewerdineが登場したのです!

 その話は取り敢えずおいといて順番を追って書いていきます。今日は3時からの開演だったのですが、約10分遅れて会場に到着。最初に見たのはクラブテントでMartin Carthy & Colleagues。この人は今回見たいと思ってる未聴のアーティストの一人、Eliza Carthyの父親で、だからプログラムには書いてないもののElizaが出演するのではと期待していったのですが、結局ゲストの参加はなし。内容も音楽よりは話しが主体で、昔話や観客からの質問に応える合間に弾き語り風で数曲演奏するというものでした。率直に言ってかなりがっかり。

 で一応最後を見届けた上でKepa Junkera(そういえばピーター・バラカンが熱心に宣伝してたのはこの人だったはず)を見ようとメインステージへ向かったところ、なんか見覚えのある顔がステージに。どうもBooに似ているなぁと思って双眼鏡で確認しようとしたところ、Eddiがステージ脇から登場!次の瞬間に席を前に移し、気持ちを切り替えました(この後のEddi Reader & Boo Hewerdineのステージに付いてはこちらに書きました)。

 Eddiが終わってから夕食(フランスパンのサンドイッチみたいなもの)を買いに行き、食べながら次を待ちます。次はBlazin' Fiddlesという非常にイメージしやすいバンドで、6人がフィドルを演奏し、これにキーボードとギターを加えての演奏でした。だいたいイメージ通りの音でそれを大きく外れることのない演奏だったのだけど生で見る分にはやはりこういうのは楽しいです。この後は昨日に続いての登場となるEzio。今日も7曲で約50分の演奏で、会場が昨日より大きい分盛り上がりも大きかったのですが、それまでオンタイムだったのにやっぱりサウンドチェックで大幅に時間超過してました。この後次の次のAni Difrancoのことを考えてステージ前で立ち見待機状態に入りました。周りが女性の観客ばかりだと思っていたのですが、この理由は後ほど明らかになります。

 次はSolasという5人組のアイリッシュ・トラディショナル・バンドで、男性3人(ギター、アコーディオン、フルートやバンジョー)と女性2人(ちょっと目つきを悪くしたNatalie Merchantと言った感じのフィドル担当とボーカル担当)の5人組でした。一応シンガーはいるもののインストと歌入りを交互に演奏しており、あくまで楽器が主役で、曲によってはティン・ホイッスル(フルート、バンジョーも担当する男性が演奏 - 全アイルランド選手権で4つの楽器でチャンピオンになったらしい)もフィーチャーしてアイリッシュ色を強く感じさせる演奏でした。女性シンガーはKate RusbyとMary Blackを合わせたようなハイトーンの声で結構良い声なのですが、声量がちょっと足りない感じでした。ステージの前半では音響のバランスが悪く、アコーディオンやギターの音がほとんど聞こえなかった為(ボーカルも小さかった)にこじんまりとした印象を受けたのですが、後半はギターvsフィドルのバトルもあったりしてけっこう聞き応えはありました。この後いよいよAni Difrancoだったのですが、司会進行役が「次はAni Difranco」と言ったとたんに周囲から物凄い歓声が上がりました。周りを改めてみてみると先ほどまでよりさらに女性の密度が高くなり約9割は女性の観客、中にはハンディカムを構えている人もいました(おとがめはなし)。女性の共感を呼ぶAni Difracoの人気はイギリスでも盛上がっているようです。予定の時間を過ぎて30分以上たってももなかなかサウンドチェックがうまくいかず、いいかげん観客が痺れを切らした頃にやはり待切れなくなったAniが登場し、演奏しながらサウンドチェックをするという形でステージが始まりました。

 この日のAniは1月の来日公演の時よりもステージングも演奏も激しくシャープさも増した感じで、来日公演前に私が予想していたのと近い感じでした。バンドはAniの他に来日公演時と同じメンバー(キーボード&アコーディオン、ベース、ドラム)にトランペットとサックスのホーン隊を加えた構成でしたが、音響が悪くホーンは後半になるまでまともに聞こえていませんでした。ところどころでサウンドチェックのことや、昔初めてこのフェスティバルに出演した時の話し(Suzanne Vegaにサインもらったらしい)をネタに曲に乗せてなにげなく、しかし自然に歌い、そのリズム感の良さに改めて感心させられました。普段はキーボードを担当している女性(ここではアコーディオンを演奏)とのデュエットという見せ場を作った後にメンバー全員をステージ脇に引っ込ませて独演で演奏するなど、観客を引き付ける強烈な魅力がこの人にはあります。結局演奏したのは本編10曲にアンコール1曲の全11曲で約1時間のステージでした。

 この後はBilly Braggだったのですが、既に10時を過ぎていてどうせまたサウンド・チェックで待たされると思われたので、今日はここで会場を後にしました。

 明日はいよいよ夢にまで見た(本当、悪夢だったけど、、)Paul Heaton & David Rotheray (The Beautiful South)とKate Rusbyが出演します。

3日目のレポートを読む。

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